'25

ランキング

順位表

ボウルゲーム

予定/結果

順位表

2025年度第6週目の見どころ

2025年度第6週目の見どころ

#3  マイアミ大 @ #18 フロリダ州立大

🇺🇸10月4日7:30PM ET | 🇯🇵10月5日8:30AM

現在全米3位のマイアミ大と同18位のフロリダ州立大のライバル関係は、単なるカレッジフットボールのゲームであるという事以上の意味を持っています。地理的な近接性、フロリダ州内のトップレベルの高校生タレントを巡る激しいリクルート競争、そしてナショナルチャンピオンシップに直結する可能性が高いという重要性がこのマッチアップをさらに注目度の高いものにしています。

この両校のライバル関係には常にドラマが付き纏っていますが、それを伝説的なものにしたのは、1980年代から1990年代にかけてのこのライバリーの「黄金時代」です。マイアミ大はハワード・シュネレンバーガー(Howard Schnellenberger)氏、ジミー・ジョンソン(Jimmy Johnson)氏、デニス・エリクソン(Dennis Erickson)氏といった名将の下で、そしてフロリダ州立大はボビー・バウデン(Bobby Bowden)氏の下で、両校が常に全米の強豪として君臨しながら雌雄を争い続けてきました。

実際、1985年以来10年間にわたり、両チームが対戦する際には少なくともどちらかが、そしてしばしば両チームが全米トップ10にランクインしている状況で対戦してきたことで、このライバリーの注目度は当時相当なものだったのです。そしてこれらの試合の多くが、その年のナショナルチャンピオンシップの行方を直接左右していました。

そんなライバル対決の中でも最も有名なのが「ワイド・ライト(Wide Right)」です。1991年度シーズンに対決した両校でしたが、当時フロリダ州立大が全米1位、マイアミ大が全米2位という全米中が固唾を飲んで観戦したメガマッチ。17対16のマイアミ大リードで迎えた最終局面、フロリダ州立大は残り時間約30秒で逆転のFGのチャンスを得ますが、キックは無常にも右(ライト)に外れフロリダ州立大は敗退。この敗戦によりフロリダ州立大のナショナルタイトルの夢が潰えたという、カレッジフットボールの歴史に残る激戦となりました。

そして翌年の1992年、今度はマイアミ大が全米2位、フロリダ州立大が3位という、前年度と同じくらいのハイランク同士のまま再び対戦。そしてこの試合も非常に僅差の試合になり、19対16のマイアミ大リードという、前年度と非常に酷似したシーンでフロリダ州立大は同点へのFGという場面を迎えます。そしてなんとこの時もキッカーがFGを「右」に外し、そのまま試合終了。フロリダ州立大が再びなショナルチャンピオンへの切符を逃すという不運に見舞われ、この1992年のFGミスは「ワイド・ライト・II」と呼ばれるようになりました。

それ以前では、1987年にフロリダ州立大が勝ち越しを目指して試みた2点コンバージョンパスが阻止され、26対25で敗れたという有名なドラマもあり、とにかくこの両校は同じ州内の最大のライバル同士として火花を散らしてきたという因縁の間柄であり、それは現在までも続いているわけです。

トータルのシリーズ成績(2024年時点)では、マイアミ大が36勝33敗とわずかにリードしています。2000年代初頭以降、常にナショナルタイトルがかかるトップ5同士としての対決の頻度は減少しましたが、現在はどちらのチームがACC(アトランティックコーストカンファレンス)内で優位に立ち、カレッジフットボールの常勝チームとしてに復帰できるかということに注目が集まっています。

そんな中でこの両校は今回の対決を迎えるわけですが、自ずとしてACCでのタイトル争いにおける重要なマッチアップであると同時に、CFP(カレッジフットボールプレーオフ)出場に向けての争いにも大きな影響を与えることが確実視されています。ちなみに今回の一戦は、両校が全米ランキング入りした状態で対戦する26回目の試合となります。

チーム状況(2025年10月3日時点)

チーム名全体成績ACC成績総得点総失点勝率連勝/連敗
マイアミ大 (#3)4-00-0147461.000W4
フロリダ州立大 (#18)3-10-121276.750L1

FSUのラン攻撃 vs. マイアミのラン守備

フロリダ州立大は強力なランゲームを基盤とするオフェンスを誇っています。彼らのラッシングアタックはこれまで1試合平均336.3ヤードという驚異的なラッシングヤードを稼いでおり、これは元々ランヘビーなオフェンスで知られるサービスアカデミー(陸・海・空軍士官学校)以外の中で最多の数字です(全米2位:1位は海軍士官学校で352.3ヤード)。その主軸となるのがRBのギャビン・ソウチャック(Gavin Sawchuk)とウスマン・クロマ(Ousmane Kromah)。さらにモバイルQBであるトミー・カステラノス(Tommy Castellanos)と合わせてフロリダ州立大のランアタックはマイアミ大ディフェンスに対して脅威となるはずです。

そのマイアミ大ディフェンスですが、マリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督体制となって以来、特に彼らのDL陣は最高レベルの一つという評価の声が多いです。そして彼らがそのフロリダ州立大の強力なランオフェンスと対峙するわけですが、ここまでマイアミ大ディフェンスは2試合平均71ヤードしか許しておらず、自ずとこのガチンコ勝負に注目が集まるわけです。

マイアミ大のディフェンスラインには、ルーベン・ベイン・Jr.(Rueben Bain Jr.)やアキーム・メシドー(Akheem Mesidor)といった、将来のNFLドラフトにおいてトップ候補となる可能性を秘めてい選手が揃っています。このマイアミの堅牢なディフェンスフロントが、フロリダ州立大の強力な地上戦をどこまで封じ込められるかが最大の焦点です。

QB対決

マイアミ大のオフェンスを牽引するのはQBカーソン・ベック(Carson Beck)です。ジョージア大学からの転校生であり、非常に高いパス成功率(73.2%)でオフェンスを指揮し、カレッジフットボール界最高の個人賞であるハイズマントロフィーの候補選手に名を連ねています。フロリダ州立大戦においては、ベックがアグレッシブな相手ディフェンス、特にセカンダリーに対して正確なパスを通してアタックできるかどうかに注目が集まりますが、それにはマイアミ大OL陣の堅固なパスプロテクションが不可欠です。

一方のフロリダ州立大QBカステラノスですが、彼もベックと同じように転校生(ボストンカレッジから転校)であり、今季フロリダ州立大で初年度であるにも関わらず、 非常にプロダクションの高いオフェンスを牽引しています。パスだけでなくランでも活躍の場を見せ続ける背景には、昨年までセントラルフロリダ大の監督を務め、今年から敢えて監督のポジションを辞してフロリダ州立大のオフェンシブコーディネーターに就任したガス・マルザーン(Guz Malzahn)氏の存在も忘れてはなりません。そんな彼らに立ちはだかるのはマイアミ大のディフェンスフロントからの激しいプレッシャー。彼らからのラッシュを掻い潜り、カステラノスがフィールドを広く使えるかによってチーム得意のランが出るかどうかが決まってくるでしょう。

今回の対戦はフロリダ州立大のホーム、ドークキャンベルスタジアムで行われます。フロリダ州立大の熱狂的なファンが作り出すホームの雰囲気はマイアミ大にとって脅威的となることでしょう。ベック自身も、フロリダ州立大のホームフィールドアドバンテージはそれだけでTD1つ分の価値がある、と述べており、この対決に更なるドラマを付け加えてくれるスパイスとなってくれるはずです。

この試合は接戦が予想されていますが、無敗のマイアミ大がライバルを下してランキングにおいて上位3位以内を死守するか、もしくは先週バージニア大にまさかの敗戦を喫したフロリダ州立大がしっかりと負け試合から立ち直って、そのレデンプションとして憎きマイアミ大を倒すか・・・。ライバリーという付加価値も手伝ってこの試合は要注目です。

その他の注目ゲーム

#16 ヴァンダービルト大 @ #10 アラバマ大

🇺🇸10月4日3:30PM ET | 🇯🇵10月5日4:30AM

この試合は、1937年以来初めて、両チームがAPランキングのトップ25にランクインした状態で激突するという歴史的なマッチアップ。さらに、元アラバマ大監督のニック・セイバン(Nick Saban)氏カレッジフットボール殿堂入りに先駆けて試合前には盛大なセレモニーが用意され、おまけにESPNのプリゲーム番組『カレッジ・ゲームデー』も現地入りすることになっており、注目度は抜群です。

昨シーズン、ヴァンダービルト大は当時全米1位だったアラバマ大を40対35で破るという大番狂わせを演じたのは記憶に新しいところ。この敗北がアラバマ大のCFP出場を阻んだ要因の一つでもあり、またそれまでヴァンダービルト大に負けたことがほぼなかったアラバマにとって当時の敗戦は屈辱的であり、それを受け今回のこの試合はまさにリベンジとなるわけです。

アラバマ大は先週ジョージア大戦での勝利を経て急激に勢いをつけており、しかも今回のリベンジ戦がホーム開催ということで昨年と同じ轍を踏むことは許されないと意気込んでいることでしょう。ケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督は「昨シーズンと今シーズンは無関係だ」と強調しつつも、雪辱を果たすことへの意欲は高いはずです。

そのヴァンダービルト大は現在5勝0敗(SECでは1勝0敗)というパーフェクトな成績でアラバマ大キャンパスに乗り込んできます。開幕以来5勝無敗というのは彼らにとって2008年以来の最高のスタート。彼らはすでにアウェーで第11位(当時)のサウスカロライナ大を31対7で破り、ランクチーム相手にでも勝利できることをしっかりと証明しています。彼らはここまでの快進撃がまぐれではないこと、そして自分たちがSECタイトルを狙えるチームであることを証明するためにも今回のアラバマ大戦でなんとしても白星をあげたいと思っているはずです。

その勝利の鍵を握るのがQBディエゴ・パヴィア(Diego Pavia)選手です。彼はトータルQBRで全米3位にランクされており、ダイナミックな走れるQBとして知られています。ヴァンダービルト大のオフェンスはハイスコアオフェンスであり、ここまで平均して試合あたり約50点を獲得し、数字の上ではSECトップクラスのパス攻撃とラン攻撃をこのパヴィアが引っ張っているわけです。

一方アラバマは、初戦でフロリダ州立大に負けるという不安定なスタートを切った後、特にオフェンス面においてQBプレーが地に足をつけたことで着実に改善を見せています。QBタイ・シンプソン(Ty Simpson)の急成長が目覚ましく、今シーズンはここまで11タッチダウン、ターンオーバーゼロという成績で、特にジョージア大戦での無駄のないパフォーマンスは圧巻。さらにレシーバー陣のスピードとスキルを活用するテンポの良いパスアタックが炸裂しており、このヴァンダービルト大戦でも更なる活躍が期待されます。

そしてアラバマ大のディフェンスは、そのスピード、フィジカル、そして試合の流れを支配する能力により、チームの切り札であり続けています。特にパスディフェンスはFBSで全米2位にランクされています。が、個人的な注目はここ数試合で成長著しいLT・オバートン(L.T. Overton)。ジョージア大戦でも重要な場面で相手の攻撃を潰しており、パヴィアや彼を死守するOL陣にとっておバートンの存在は脅威です。

アラバマ大が雪辱を果たすのか?それともヴァンダービルト大が再び歴史的なアップセットを起こすのか?SEC(サウスイースタンカンファレンス)のタイトルレースに向けた重要な一戦から目が離せません。

ミシシッピ州立大 @ #6 テキサスA&M大

🇺🇸10月4日3:30PM ET | 🇯🇵10月5日4:30AM

マイク・エルコ(Mike Elko)監督率いるテキサスA&M大は古豪チームでありながらここ最近調子の良いチーム。特に強力なパスラッシュを誇るなディフェンスを軸に、SECのトップ候補としての地位を確実に固めつつあります。対するミシシッピ州立大は、ジェフ・レビー(Jeff Lebby)新監督のもとで大きく躍進し、ここまで4勝1敗と好スタートを切っています。長らく彼らは「SECのお荷物」と呼ばれてきましたが、今回テキサスA&M大を倒すことでそのレッテルを剥がしたいはずです。

注目は、テキサスA&M大のリーディングレシーバーであるマリオ・クレイバー(Mario Craver)が、オフシーズンに移籍した古巣のミシシッピ州立大と対戦するという点です。彼は同じWR KC・コンセプシオン(K.C. Concepcion)と共にQBマーセル・リード(Mercel Reed)とダイナミックなレシーバーデュオを組んでおり、チーム躍進の一役を担っています。

またテキサスA&M大のパスラッシュはSECで最高レベルというのが巷の噂であり、キャシアス・ハウエル(Cashius Howell)らによって強力に牽引されています。サック率は9.72%で全米でもトップクラスに位置しており、ミシシッピ州立大QBブレイク・シェイペン(Blake Shapen)にとって厄介な相手となるはずです。

ただミシシッピ州立大のランゲームは今季の躍進の主軸にもなっており、QBのシェイペンに加え、RBフラッフ・ボズウェル(Fluff Bothwell)やダヴォン・ブース(Davon Booth)といった強力なラン攻撃を武器に、ドライブを持続させることが求められます。ただ不安点としてミシシッピ州立大はFBS(フットボールボウルサブディビジョン)でも高いサック率(8.53%)を許している点、さらにはOL陣には負傷の懸念があり、LTブレイク・スティーン(Blake Steen)が怪我ですでにシーズン絶望、もう一人のタックルであるアルバート・リース(Albert Reese)も出場が微妙とされており、テキサスA&M大の強力なフロントに対して特に脆弱になる可能性も拭えません。

テキサスA&M大は直近2戦の対戦で大差をつけて勝利していますが、過去にはミシシッピ州立大がアップセットを起こすなど、予期せぬ展開が多く今回の試合もどちらにも転ぶ可能性があると見ます。勢いに乗るミシシッピ州立大がアウェーで大番狂わせを起こせるのかに注目です。

ミネソタ大 @ #1 オハイオ州立大

🇺🇸10月4日3:30PM ET | 🇯🇵10月5日4:30AM

5週連続で全米1位を死守するオハイオ州立大が5連勝目を狙います。ミネソタ大が最後にオハイオ州立大に勝利したのは2000年。勝てば歴史的アップセットとなります。

#7 ペンシルバニア州立大 @ UCLA

🇺🇸10月4日3:30PM ET | 🇯🇵10月5日4:30AM

先週末ホームでオレゴン大に激戦の末敗れたペンステート。その敗戦から立ち直るには絶好の相手(笑)となるUCLAとの戦いで自信を取り戻したいところ。

#9 テキサス大 @ フロリダ大

🇺🇸10月4日7:30PM ET | 🇯🇵10月5日8:30AM

テキサス大はアーチ・マニング(Arch Manning)、フロリダ大はDJ・ラグウェイ(D.J. Lagway)という二人の若く才能がありながら今季苦戦を強いられているQB同士の対決。オハイオ州立大戦に続きマニングが敵地で苦戦してしまうのか、もしくは遂にその才能を花咲かせるのかに期待です。

#11 テキサス工科大 @ ヒューストン大

🇺🇸10月4日7:30PM ET | 🇯🇵10月5日8:30AM

Big 12カンファレンス所属チーム同士で無敗同士の対決。どちらもハイパワーオフェンスを擁しており、点の取り合いが予想されますが、故に勝利の鍵を握っているのはディフェンス力となるか。その点ではテキサス工科大が有利かも。

ケンタッキー大 @ #12 ジョージア大

🇺🇸10月4日7:30PM ET | 🇯🇵10月5日8:30AM

1956年以来毎年対戦してきた両校ですが、SECのスケジュール変更の影響で連続開催は今年が最後。現在ジョージア大が同カード15連勝中ですが、先週の対アラバマ大戦での敗戦を受けてどうジョージア大がバウンスバックするかが見ものです。

#14 アイオワ州立大 @ シンシナティ大

🇺🇸10月4日12:00PM ET | 🇯🇵10月5日1:00AM

全米14位で無敗ながらこの試合では先発CB二人を怪我で欠くことになるアイオワ州立大にとって、今季ここまで1000ヤードをすでに投げているQBブレンダン・ソースビー(Brendan Sorsby,)率いるシンシナティ大オフェンスは油断大敵の相手です。

クレムソン大 @ ノースカロライナ大

🇺🇸10月4日12:00PM ET | 🇯🇵10月5日1:00AM

開幕時に4位発進もここまで1勝3敗のクレムソン大と、今季からあのビル・ベリチック(Bill Belichick)監督が就任してバズ度が上がるも2勝2敗と波に乗れないノースカロライナ大との一戦。どちらのチームにしても勝ってシーズン中盤を迎える上でブーストしたいところ。

空軍士官学校 @ 海軍士官学校

🇺🇸10月4日12:00PM ET | 🇯🇵10月5日1:00AM

サービスアカデミーの三つ巴の戦いのうちの一戦。陸軍士官学校を含めこの三つ巴の戦いを制したチームには「総司令官杯(Commander-in-Chief Trophy)」が送られます。筆者好みのトリプルオプションチーム同士のバトル!


日本人選手が所属するチームの試合

オレゴン州立大 @ アパラチアン州立大
オレゴン州立大(NCAA1部FBS)にK露峰哲太選手が所属

ニューメキシコ大 @ サンノゼ州立大
ニューメキシコ大(NCAA1部FBS)にRB岩井零選手が所属

ニコールズ大 @ ラマー大
ラマー大(NCAA1部FCS)にLB吉川大紀選手が所属

サンディエゴ大 @ マリストカレッジ
サンディエゴ大(NCAA1部FCS)に高橋耀生選手が所属

サークレッドハート大 @ セントラルコネチカットステート
セントラルコネチカット州立大(NCAA1部FCS)にDL田中慎二郎選手が所属

フラミンガム州立大 @ フィッチバーグ州立大
フラミンガム州立大(NCAA3部)にRB内川誠選手が所属

*K松澤寛政選手が所属するハワイ大とDL阿部剛希選手が所属するセントフランシス大は今週バイウィークで試合がありません

(他にもアメリカのカレッジでプレーしている日本人選手情報があればタレコミお待ちしております!!!)

この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
この記事が気に入ったら拡散&フォローお願いします!
ツイート
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加

ANY GIVEN 
SATURDAY

全米カレッジフットボールファンサイト