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クレムソン大QBブライアントが転校へ

クレムソン大QBブライアントが転校へ

現在全米3位で4年連続カレッジフットボールプレーオフ(CFP)進出を狙うクレムソン大にショッキングなニュースです。

昨年から先発QBを任されてきたのは4年生のケリー・ブライアント(Kelly Bryant)ですが、彼に代わって1年生のトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)が今週末のシラキュース大戦に出場することになり、それを受けてブライアントはクレムソン大から転校することを表明したのです。

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今回クレムソン大からトランスファーすることを決意したケリー・ブライアント

ブライアントは現ヒューストンテキサンズデショーン・ワトソン(Deshaun Watson)のバックアップQBを2年間務め、ワトソンが卒業した昨シーズンついに先発の座を射止め、12勝2敗という成績を残しました。しかしオフシーズンに2018年度のリクルーティングランキングで全米ナンバーワンと言われるローレンスが入部してきて先発の座を争う熾烈なバトルが繰り広げられてきました。

機動系のブライアントとポケットパサーでプロスタイルのローレンス。異なる系統のQBであるこの二人。今シーズンは開幕からブライアントが先発の座を任されるも、ローレンスとスナップを分け合うシーズンを送ってきました。そして先週、ジョージア工科大戦では出だしの2回のポゼッションでブライアントが不調。そしてローレンスが登場するとトータル4TDを叩き出す大活躍を見せて試合に勝利。そしてそれをうけてコーチ陣は日曜日にブライアントに先発QBの座をローレンスに任せることを通達。その後ブライアントはダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督と一対一で腹を割った話をしたそうです。

その時の様子を「大変エモーショナルだった」と表現したスウィニー監督はブライアントにその日は帰宅するように促しますが、彼は月曜日と火曜日の練習を連日欠席。そして水曜日の今日、トランスファー(転校)することを表明したのでした。

地元紙のインタビューでブライアントはこのコーチ陣の決断に遺憾の意を示し、ローレンスのことを認めないわけではないが、自分が先発でない理由が見つからない、今までコーチたちに言われたことを忠実に守って来たにも関わらずこのような結末になったことは『Slap in my face(顔を平手打ちされた)』ような気分だ、と表現しました。

これまでブライアントとローレンスにほぼ平等にプレーチャンスを与えてきたクレムソン大ですが、ブライアントが461ヤード、2TD、1INTであるのに対し、ローレンスは600ヤードに9TD、2INTと数字の上ではローレンスが上回っているのは確かです。ただ、2戦目のテキサスA&M大戦では接戦を最終的に制したのはブライアントの働きがあったからでしたし、数字では現れてこない経験値というものもあります。

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クレムソン大の新先発QBトレヴァー・ローレンス

あとはチームメートからの信頼です。2年間出番を待ち、昨年はCFP出場を果たした信頼おける4年生のブライアントをベンチに下げるということはチーム内の士気を下げかねないと思うのです。

しかしそれでもコーチ陣は今年優勝するにはブライアントではなくローレンスを起用しなければいけないと感じたのでしょう。ただローレンスを先発にすると言ってもブライアントも必要に応じて出場させるつもりだったことはスウィニー監督も明言しています。しかし先発の座を1年生に奪われた4年生のブライアントのプライドが大きく傷ついたとしても驚きませんよね。

スウィニー監督はこう話しています。

「ケリーのこの決断は悲しいし残念なものです。彼はこれまで立派にクレムソン大の生徒としての責務を果たしてきました。彼はこれまで私が接してきた選手の中でも最高の選手の一人です。しかし我々はチームのためにベストな決断をしなければならないのです。この決断をするのは大変タフなことでした。しかしこれまで4試合を消化してこれが今の現状なのです。ケリーが何か悪いことをしたわけじゃない。ただトレヴァーがケリーよりも良かった、それだけのことです。」

4年間苦楽をともにしてきたチームメートにこのような形で別れを告げるのはブライアントの本意ではないでしょうが、プロの道に進みたいのであればローレンスのバックアップとしてカレッジ最後のシーズンを過ごすことはベストな道ではないでしょう。

おそらくこれからブライアントに対する勧誘の嵐が全米で巻き起こることでしょう。ローレンスに先発争いで敗れたとは言え、彼の才能はまだ別のシステムで活きるはずですから。

そして今後4年生のブライアントを失ったクレムソン大の選手たちが、この自体に陥ったのはコーチ陣のせいだ、というようなことを言い出すような「不協和音」を起こさなければいいですが・・・。

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