昨年度のアーバン大の前評判は決して高くはありませんでした。事実、シーズンが始まると開幕直後の3試合で2敗を喫し、ファンの間には危機感を覚える人も多かったことでしょう。しかしそこから驚きの6連勝をやってのけ、ランキングも急上昇しました。が、最後の4試合で3敗とずっこけてしまいます。それでもSEC西地区ではアラバマ大に次いで2位となり、シュガーボウルにも進出。そこではオクラホマ大に負けはしたものの、2017年度に繋がる微かな光を見出すことができました。
そのせいもあって開幕前のランキングでは全米12位にランクイン。昨年と違って前評判はかなり高いですが、果たして彼らはその大きな期待に見合うシーズンを送ることができるでしょうか?
オフェンス
アーバン大の今季のオフェンスは何と言ってもベイラー大からのスーパー転校生、QBジャレット・スティッドハム(Jarrett Stidham)です。満を持してアーバン大デビューする彼はベイラー大時代には当時の先発QBセス・ラッセル(Seth Russell)が怪我で戦線を離れている間に登場しその非凡な才能を披露。しかしチームがスキャンダルで揺れる中、スティッドハムは新天地を求めて転校することを決意。そしてアーバン大が彼を射止めたのでした。今春のスクリメージ(紅白戦)では267パスヤードを投げ、脚でも1TDを奪うなど噂通りの活躍をみせ、ガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督から先発QBのお墨付きをもらいました。
スティッドハムの右腕左腕となるWR陣には経験少な目な選手が多数。その中でも
ライアン・デヴィッド(Ryan David)とエライト・ストーヴ(Elite Stove)がポジションリーダーとして若い選手を束ねます。スティッドハムが期待されるQBであることはもうおわかりだと思いますが、 ちゃんと彼のパスをキャッチできるレシーバーがいなければQBが誰であろうと変わらないですから、そういう意味ではここぞという時に頼りになるWRが台頭してきてほしいところ。
RB陣ではSECでもトップクラスのカムリン・ペットウェイ(Kamryn Pettway)とケーリョン・ジョンソン(Kerryon Johnson)が控えます。ペットウェイは昨年7TDを含む1224ランヤード、ジョンソンは11TDを含む895ヤードを獲得。彼等の能力にスティッドハムのパスセンス、そしてそれをキャッチするWR陣が交わりあえばアーバン大のオフェンスは脅威となるはずです。それを指揮するアリゾナ州立大からやってきた新オフェンシブコーディネーター、チップ・リンジー(Chip Lindsey)氏の手腕にも注目です。
ディフェンス
今季アーバン大の前評判が高いのは期待の星であるスティッドハムの存在だけだからではありません。むしろ彼よりもカンファレンス内で1、2を争えるだけの守備力を擁しているからです。
カール・ローソン(Carl Lawson)やモントラヴィウス・アダムス(Montravius Adams)といった主力はチームを去りましたが、昨年1試合失点数15.6点という強固なディフェンスにはDBカールトン・デーヴィス(Carlton Davis)、マーロン・デヴィッドソン(Marlon Davidson)やポール・ジェームス・III(Paul James III)など数々の昨年のメンバーが帰ってきますから、今年2年目となるディフェンシブコーディネーターのケヴィン・スティール(Kevin Steele)にとってはより指揮しやすいユニットとなっていることでしょう。
見どころ
今シーズンのアーバン大のスケジュールは決して楽ではありませんが、どの試合にも勝つチャンスは十分あると思われます。第2戦目のクレムソン大戦はシーズン序盤のバロメーターとしてチームがどこまで仕上がっているかを計る良い機会となるでしょう。
この試合のあとは4連勝できる相手が続きますが、ルイジアナ州立大、アーカンソー大、テキサスA&M大との死のアウェー3連戦が待ち構えます。どれも強敵といえば強敵ですが、総合力からしてアーバン大にも正気は十分あるでしょう。もし仮にこの3連戦を勝ち抜ければ、そのときは間違いなくアーバン大はトップ5入りしていることでしょうし、そうなれば終盤のライバルであるジョージア大、アラバマ大との試合に俄然注目が集まるはずです。
アーバン大の今期への期待度は非常に高いですが、それを生かすも殺すもスティッドハムの出来次第です。彼は才能溢れる選手であることは確かですが、カレッジフットボール界の頂点にいるサウスイースタンカンファレンス(SEC)に所属するチームとはまだ対戦すらしていませんし、ベイラー大でもシーズン通してプレーしたことはありません。確かにSECはスターQBがいなくても泥臭いランオフェンスと鉄壁のディフェンスで十分試合が組み立てられるようなカンファレンスですが、もしアーバン大がカンファレンスタイトル、強いてはプレーオフ進出を狙うのであれば、彼の力は必須事項となります。
永遠のライバルであり、同じSEC西地区に所属し続ける以来避けて通れない対戦相手、アラバマ大。アーバン大は今の所3連敗ですが、その連敗記録を今年こそ止めることができるでしょうか?
オフシーズン便り Vol.5【2021年】
オクラホマ州立大のマイク・ガンディ監督が100万ドルのペイカットに同意した話とか、LAボウルの新スポンサーの話とか、アリゾナ州立大で明らかになったリクルーティング違反疑惑の話とか、ウィスコンシン大の新体育局長の話とか。
エクストラポイント【2020年度第6週目】
フロリダ大のマレン監督がテキサスA&M大戦での敗戦後に放った衝撃のリクエストの話とか、テキサス大対オクラホマ大戦での誤審の話とか、アーカンソー大とアーバン大戦での大誤審の話とか、アラバマ大のセイバン監督がミシシッピ大に対して思わず口にした本音の話など他。
元アーバン大HCタバーヴィル氏が当選
アラバマ州の共和党上院議員代表決選投票が7月14日に行われ、元合衆国司法長官であり長官に就任するまでアラバマ州で20年間に渡り上院議員を務めてきたジェフ・セッションズ氏を破りアーバン大元監督のトミー・タバーヴィル氏が当選するという驚きのニュースが飛び込んできました。
第14週目レビュー
今季最終節となった第14週目。この週末は「ライバリー」ゲームが各地で行われた週であり、またCFP及び各カンファレンスタイトル争いにおいて大事な時期でもあり、いろいろな意味で盛り上がった週末になりました。。大勝あり、アップセットあり、僅差の激戦あり・・・。シーズン大詰めの第14週目を振り返ります。
第14週目の見どころ
いよいよ今季もレギュラーシーズン最終節。カンファレンス優勝決定戦出場、プレーオフ出場、勝ち越しを決めてボウルゲーム出場資格を獲得を目指すチーム達。宿敵同士の対決であるライバリーゲーム。また今週末で学生生活最後の試合となる4年生選手たち。様々な思いを馳せた選手たちが駆け抜ける第14週目の見どころをお伝えします。
第12週目レビュー
第12週目も手に汗握る好ゲームが各地で行われましたが、5チームいた無敗チームのうち2チームに土がついたり、ハイズマントロフィー候補のスター選手がシーズン絶望となる大怪我を負うなどドラマに満ちた週末になりました。そんな第12週目を振り返ります。
第12週目の見どころ
今季のカレッジフットボールもいよいよ終盤。ナショナルタイトルを狙うチーム、もしくは所属するカンファレンスタイトルを狙うチームらはそれぞれもう負けることが許されない緊迫した状況に突入していきます。強豪校ですら油断できないこの第12週目の主な見どころを探っていきます。
アーバン大の先発RBが長期離脱へ
先週フロリダ大との大一番に敗れたアーバン大。今季初黒星となってしまったわけですが、それでも今後LSU、ジョージア大、アラバマ大との試合が残されており、これらの試合を突破できればまだまだ自力SEC優勝およびプレーオフ進出の可能性は残されています。しかしそんな彼らにとって悪いニュースが。
第4週目の見どころ
第4週目は先週末と打って変わってランカー同士の戦いが3つもあります。ジョージア大とノートルダム大の対決はカレッジフットボールファンなら誰しもが生唾もので街の焦がれるマッチアップです。その他にもBig Tenを占うミシガン大とウィスコンシン大の戦いなど盛りだくさん。そんな第4週目の見どころを見ていきます。
第1週目レビュー
本格的に各地で開幕したカレッジフットボール第1週目。期待以上の結果を残したチームもあれば、いきなりずっこけたチームあり・・・。どんな結果にしろたかが初戦、されど初戦な第1週目の結果を土曜日に行われた主な試合を中心に振り返ってみたいと思います。
2017年度スケジュール
9月2日 | ジョージアサザン大 |
|
9月9日 | クレムソン大 |
|
9月16日 | マーサー大 |
|
9月23日 | ミズーリ大 |
|
9月30日 | ミシシッピ州立大 |
|
10月7日 | ミシシッピ大 |
|
10月14日 | ルイジアナ州立大 |
|
10月21日 | アーカンソー大 |
|
11月4日 | テキサスA&M大 |
|
11月11日 | ジョージア大 |
|
11月18日 | ルイジアナ大モンロー校 |
|
11月25日 | アラバマ大 |
*太字はホーム
チーム情報
所在地
アラバマ州アーバン
所属カンファレンス
SEC(東地区)
ホームスタジアム
ジョーダンヘアスタジアム
通算戦績
742勝421敗47分け
通算ボウルゲーム戦績
23勝16敗2分け
ヘッドコーチ
ガス・マルザーン
35勝18敗(5年目)
【キャリア通算:44勝21敗】
前回全米優勝年度
2010年度
前回SEC優勝年度
2013年度
前回ボウルゲーム出場年度
2016年度(シュガーボウル)