現地では既に木曜日で第2週目のスケジュールが数日に迫っていますが、火曜日に発表された最新のAP全米ランキングトップ25の顔ぶれをざっくりと振り返ります。
1位〜5位
1位を維持したのはアラバマ大。先週マイアミ大を44対13と完膚なきまでに倒し、現時点で最も隙きのないチームと言えるでしょう。昨年のメンバーからあれだけの人材を失ったのにも関わらず攻守ともに何ら衰えを見せませんでした。また今年から新オフェンシブコーディネーターを務める元ヒューストンテキサンズ監督のビル・オブライエン(Bill O’Brien)氏のプレーコーリングも冴えました。一説には昨年までのOCで現テキサス大監督のスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)氏よりもより緻密だという分析もあり、一体このチームを誰が倒すことができるというのでしょうか・・・。
2位につけたのはジョージア大。先週はクレムソン大との大一番をディフェンス力でものにしランクを3つ上げてきました。守備力はピカイチ。今後のスケジュールを見れば彼らがレギュラーシーズンを無敗で終えることは可能かもしれませんが、その上を行くにはオフェンス力に多少物足りなさを感じます・・・。
3位はオハイオ州立大。先週はミネソタ大との点取合戦を制し白星発進しました。新QBのC.J.ストラウド(C.J. Stroud)は非凡な才能を見せましたが、ミネソタ大に31失点したのは少々気になるところです。
4位は先週2位だったオクラホマ大。トゥレーン大に5点差までに迫られる試合展開を見せてファンをドキドキさせてしまいました。ハイズマントロフィー候補QBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)は300ヤード超えを記録するも2つのINTを記録。それよりもディフェンスが格下相手に35失点したのはいただけません。
そして5位はテキサスA&M大。昨年躍進した彼らは格下ケント州立大を41対10で一蹴。相手が相手だけに真の力を計るには時期早々ですが、勝てる試合を確実にものにするところは流石です。
これでトップ5にSECチームが3つ(アラバマ大、ジョージア大、テキサスA&M大)がランクイン。最強カンファレンスの名に恥じない光景です。
6位〜10位
6位には先週3位でジョージア大に敗れたクレムソン大。相手がジョージア大ディフェンスとは言えたったの3点しか奪えなかった彼らのオフェンス力には不安を覚えます。まだまだ立て直すチャンスは十分ありますし、ACC(アトランティックコーストカンファレンス)内では頭一つ分抜きん出てはいますが、CFP(カレッジフットボールプレーオフ)進出に際しこのジョージア大戦での黒星がどう影響するか・・・。
7位には「グループオブ5」勢の期待の星であるシンシナティ大。今後インディアナ大、ノートルダム大との試合を控えますが、彼らは上位チームが転がり落ちてくるのを虎視眈々と狙っています。
8位につけたのはノートルダム大。先週はアウェーでフロリダ州立大と対戦しオーバータイムにもつれ込む接戦の末見事に貴重な白星を手に入れました。派手さがないのはブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督体制下では珍しいことではありませんが、敵地での勝利は大きなプラスと言えます。
先週7位から9位にランクを落としたのはアイオワ州立大。先週はFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)のノーザンアイオワ大相手に16対10と辛勝。勝ったものの格下相手に苦戦したことでランクを下げました。
そして10位にはアイオワ大。昨年のシンデレラチームともいえるインディアナ大を34対6と赤子の手をひねるように撃破。Big Tenカンファレンス西地区レースで一気に頭角を表しました。まだ1試合しか消化していませんが、彼らにダークホース感を感じずにはいられません。
11位〜15位
11位につけたのは先週19位から大幅にランクアップしたペンシルバニア州立大。昨年は開幕5連敗と散々だった彼らですが、先週はウィスコンシン大とのアウェーゲームの接戦を制して貴重な白星を入手。昨年の悪夢を払拭するにはこれ以上無いスタートを切りました。
12位にはオレゴン大。先週はフレズノ州立大と対戦するも格下チームを突き放すことが出来ずに31対24の1TD差でなんとか勝利。その影響か先週からランクを1つ落としました。
13位のフロリダ大は先週と変わらず。フロリダアトランティック大を35対14で下しはしましたが、凄まじい強さを見せてくれたわけではありませんでした。その代わり彼らのフロントセブンは昨年を上回りそうな雰囲気を醸し出していましたが。
14位にはサザンカリフォルニア大。サンノゼ州立大を30対7でそつなく倒した彼らは先週からランクを1つ上げてきました。これより更に上に行くにはオフェンス面でもう一超え欲しいところ。
そして15位には古豪テキサス大。今年から上記にもあるようにサーキジアン監督に率いられる彼らは先週23位のルイジアナ大ラフィエット校を38対18で下し見事にサーキジアン体制初戦を白星で飾ることが出来ました。1試合だけとはいえ今後も彼らが更に上昇してくることは十分に考えられそうです。
16位〜20位
16位には圏外から飛び込んで来たUCLA。先週はルイジアナ州立大をホームに迎えて見事に返り討ち。ここまで期待外れだった元オレゴン大のチップ・ケリー(Chip Kelly)監督ですが、この試合を見る限りではUCLAはPac-12カンファレンスで波乱を起こしてくれそうな匂いをビンビン感じます。
17位はサンベルトカンファレンス出身のコースタルカロライナ大。昨年レギュラーシーズンを無敗で終えた彼らは今年も無敗街道をひた走る予感。
18位にはウィスコンシン大。開幕時には12位発進でしたが前述の通りペンシルバニア州立大にホームで敗れ去り順位を6つ下げました。相変わらず彼らの十八番であるランゲームは光っていましたが(174ヤード)、パスでフィールドを広げることが出来ませんでした。昨年開幕までの正QBであるジャック・コーン(Jack Coan)から先発の座を奪ったグラハム・マーツ(Graham Mertz)が苦戦する中、ノートルダム大へ転校し卒のないプレーを披露したコーンのことを考えると何とも皮肉なことです。
19位につけたのはこれまた25位圏外から急上昇したバージニア工科大。彼らは先週10位だったノースカロライナ大を見事に蹴散らして一気に20位以内へ飛び込んできました。
そして20位には月曜日にルイビル大を蹴散らしたミシシッピ大。開幕戦ではレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督が新型コロナウイルスに感染してしまって不在となってしまいましたが、期待のQBマット・コラル(Matt Corral)が381ヤードに1TDを奪う活躍。彼らもSEC西地区においてダークホース的な気配を匂わせます。
21位〜25位
21位に来たのは先週24位だったユタ大。格下ウェバー州立大を40対17で難なく下しましたが、今週は同じユタ州内のライバル・ブリガムヤング大との一戦が待ち受けます。
22位には開幕戦でアラバマ大に敗れ去ったマイアミ大。相手が相手とは言え良いところなく黒星を食らった彼らは14位から8位も順位を下げてしまいました。
23位は先週25位のアリゾナ州立大。格下サザンユタ大に隙きを見せることなく41対14で快勝。今週はネバダ大ラスベガス校(UNLV)と対決です。
24位には先週10位から14つもランクを落としてしまったノースカロライナ大。ハイズマントロフィー候補と名高かったQBサム・ハウウェル(Sam Howell)を擁するも彼自身は208ヤードに1TD、3INTと良いところなく惨敗。せっかくの上昇ムードに水を差す結果となってしまいました。
そして25位にはアーバン大。今季からブライアン・ハーシン(Bryan Harsin)監督を新HCに迎えどのようなチームに仕上がっているのか注目されましたが、格下とは言えアクロン大に60対10と大勝。これ以上無いスタートダッシュを決めました。
ランキングから転落したチーム
一方最新ランキングにおいて圏外へ脱落してしまったチームも4つあります。
まずは先週16位だったルイジアナ州立大。彼らは意気揚々にUCLAのホームであるローズボウルへ乗り込みましたが良いところなく返り討ちに。その結果一気に圏外へ脱落してしまいました。2019年度にナショナルタイトルをゲットしたとは思えない急降下ぶりです。
先週17位のインディアナ大もアイオワ大に良いところなく敗れ去った影響でランク外へ落ちてしまいました。昨年の快進撃から彼らへの期待は膨らんでいましたが、アイオワ大戦での試合ぶりを見ると昨年はラッキーだったのかと思ってしまうほどでした。
先週20位だったワシントン大はFCSのモンタナ大に13対7と撃沈。FCSチーム相手に奪えた得点が7点とはいかがなものか・・・。
そして23位だったルイジアナ大ラフィエット校は既にご紹介したとおりテキサス大に敗れランク外へ消え去りました。
今週末は3位のオハイオ州立大対12位のオレゴン大、9位のアイオワ州立大対10位のアイオワ大のランクチーム同士の対決があり、また順位の変動が見られそうです。