#10 マイアミ大 @ #7 テキサスA&M
🇺🇸12月20日12:00PM ET | 🇯🇵12月21日2:00AM
CFP(カレッジフットボールプレーオフ)ファーストラウンド第2戦目となる第10シードのマイアミ大と第7シードのテキサスA&M大との一戦は、2025年12月20日土曜日にテキサスA&M大のホーム・カイルフィールドで開催されます。負ければそこでお終い、という大舞台でこの名門同士がどのような戦いを見せてくれるのかに大きな注目が集まります。
どちらのチームも名のある強豪ですが、この試合は両チームにとって史上初のCFP出場となる歴史的な意味を持ちます。また、そんな名門同士ながら実は過去の対戦経験はたったの2回(対戦成績は1勝1敗)。そしてこの試合の勝者はコットンボウルで第2シードのオハイオ州立大と対戦することになります,。
トレンチでの激戦
この試合の見どころの一つは、スクリメージラインでのディフェンスラインとオフェンスラインのぶつかり合いです。
テキサスA&M大のパスラッシュ力は全米でも随一。特にサック数(1試合平均3.42個、全米1位タイ)とタックル・フォー・ロス(1試合平均8.7回、全米2位)で全米トップクラス。このディフェンシブフロントのプレッシャーはマイアミ大のOL陣とQBカーソン・ベック(Carson Beck)にとって真の試練となります。
一方マイアミ大のディフェンスも負けておらず、試合あたりの失点数(約13.8点)で全米6位とトップクラスなユニットを擁しており、テキサスA&M大オフェンスに大いに立ちはだかります。マイアミ大ディフェンスとしては、ランとパスを効果的に織り交ぜる多様な攻撃を持つテキサスA&M大オフェンスをいかにしてスローダウンさせるかが課題。特にモバイル系QBのマルセル・リード(Marcel Reed)をポケットに封じ込め、自由にプレーさせることなくビッグプレーを防ぐことが最大の課題となりそうです
QB対決:ベック vs. リード
また対照的なスタイルのQBの激突も見ものです。
マイアミ大のベックは元々ジョージア大に所属していたQBで、今季から鳴物入りでマイアミ大へやってきた選手。昨シーズン最後に負った肘の怪我から完全復帰して効率的でテンポ感のあるパスアタックを牽引し、3,000ヤード以上、25タッチダウンを達成しています。ただ、プレッシャー下でプロダクションが落ちる傾向があり、OL陣が彼をいかにして守れるかが重要な鍵を握っています。
一方のテキサスA&M大のリードは前述の通りダイナミックなデュアルスレッドのモバイル系QB。彼個人の身体能力で試合の流れを変えることができるほどの才能を秘めており、またミスをしても立ち直ってチームを勝利に導くクラッチプレーを見せるなど、粘り強さも持ち得る選手です。
トラディショナルなベックと機動力抜群のリード。どちらのQBプレーが相手のディフェンスを崩せるのかに勝負はかかっています。
モメンタム
マイアミ大はシーズン中盤に2敗を喫して失速し、所属するACC(アトランティックコースとカンファレンス)のカンファレンス優勝決定戦出場を逃しました。しかし、ピッツバーグ大に対する大勝を含む終盤の4連勝でレギュラーシーズンを締めくくっており、その勢いをして最後の最後でプレーオフに滑り込んできた、今最も勢いがあるチームの1つ。このモメンタムをこの試合までの3週間の間に維持できているのかが気になるところ。
対するテキサスA&M大は開幕から連勝に連勝を重ねて全米3位まで上り詰めましたが、最後の最後でライバル・テキサス大に敗れてランクを落としたばかりかSEC(サウスイースタンカンファレンス)の優勝決定戦出場の機会を逸しました。モメンタム的には嫌な形でレギュラーシーズンを終えた訳ですが、その流れを払拭してマイアミ大との試合に臨みたいところです。
「12人目」の後押し
マイアミ大よりもシード順位が高いテキサスA&M大はこのプレーオフゲームをホームで開催するという貴重なアドバンテージを得ました。10万人以上収容可能な彼らのホームスタジアム・カイルフィールドは「Home of the 12th Man」として知られ、カレッジフットボール回でもよく知られた相手にとって非常にやり辛いスタジアムとして有名です。
そして彼らは2025年レギュラーシーズン中、ホームで未だ無敗中(7勝0敗)。ホームで滅法強いテキサスA&M大のクラウドノイズはマイアミ大にとって克服しなければならない大きな壁です。波に乗らせてしまったら手がつけられないため、マイアミ大はなんとしても序盤から主導権を奪いたいところ。
ブックメーカーは、テキサスA&M大がホームフィールドの利点と11勝1敗という好記録によりわずかながら優位と見ています。しかし、マイアミ大は高いディフェンス力と後半の伸びから、アンダードッグとしてアップセットする可能性も分析されています。
マイアミ大の得点力の高いオフェンスと堅実なディフェンスが、テキサスA&M大のバランスの取れた攻撃とフィジカルなフロントセブンに対峙するという、肉薄した試合展開が予想されます。どのチームがプレッシャーに耐え、ビッグプレーを生み出すかに注目です。






