このサイトでも頻繁に触れていますが、カレッジフットボールに置いてリクルーティングはチーム育成に欠かせない大事なポイントです。チームにどんなに優れた戦術やトレーニングがあったとしても、それを体現する選手のポテンシャルが低ければどうしようもありません。やはりもともと備わっている能力が高い選手が多ければ多いほどそれはチームの結果に直接繋がってくるものです。そのためにもリクルートの気をひくためにはなんでもしなければならないというのが現在のカレッジフットボール界の風潮なのです。
カンザス大の場合
昨年歴史的な勝利をテキサス大から奪ったカンザス大。3年目となるデヴィッド・ビーティ(David Beaty)監督にはまだまだ仕事が山積みですが、いかに落ち目であったと言ってもあのテキサス大を破ったという事実は評価されるべきです。少なくとも大学側はビーディ監督が率いるフットボール部に本気で投資するようです。
というのも大学側は先日3億ドル(約300億円)をつぎ込んでフットボール部の施設をアップグレードする予定であることを発表したからです。
カンザス大は2000年代に元ヘッドコーチ、マーク・マンジーノ(Mark Mangino)氏の指揮下オレンジボウルに出場するほどまでに至ったこともありますが、基本的にフットボール界では弱小と言われるチーム。そのチームが3億ドルもの資金をフットボール部にかけようというのですからこれはただ事ではありません。
パワー5チームとしてカンザス大は屋内練習場を持たない数少ないチームですので、おそらくこの施設が新設されることが予想されます。また老朽化するホームスタジアム、メモリアルスタジアム(1921年完成)のリフォームも考慮されることでしょう。
バッファロー大の場合
別の屋内練習場を持たないFBSチームにバッファロー大があります。バッファロー大はニューヨーク州の北部に位置し、冬の寒さは大変厳しいことで知られています。カナダとの国境はそう遠くないところに位置しているのですから。そんなチームが屋内練習場を持たないのは非常に厳しいですが、どうやらその状況を打破する朗報が届いたようです。
ニューヨーク州の州立大学システムの一つであるバッファロー大の資金は限られていますが、この度ニューヨーク州から1800万ドル(約18億円)の補助金が下りることが許可されたのです。彼らが所属するミッドアメリカンカンファレンス(MAC)では唯一屋内施設を持たないチームでしたが、ようやく彼らにも「春」が訪れそうです。これはリクルーティングに大きなプラスになるはずです。またチームの練習も天候に左右されずに行われるというのは現役選手にとっても喜ばしいニュースであるに違いありません。
アーカンソー州立大の場合
中堅カンンファレンス、いわゆるグループオブ5の一員であるアーカンソー州立大(サンベルトカンファレンス)でも他のチームに遅れをとるなとばかりに自身のスタジアムの増築を決定しましたが、なんと彼らはスタジアムの一部に人口の滝(ウォーターフォール)を設置することを決定したというのです。
NFLジャクソンビルジャガーズのエヴァーバンクフィールドに似たようなセクションが設けられていますが、アーカンソー州立大のような中堅校がこのような遊び心をスタジアムに取り入れようとするのが変わっていますよね。
もちろんこの他にも実際のトレーニング施設やロッカールームなどもアップグレードされるようですが、スタジアムのアイデアはこれまでの考え方にとらわれない、ファンを呼び寄せるための画期的なアイデアだと思います。