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2024年度CFP準々決勝プレビュー【フィエスタボウル】

2024年度CFP準々決勝プレビュー【フィエスタボウル】

今年から開催されている12チーム制度のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)。12月20日と21日にファーストラウンドの4試合が行われ、それぞれの勝者がファーストラウンドを免除されたシードチーム4チームと激突するのが今週末の準々決勝戦4試合です。

ファーストラウンドはCFP史上初の試みとなったキャンパス開催でしたが、準々決勝からはメジャーボウルゲーム「ニューイヤーズ6ボウル」のうちの4つのボウルゲームで開催されます。今回はその中から12月31日に行われるフィエスタボウルの見どころをお届けします。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#6 ペンシルバニア州立大 @ #3 ボイジー州立大

🇺🇸12月31日(火)東部時間午後7時半 | 🇯🇵1月1日(水)午前9時半

準々決勝の一発目はアメリカで大晦日に行われる第3シードのボイジー州立大と第6シードのペンシルバニア州立大(ペンステート)で行われるフィエスタボウル。会場はNFLアリゾナカーディナルズの本拠地であるステートファームスタジアム(収容観客数6万3400人)となります。

両校はここまで対戦が一度もなく、これが初顔合わせとなります。

ボイジー州立大のここまでの歩み

ボイジー州立大といえばホームスタジアムの芝の色が青色という珍しいチームとして知られていますが、CFPの前身であるBCS(ボウルチャンピオンシップシリーズ)ではミッドメジャーチームでありながらBCSカンファレンスチーム(いまでいうパワー4)から数々のジャイアントキリングをこなしてきたチームとしても知られています。

今季は開幕時にはランク外から発進。第2戦目で現在全米1位のオレゴン大とアウェーで対戦。シーズン序盤でオレゴン大も肩慣らし状態だったのかもしれませんが、その大御所相手に37対34と超僅差で惜敗。スタッツだけ見れば多くのカテゴリーでオレゴン大を上回る善戦を見せました。

その後第4週目に25位で全米ランキングデビュー。オレゴン大戦での敗戦から破竹の10連勝で所属するマウンテンウエストカンファレンスの優勝決定戦進出を決めます。そしてここでUNLVと対決し21対7で彼らを下してカンファレンスタイトル2連覇を果たし、プレーオフ進出を決めました。さらにACCBig 12カンファレンスの優勝チームよりもCFPランキングで上位にランクされたため、全米9位ながらファーストラウンド免除のトップ4シードの一角(第3シード)に食い込んだのでした。

ペンシルバニア州立大のここまでの歩み

Big Tenカンファレンスが今季から二地区制度を廃止したため、ペンステートがBig Tenカンファレンスのタイトルゲームに出場するにはカンファレンスで上位2チームのうちの1つになることが条件となりました。これはかつて東地区でオハイオ州立大ミシガン大という強豪チームに競り勝つ必要が絶対条件だったペンステートにとっては有利な条件となったと言えました。

今季開幕時には8位発進と下馬評は上々。開幕3連戦を勝利で飾った彼らは4戦目に当時19位だったイリノイ大と対決しこれを21対7で退けるとランキングを7位に上げ、さらにUCLAから勝利をもぎ取り4位に上昇すると、翌週にはサザンカリフォルニア大にオーバータイムの末に33対30で劇的な白星をゲットして元Pac-12カンファレンスからの新参チームに連勝。これにより彼らは全米3位までランキングを上昇させます。

そして迎えた8戦目のオハイオ州立大とのビッグマッチ。4位だったオハイオ州立大をホームに迎えましたが、この時はオフェンスが沈黙し20対13で敗戦。大舞台に弱いジェームス・フランクリン(James Franklin)監督がまたしてもその汚名を晴らすことに失敗してしまいます。

ただその後はその1敗を守り続け、さらにオハイオ州立大が最終節でミシガン大に敗れるという波乱がおきたおかげでペンステートがBig Tenカンファレンスの優勝決定戦出場の権利を取得。ここでは全米1位のオレゴン大と対戦し、オフェンスは善戦しましたが、ディフェンス、特にバックフィールドがオレゴン大オフェンスに崩されて45対37で敗戦。惜しくも2016年度以来のカンファレンスタイトルを逃しました。が、11勝2敗の好成績でプレーオフには第6シードチームとして参戦。

そして先週行われたファーストラウンドでは第11シードのサザンメソディストン大と対戦。ホーム開催だったこの試合は極寒の中で行われましたが、ディフェンス陣がオレゴン大戦でのうっぷんを晴らすかのごとく大健闘し、38対10で快勝してこのフィエスタボウルに駒を進めてきました。

見どころ

ペンシルバニア州立大ボイジー州立大
#12SOS#72
33.9 (7)平均得点数37.7 (4)
439.8 (18)平均トータルオフェンス458.6 (7)
201.2 (17)平均ランオフェンス242.9 (6)
246.5 (41)平均パスオフェンス215.7 (75)
15.9 (5)平均失点数22.6 (33)
280.1 (4)平均トータルディフェンス369.1 (58)
100.5 (6)平均ランディフェンス112.5 (14)
179.6 (10)平均パスディフェンス256.6 (113)

ボイジー州立大は「グループオブ5」勢出身チームとして参加しますが、第3シードチームであるにも関わらずこの試合に先立ち前評判は芳しくありません。一方のペンステートは大舞台に弱いというレッテルを貼られながらも、前試合のSMU戦での内容をみれば今大会の優勝候補の一角に十分数えられるチームであるという印象が強いです。

ボイジー州立大にはハイズマントロフィーレースのランナーアップだったスターRBアシュトン・ジーンティ(Ashton Jeanty)が健在。ペンステートがジーンティを止められるのか?また言い方を変えればジーンティのランが全米随一のディフェンスを持つペンステート相手に通用するのかに注目が集まります。

ペンステートの勝利の鍵を握っていると思われるのはQBドリュー・アラー(Drew Allar)。今季アラーは大きなミスがないパフォーマンスを続けてきていますが、それは逆に言えば可もなく不可もないパフォーマンスとも言えるかもしれません。確かにペンステートのオフェンスはRBケイトロン・アレン(Kaytron Allen)とニック・シングルトン(Nick Singleton)を中心としたランゲームに傾倒するオフェンスといえますが、プレーオフが大詰めを迎えていく中でアラーのパスプレーが重要になってくる場面が絶対にくるはずです。

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ペンステートQBドリュー・アラー

ポケット内での冷静さとフットワーク、そして危機回避も含めた決断力は今季のQB界隈でも10本の指に入るほどの器。パスヤードはすでに3000ヤードを越えていますし、TDとINTの割合も3:1と悪くありません。ボイジー州立大は数字上では全米2位となるQBサック数を誇るディフェンスを擁しています。そのプレッシャー下で如何に的確な判断が出来るかが鍵となってきます。

そしてそれを受けるTEタイラー・ワレン(Tyler Warren)にも注目。年間最優秀TE賞「マッキー賞」を獲得し、ハイズマントロフィーの投票でも7位と善戦したワレンはペンステートのリーディングレシーバー。アラーのターゲットとしてワレンがどれだけ数字を残せるのかにも注目していただきたいところ。

一方のボイジー州立大はやはりRBジーンティ。今季ここまで2467ヤードに29TDを足で稼いできたMVP級RBのジーンティですが、スケジュール的に全米最上級のディフェンスを相手にしてきたとはお世辞にも言えません。タダで2000ヤード超えが出来るとは到底思えませんが、全米屈指のフロントセブンを擁するペンステートディフェンスを相手にランでヤードを伸ばすことができれば、その時こそ誰からも文句なく全米最高のRBという評価をもらうことが出来るでしょう。

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ボイジー州立大RBアシュトン・ジーンティ

ということで、最大の焦点はやはりそのジーンティを中心としたボイジー州立大オフェンスがペンステートディフェンスを相手に点を取ることが出来るのか、ということになります。

ジーンテがここまで1試合平均26キャリーに192ヤードという数字を残していることからも、ボイジー州立大のオフェンスがジーンティ頼りであることは明白です。当然DLアブドゥル・カーター(Abdul Carter)を中心としたペンステートのフロントセブンはジーンティを止めにかかってくると思われます。そんな時こそQBマダックス・マッドセン(Maddux Madsen)のパスプレーも重要になります。

マッドセンはここまで22TDに3INTという非常に効率の良いパフォーマンスを見せ続けていますが、ビッグプレーを連発するというタイプのQBではなく、ジーンティの好走に大いに助けられている部分はあるといえるでしょう。さらにプレッシャー下でのマッドセンのパス精度が極端に低いというスタッツも残っていることからも、ボイジー州立大のOL陣がどれだけマッドセンを死守し、ジーンティの行く道を確保できるかも見ものです。

一方でボイジー州立大のディフェンスは前述の通りサック数が全米2位ではありますが、相手チームにロングプレーを食らう確率が高いという脆さも数字には出ています。それに関連して彼らのパスディフェンスは全米110位とここが穴であることは明らか。だからこそペンステートはアラーの投力でボイジー州立大のバックフィールドを突いていきたいところです。

さらにペンステートはフィエスタボウルとの相性がすこぶるよく、過去7回の出場経験がある中で戦績は7勝無敗。この試合に勝てば2017年にワシントン大に勝った時以来の8勝目となります。しかし、ボイジー州立大はかつてアンダードッグとして2007年のフィエスタボウルに出場し、当時7位だったオクラホマ大を倒す偉業を成し遂げています。

果たしてボイジー州立大はこの時の結果をペンステート相手に再現できるでしょうか?

ちなみに現在まで2467ヤードをランで稼いできたジーンティですが、元オクラホマ州立大のレジェンドRBであるバリー・サンダース(Barry Sanders)氏が保持している、NCAA歴代シーズン最多ランヤードの2628ヤードまであと161ヤードに迫っています。1988年以来破られていないこの偉大なるレコードを塗り替えることが出来るかにも注目が集まります。

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