アラバマ大QBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)の転校先・・・。それに関する記事を投稿した直後、彼の新天地が明らかになりました。それはオクラホマ大です。
Alabama Forever !https://t.co/PMDqmrYcHO
— Jalen Hurts (@JalenHurts) 2019年1月16日
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カレッジフットボールであと1年のプレー資格を持つハーツは先発QBとして出場するためにアラバマ大を出る決意をしたわけですが、その候補先にはアラバマ大の元オフェンシブコーディネーターだったマイク・ロックスリー(Mike Locksley)氏が新監督を務めるメリーランド大、同じくアラバマ大でQBコーチを務めたダン・イーノス(Dan Enos)氏が新OCを務めるマイアミ大、そしてアラバマ大が先に行われたカレッジフットボールプレーオフ準決勝戦で対戦したオクラホマ大でした。
オクラホマ大はハイズマントロフィーを受賞したカイラー・マレー(Kyler Murray)がプロ入り宣言したことで先発の座が空いています。ここにハーツが滑り込むというわけですね。ハイズマントロフィーといえばマレーの前任者のベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield、現クリーブランドブラウンズ)もトロフィーを受賞しており、今のところオクラホマ大出身QBが2年連続でカレッジフットボールの最高峰のアワードを手に入れたことになります。それにハーツも続けということでしょうか。
ハーツは2016年と2017年度シーズンにアラバマ大で先発QBを任され、26勝2敗という素晴らしい戦績を残しています。しかし彼のキャリアの転機となったのは2017年度のナショナルチャンピオンシップゲーム、対ジョージア大戦。元々パサーとしての能力に不安を持っていた選手ですが、この試合でそれがジョージア大ディフェンスによって露呈され、前半何も出来ずにリードされたまま後半に突入しますが、この時コーチ陣はなんとこの大舞台でハーツをベンチに下げて1年生だったトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)を投入。パサーとしてハーツよりも才能があったタガヴァイロアはオーバータイムの末にジョージア大を下して全米制覇に大きく貢献したのです。
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このことで今後のハーツの先発の座が怪しくなりましたが、実際のところ開幕前にはハイズマントロフィー候補者の中にハーツの名前は連なっていました。しかしながらニック・セイバン(Nick Saban)監督はタガヴァイロアを先発に指名。以来ハーツは後輩であるタガヴァイロアのバックアップに徹することになります。
新しいレッドシャツのルールが施行されたため、ハーツは今シーズン中に他チームにトランスファー(転校)するのではないかと言われていましたが、チームを優先してチームに残留。このことでアラバマ大ファンのみならず多くのカレッジフットボールファンから称賛の声を受けました。そして迎えたSEC優勝決定戦。対戦相手は再びジョージア大、そして奇しくも試合会場はハーツがタガヴァイロアに主役を取って代わられたジョージア州アトランタ市にあるメルセデスベンツスタジアム。ここで怪我で途中退場を余儀なくされたタガヴァイロアに代わってハーツが登場。彼の活躍でジョージア大から逆転勝利を奪うという、まるで脚本家がいたのではないかと言うくらい出来すぎたストーリーでレギュラーシーズンの幕を閉じました。
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アラバマ大は前述の通りCFP準決勝戦でオクラホマ大と対戦しますが、この時はハーツはほんの数プレーの途中出場のみ。そしてタイトルゲームとなったクレムソン大戦では大きくリードされた終盤に満を持して投入されますが、時既に遅しということで彼は何もやらせてもらえませんでした。
こうして山あり谷ありのアラバマ大生活3年間が終わったわけです。昨年は先発の座を奪われ苦しい思いをしたハーツですが、そのレデンプションとばかりに今度はオクラホマ大でナショナルタイトル獲り、そしてハイズマントロフィー獲りを目指します。
オクラホマ大のリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督は過去2年間ハイズマンQBを二人も育てていますが、そのふたりとも転校生であり、今回もハーツを受け入れるということでどうやら転校生QBが先発を奪うことがトレンドとなりつつあります。しかしハーツは他の二人よりも加入時の経験値並びにレジメ(戦績)は上です。そのベテランさをBig 12カンファレンスという新たな地でいかに発揮させるのか、今から楽しみで仕方ありません。
そしてアラバマ大のファンもおそらくそう感じていることでしょう。アラバマ大でカレッジキャリアを終えることはなくなりましたが、彼がこれまでチームのためにしてきたことを考えれば誰でも彼のことを応援したくなるのです。オクラホマ大のQB陣以外は(苦笑)。