今季のカレッジフットボールは第5週目までを終え、各地でコロナ感染が起きるチームを出しながらも業界全体で言えばこのパンデミックの中何とかシーズンを送ることが出来ています。先週には大御所SEC(サウスイースタンカンファレンス)が開幕し、ようやくカレッジフットボールシーズンが始まったのだと感じさせてくれました。
さらには8月の時点でコロナウイルスの影響を考慮して今季開幕を見送っていた4つのカンファレンスがここ2週間の間に相次いで遅ればせながら今季参戦を表明。Big Tenカンファレンスとマウンテンウエストカンファレンス(MWC)が10月24日に、Pac-12カンファレンスとミッドアメリカンカンファレンス(MAC)が11月6日に開幕を表明。ここに至るまで紆余曲折ありましたが、10あるFBS(フットボールボウルサブディビジョン、旧NCAA1部A)カンファレンスの全てが出揃う(といってもすべてが揃うのは後1ヶ月も先のことですが)事になったのです。
目次
前言撤回の訳
あれほど強情を張っていたBig Tenカンファレンスが方針を変えた背景には、コロナウイルスに対するより迅速で信頼性の高い検査が使用可能になったことと、コロナ感染者を追跡するコンタクトトレーシングの方法の厳格化を統一したことが大きかったと思うのですが、やはり忘れてはならないのは開幕を回避した4つのカンファレンスが試合を出来ない中指をくわえるしかない中でカレッジフットボール界は開幕し、アトランティックコーストカンファレンス(ACC)やBig 12カンファレンスと言った「パワー5」カンファレンス群の面々が全米の表舞台で激闘を繰り広げていたのを見た選手や関係者が「なぜ奴らがプレーできて俺たちがプレーできないんだ!!」という怒号をあげたからです。
そのピアプレッシャーに負け前言撤回して今季開幕へかじを切ったBig Tenでしたが、今度はそれを見たPac-12が「うちらだけがパワー5勢で開幕しないというのは体裁が悪い」とばかりにBig Tenに便乗。それに感化されたMWCも開幕を発表すれば残されたMACも彼らだけが開幕しないカンファレンスになるわけにはいかなくなったのです。
そうやって他人の顔色を伺いながら今シーズンの舵取りを任されてきた感が否めない今季のカレッジフットボール。FBS所属チームのほぼ全員が何らかの形で今季プレーすることになったことは確かに喜ばしいことですが、一方でやっぱり個人的に釈然としない気持ちは残ったままです。
それはコロナウイルスの脅威は基本的にまだ全米に蔓延しているからです。
未解決なコロナパンデミック
たしかにコロナウイルスを撲滅することは大変難しいことですから、いつまでも家にこもって何もしないわけには行きませんし、このウイルスと上手に付き合っていく方法を模索しなければならないとは思います。
しかしアメフトというスポーツの性質上、人と人との密接は避けられませんし、しかもチームは100人以上の大所帯。その彼らが運命共同体としてそのウイルスがもたらす長期的・将来的リスクも分からないまま、ただ試合がしたいという気持ちだけでフィールドに解き放たれている現状に未だ100%理解しきれていない自分がいたりします。
そもそも何故ここまでしてシーズンを強行しなければならないのか?
確かにシーズンは第5週目に差し掛かり、今の所開幕以来全米1位のクレムソン大や2位のアラバマ大などの大御所連中の中でクラスター感染が起きてはいません。
しかしもっと視野を広げてみるとあちらこちらで部内感染が起き、予定されていた試合が延期となったりキャンセルとなったりしています。そしてつい最近では遂に現在5位のノートルダム大でもクラスター感染が起き、先週のウェイクフォレスト大との試合は延期に。しかも彼らがその前の週に対戦したサウスフロリダ大もその余波を受けて先週のフロリダアトランティック大との試合が延期となってしまいました。
またヒューストン大は開幕から立て続けに対戦相手がコロナの魔の手に落ち、5週目を迎えるというのに未だ1試合もプレーできていません。その他にも数え上げればきりがないほど各地でコロナ感染のためにスケジュール変更を余儀なくされているのです。
ノーステキサス大がコロナ感染者を出したため今週末のヒューストン大戦がキャンセルに。
これでヒューストン大は5試合連続試合がなくなり未だ開幕出来ずじまい。
1⃣ ライス大(コロナ)
2⃣ ワシントン州立大(Pac-12不参戦)
3⃣ メンフィス大(コロナ)
4⃣ ベイラー大(コロナ)
5⃣ ノーステキサス大(コロナ) https://t.co/35dcZz522b— Any Given Saturday (@ags_football1) September 23, 2020
9月初頭の時点で開幕した連中はこのような事態が起きることを想定して試合数を減らし、通常よりも試合のないバイウィークを増やして不測の事態に備えてきました。しかし10月以降に開幕する予定の4つのカンファレンスはコロナ関連で試合が開催できなくなると、振替開催できるほどスケジュールに余裕がないのです。
しかもこれからアメリカではインフルエンザの季節に突入していきます。コロナの影響で世間ではマスクの着用やソーシャルディスタンシングなどの公共衛生行動がある程度行き届いているので、インフルエンザが例年よりも流行しないのではないか、などと仮説を立てる人もいるようですが、そんなことは誰にもわかりません。コロナウイルスとインフルエンザウイルスがかち合うなんてことはこれまで人類が誰も経験したことのない事象なのですから。
ビジネスとして肥大化したカレッジフットボール
上に挙げたようなリスクが拭えないのにも関わらず、行けるところまで行ってしまおう的な方針でシーズンが行われる最大の理由・・・それはやはりカレッジフットボールが生み出す巨大な富を捨てきれないからでしょう。
今季スタジアムを満員にすることなど不可能であり、それによって各地の大学では大損害を被っています。週によっては多くの人が蜜に集まるイベントの開催を禁止しているところもあり、そのような州に本拠地を置く大学らは無観客試合の開催を余儀なくされています。
観客動員が許可されているところでも最大で収容人数の25%ほどのファンが入場を許されると言った具合で、実際今までTVで観戦した試合は人が入っている試合でも客席がスカスカでホームの大声援など皆無に等しいほどです。
この影響を受けるのは大学ばかりではありません。フットボールの試合開催により恩恵を被ってきた地元のビジネスもこのパンデミックのせいで大打撃を受けるのは必死です。金のなる木であるカレッジフットボールは大学だけでなく地元も潤してきたということです。
それでも試合を開催する意義があるのはTV放映料やストリーミング料などでの収入が見込めるからです。
大学自体の財政を支えると言ってもいいほどの利益をもたらしてくれるのが大学スポーツ、特にフットボールやバスケットボールです。年を追うごとに増額となるTV放映権、そしてカンファレンスチャンピオンやボウルゲーム、さらにはCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に進出すれば、カンファレンスに多大なるキックバックが手に入り、それが所属チームに分配されていくという仕組み。
だからこそクレムソン大のダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督やアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)、ミシガン大のジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督らは700万ドルから900万ドルという巨額の年収を受け取ることができるわけです。強い監督が強いチームを世に送り出せばその見返りとして莫大な富が大学に流れ込む。そのサイクルを確保するために敏腕コーチの年収は年々右肩上がりに。いつしか州内の最高所得者がカレッジフットボールコーチになるような世界になったのです。
学生アスリートを搾取するモデル
ここで忘れてはいけないのが、このスポーツは一体誰のためにあるのか?ということです。歴史を紐解けば簡単なことですが、このスポーツをプレーする学生アスリートこそこの業界の主役であるべきなのです。
しかしアマチュアアスリートとして分類されながら彼らがプレーすることによって恩恵を受けるのは巨額な年収を受け取るコーチだったり大学自体だったいるすわけです。この歪んだ構造はカレッジフットボールというビジネスが肥大すればするほど顕著になっていきます。
確かに学生アスリートたちはスカラシップ(奨学金)を受け取る選手であれば学費が免除になるというベネフィットは手に入りますし、大学で活躍したお陰でプロの世界へ足を踏み入れることが出来、その先で成功すればお金に困ることはなくなるでしょう。
しかしそれはたった一部の選手であり、カレッジフットボールを愛する選手たちのその殆どは大学を出た後はそれぞれがプロフットボーラー以外の道を歩んでいくことになります。つまりカレッジフットボールに勤しむ殆どの大学生アスリートはフットボールをプレーすることで金銭的利益を得ることはないのです。
そんなアマチュアアスリートである彼らを元手に巨万の富を築いてきた大学側の歪んだ構造は何も今に始まったことではありません。しかし今回コロナウイルスのパンデミックがアメリカ全土を襲い、カレッジスポーツ全体にも激震が走ったことでこの歪みがさらに際立ってしまったのです。
カレッジフットボールの聖域化
大学側は当然セーフティーファーストを謳い選手の健康面を第一に考えると口を揃えますが、一方で例えばオハイオ州立大は6月にNCAAがキャンパス内での自主トレーニングを解禁とすると、戻ってきた選手たちにウェイバー(同意書)にサインするように促しました。内容を要約すると、キャンパスで自主トレをするならばこちらのルールに従ってもらう。それが出来なければ当施設を使用することは出来ない、というもの。
参考記事(外部英語リンク)Coronavirus Liability Waivers Raise Questions As College Athletes Return to Campus
自主トレ(という名の「必須トレ」)に参加するよう促しながらこちらのルールに従わなければトレーニングを始められないというのは酷すぎます。大学側は選手たちにコロナウイルスの恐ろしさを説き予防するための教育材料のための同意書だといっていますが、万が一コロナに感染した場合には我々を訴えることは出来ない、という保険をかけていると言われても仕方がないような文書です。
また、NCAAは当初からもし大学内で一般学生が授業を受けられないような事態に陥った場合はカレッジフットボールの開幕はないと断言していました。しかし秋学期が始まって早々に大学でクラスター感染が発生して対面授業が廃止となりオールリモートになったノースカロライナ大ではフットボール選手だけが特別にキャンパスに居続けて練習をしてもよいという処置が取られました。
フットボール部が特別扱いされるのは当然彼らには何が何でも開幕までたどり着きシーズンを突き進んでもらわないと困るという懐事情があったことでしょう。でなければ学業第一を謳いながら彼らだけそれとは異なった扱いを受けることは無いはずです。
なんとしても選手たちをコロナ感染から守るために各大学は彼らが考えうる最高の予防線を張ることになります。その最たる方法がコロナのPCR検査ですが、アラバマ大のニック・セイバン監督は先日行われたインタビューの中で、チームはプレシーズンキャンプ中は1日2回の検査、それ以降は毎日最低1回は全員が検査を受けているといい、同チームは全米で最も安全なチームだと豪語していました。
確かに早い段階でコロナの感染を感知し、その密接者を早急に追跡して隔離処分に置かざるを得ない選手を最小限に留めることは、チームがシーズンを生き残る上で非常に重要事項です。
しかしそんなことを実際に実行できるのは全米でもそうそうあるわけではありません。おそらくアラバマ大レベルのトップチームならばその潤沢な資金を使ってPCR検査を毎日行うことができるのでしょう。しかしこれだけの頻度で全員をテストしていたらその費用はとんでもなく膨れ上がるでしょうし、それに伴う人件費やラボ代を含めれば更に額は上がるはずです。
このようにコロナウイルスからの脅威を掻い潜ってシーズンを謳歌するするには相当な労力と費用を要するのです。が、こんな超特別処置を受けられのはフットボール選手のみ。大学にいる一般学生がこのような扱いを受けることなど想像出来ませんから、そのような学生たちにとってみればアスリートだけ超特別扱いを許されていることで自分たちのコロナへの危険性を蔑ろにされていると受け取ったとしても不思議ではありません。
また特別扱いといえばフットボール選手たちは十中八九「バブル」方式でコロナ感染から身を守ろうとしているはずです。これはNBAやNHLなどでも使われている方法で、つまりアスリートをバブル(シャボン玉のように密閉された空間)内に閉じ込め、外界からのコンタクトをシャットダウンすることでコロナ感染を防ぐというコンセプトです。
これを本当に達成するには選手の住まい、チーム施設、練習場、選手の自由時間などで外界との接触を一切禁じる必要があります。NBAやNHLなどはプロ選手、つまりスポーツを職業としそれだけをしていればいい人間の集まりであり、またロースター数も絶対的にフットボールと比べると少ないことから実行可能でしたが、カレッジフットボールのチームは人数が多い上に授業に参加するために教室へ出向かなければならないケースも出てきます。ですからこのバブル方式を実現させるためにはやはり莫大な労力と人件費が必要になってきます。
これはある意味一般学生とフットボール選手を差別して扱っているともとれ、ここにもフットボール選手は特別であるという陰のメッセージが隠れているように見えます。
つまりコロナ禍だろうがなんだろうが、選手をフィールドに送り出すためなら何でもするという姿勢が見え隠れしているというわけです。そしてその原動力ともなっているのがカレッジフットボールが巨大なビジネス市場であるという事実です。
救済処置?
こんな意図を察したかどうかはわかりませんが、プレシーズンまで世間を賑わしていた案件に学生アスリートたちがこれまで許されなかった自分自身の肖像権を元手にお小遣いを稼いでもいいのではないかという動きがありました。いわゆる「NIL(Name, Image, Likeness)」です。
既に昨年秋の時点でカリフォルニア州でNILを使って学生アスリートがお金儲けをできるようにするという州法に知事がサインし、そのことがきっかけでこの動きが全米に広がっていきました。おそらくこの動きは遅かれ早かれ全米中に広がっていくことでしょうし、そうなればアマチュアアスリートという名のもとで大学側に学生アスリートが搾取されるような構図をぶち壊すことができるかもしれません。
しかし同時にそれが許されるとなると「ではアマチュアリズムとはなんぞや?」というジレンマにぶつかってしまいます。学生が何を元手にどれだけ稼ぐことができるかということを規制する連邦法が制定されることをNCAAは望んでいますが、何よりも長いNCAAの歴史の中で今回の動きが容認されれば、NCAAの存在意義を改めて問う機会が訪れることになるでしょうね。
アーリントン訴訟
近年スポーツ医学界で盛んに議論されてきた問題に脳震とう(Concussion)があります。これは文字通り脳へのダメージのことですが、とかくコンタクトスポーツであるアメフトでは避けては通れないトピックです。
その昔、プレー中に頭部を強打し記憶が一瞬とんだり、意識が朦朧となったり、バランスが取れないようなことがあったとしてもそれに対して今ほどの注目はされてきませんでした。
昔のアニメや映画などでは脳震とうで倒れた人物に水をぶっかけて無理やり正気にさせるようなシーンをよく見かけましたが、今このご時世でこんな無茶をすることは決して許されません。ただ当時はこの脳震とうが長期的にどんな影響を人体に及ぼすのかはあまり分かっていなかったのです。
しかし時が経ちかつて現役時代に脳震とうを食らうことが日常茶飯事でありそれが大した問題に取り上げられなかったOBたちに相次いでCTE(Chronic Traumatic Encephalopathy、慢性外傷性脳症)の症状を見せ、記憶障害や身体障害、さらには自殺願望が顕著となり多くのOB選手たちがCTEに苦しんでいることが世に示され始めました。
そして2011年に元イースタンイリノイ大のエイドリアン・アーリントン氏が現役時代に複数回の脳震とうを受傷したせいで慢性の鬱病、記憶障害、頭痛などを引き起こし日々の生活に支障をきたすようになったのは、NCAAが脳震とうのリスクを知りながらそれを防ぐための処置を怠ったからだとして民事訴訟を起こしました。そして昨年夏にNCAAとアーリントン氏側が和解。その和解の内容として過去にカレッジフットボールに携わった全ての元選手に対して無料で脳の検査を受けさせることや今後脳震とうを予防するための啓蒙活動に力を入れるなどが盛り込まれました。
この訴訟による総額の賠償金が実に7000万ドル(1ドル100円計算で約70億円)にまで上り、NCAAはこの額を捻出しなければならなくなりました。
その当時は長期的な影響が分からず大したことがないと高をくくってきたNCAAはそのツケとしてこんなに莫大な賠償金を用意しなければならなくなったのです。
この脳震とうの話を現在世を席巻しているコロナウイルスに置き換えて考えるとどうでしょうか?
まだまだ未知なところが多いコロナウイルスですが、世界中で予防法や撲滅法などの研究が急ピッチで進められる中、このウイルスが長期的に人体に及ぼす影響などは当然まだ知る由もありません。最近警鐘が鳴らされてきたコロナウイルスとMyocarditis(心筋症)との関連性があるにも関わらずBig Tenは今季開催を決定する上でこの症状への危険性を除外しました。
このウイルスに感染した患者がたとえ回復したとしても将来的になにか別の症状を引き起こしたりする可能性が無いとは言えませんが、当然そんなことは時間が経たないとわからないわけです。そして当然そのことは議論されてきましたし、今後も議論が続くと思います。
もちろん10年も20年も先に起こるかもしれない人体への影響にビビって逃げ惑うことは得策ではありません。しかしスポーツを再開する中でコロナウイルスが長期的に人体に及ぼす影響の恐れが少なからず議論のテーブルに載せられてきたのにも関わらずBig Tenらは「やっぱり心配することはないからプレーしても大丈夫」と方針を180度転換させたのは、本当に心配することはないと確信したからなのか、もしくはそれが分かる頃には責任を取るべき人間は次世代にバトンタッチされているだろうという無責任な判断なのか・・・。
カレッジフットボール界の「怪物の尾」
筆者がフットボールファンになってからかれこれ20年以上が経ちました。かつてラッキーなことに実際の現場を見せてもらった経験もあり、そのせいもあって今のように商業化が激しいカレッジフットボールの世界は時に華やかにも見え、また見苦しくもあり・・・。
それはチームを強くするために必要な有能リクルートを集めるために、大学施設をこの世のものとは思えないぐらい豪華なものにして高校生たちの気を引こうとしたり、スタジアムの照明がコンサート会場のようにきらびやかになったり、スコアするたびに花火が上がったり。
またあと数年もすれば年収1000万ドル(約10億円)の大台に乗る監督が出てくるような世界になったり、マッチ料として100万ドル200万ドルが支払われることが日常茶飯事になったり。
とにかくカレッジフットボールは大きく変わり、エンタメ性が格段に上がりました。またその先にあるNFLでも契約金が年々上がり、それに釣られてカレッジキャリアを疎かにする選手も出てきています。ドラフトでの株を怪我を負ってしまうことで落としてしまうことを回避するためにボウルゲーム出場を拒否する選手が現れたのもその影響でしょう。
莫大な利益がつきまとう世界にはきな臭さはついてまわるもの。カレッジフットボール界もそれに漏れることはありませんが、特に今回のコロナウイルスのパンデミックというこれまで誰も経験したことのない非常事態を経たことでこのカレッジフットボールの世界の「怪物の雄」が露呈されてしまったのです。
それはアマチュアアスリートである学生選手たちを当てに莫大な利益を得る大学、カンファレンス、NCAAの構図であり、そのためにカレッジフットボールが聖域化されてしまった現状であり、それに目がくらんでカレッジスポーツの本質を失ってしまった業界全体の土壌であったりするのです。
当然筆者はカレッジフットボールの大ファンであります。やはり何があってもいい試合を見れば心躍りますし、その興奮や感動を少しでもこの世界を知らない皆さんに知ってもらいたいと願ってこのようなサイトを運営しています。この記事の私見はひょっとしたら大げさで少々歪んでいるものかもしれませんが(苦笑)、今後過去のようなシンプルな時代に戻ることはないと分かっていながら、コロナの影響で浮かび上がってしまったカレッジフットボール界の別の顔が存在することもここに書き残しておきます。