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2024年度CFPプレビュー:テキサス大vsクレムソン大【1st Round】

2024年度CFPプレビュー:テキサス大vsクレムソン大【1st Round】

2024年度から導入される12チーム制度のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)。FBSの9つのカンファレンスの各優勝チームの中でもCFPランキングで上位4チームにはファーストラウンド免除のトップシードが与えられますが、そのほかの8チームはまずファーストラウンドを勝ち抜かなければなりません。

そのファーストラウンドが今週末に4試合行われますが、どの試合もプレーオフとしては初の試みとなるキャンパス開催。確実にホームチームが地の利を生かす戦いとなると思われますが、当サイトはその4試合の見どころを順にご紹介していきます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#12 クレムソン大 @ #5 テキサス大

🇺🇸12月21日(土)東部時間午後4時 | 🇯🇵12月22日(日)午前6時

12月21日土曜日に行われる3つのプレーオフゲームのうちの第2弾目がこのテキサス大とクレムソン大との激突になります。シード数が上回るテキサス大のホームであるRDRテキサスメモリアルスタジアムがその会場となります。

クレムソン大にとっては今回でプレーオフ出場回数が8度目。これはアラバマ大の最多9度に次ぎ2番目の記録。一方テキサス大にとっては昨年の初出場に続き2度目の出場となります。テキサス大は出場したSEC(サウスイースタンカンファレンス)優勝決定戦でジョージア大に勝っていればSEC王者としてファーストラウンド免除になっていましたが、この試合に22対19で敗れファーストラウンドからの登場。一方のクレムソン大は出場したACC(アトランティックコーストカンファレンス)でサザンメソディスト大に競り勝ちACC王者となり、カンファレンス優勝チームとしてプレーオフに滑り込み。ただ優勝したものの、4つ用意されていたファーストラウンド免除のトップシード権は逃しました

両校とも名のあるチームではありますが、実は今回の対戦が初顔合わせ。テキサス大は1893年創部、クレムソン大は1896年創部とお互い歴史あるチームですから、ここまで対戦がなかったことが驚きです。

テキサス大は2005年に全米制覇を成し遂げて以来その栄冠から遠のいています。特にその時の監督だったマック・ブラウン(Mac Brown)氏が退いた2013年以降は迷走が続き、かつての強かったテキサス大はどこへやら・・・。ファンのフラストレーションは溜まる一方でした。

しかし2021年にアラバマ大でOCをしていたスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)氏を監督に招聘してから機運が巡り、またNIL(Name/Image/Likeness、肖像権を元手に選手がお金を稼ぐシステム)を存分に駆使して全国の逸材プレーヤーをリクルートすることに成功することで急激に力をつけ、先シーズンCFP初出場を決めていました。

そして今年も開幕時から高い評価を得て勝ち星を進めますが、途中ジョージア大との一戦に敗れ1敗。また先発QBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)が負傷欠場している間に、期待のアーチ・マニング(Arch Manning)が登場するなど話題には事欠きませんでした。そして出場したSECタイトルゲームでは前述の通りジョージア大に二度も苦杯を飲ませられましたが、カンファレンス優勝チームに与えられる上位4つのシード以外では最高となる第5シードをゲットしてクレムソン大戦に臨みます。

オフェンスの天才とも目されるサーキジアン監督が操るオフェンスとしては少々物足りない数字しか残せていないテキサス大。その大きな要因とされるのはユワーズの健康面での不安です。マニングが代役で登場した際は腹部の怪我で出遅れたと言われており、特にボールを投げる面でこの怪我は大いにパスに影響を及ぼしているとされています。また中盤以降には足首を捻ってしまったことで機動力が落ち、それが多少なりともテキサス大の戦術に影響を与えていると言われています。

またその他にもアラバマ大からの転校生WRアイゼア・ボンド(Isaiah Bond)や年間最優秀ラインマン賞である「アウトランドトロフィー」を獲得したOLケルヴィン・バンクス(Kelvin Banks)が怪我でこの試合での出場が危ぶまれており手負なテキサス大。サーキジアン監督としてはスキーム重視で相手を崩す術を模索することを強いられている模様です。

ただ朗報なのはディフェンス陣が超健在であること。ランディフェンスは全米13位となる1試合平均被ヤードが106.7ヤード、パスディフェンスは全米1位となる1試合平均被ヤード143.1ヤード、そしてトータルディフェンスも全米3位とまさに鉄壁。敗れたジョージア大とのSECタイトルゲームでも相手をトータルヤードで277ヤードに抑えるなど強力なディフェンス力は彼らの揺るぎない強みです。

一方のクレムソン大はここ2、3年はかつてのようなめちゃくちゃ強いというチームを世に輩出できずにいました。それはダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督が生え抜きの選手にこだわり、トランスファー選手の獲得による戦力補填を行なってこなかったからと言われています。

そんな中今年は開幕戦のジョージア大戦、ルイビル大戦、そしてサウスカロライナ州内ライバルのサウスカロライナ大に敗れて3敗を喫しランキングを大きく下げていましたが、マイアミ大の失墜のおかげでACCタイトルゲームに駒を進めることに成功。ここでSMUと対戦し、同点で迎えた残り数秒で勝ち越しのFGを決めてプレーオフ進出を決めたのでした。

クレムソン大のオフェンスはベテランとなった元5つ星のQBケイド・クルブニック(Cade Krubnik)が牽引するチーム。今季は3303ヤードに33TD、5INTとそこそこの数字を残し、さらにはランでも7TDとクレムソン大のオフェンスは彼なしでは語れません。ただ、そんなクルブニックは3敗した試合でもれなくピリッとせず、彼のパフォーマンスが直結してクレムソン大のスコアリングに大きく影響している状況です。

またかつては指折りだったディフェンスユニットも、今季はランディフェンスで全米72位、パスディフェンスで全米61位、トータルディフェンスも65位と中堅レベル。ただそれでも未だタレントを要所に配する布陣で平均失点数23失点(全米38位)と「Bend but do not break(押し込まれるけれど最後はやられない)」の精神で今シーズンを乗り越えてきました。

力の差を考えればテキサス大有利という下馬評が高いのが実情。特にテキサス大のディフェンスからクレムソン大が大量得点を奪えるとは考えづらく、その点から先手を打たれて追う展開になるとクレムソン大にとってはかなりキツイことになりそうです。

ただ、テキサス大は現在ランクされているチームとの勝利が無く、ジョージア大との対戦で二度とも黒星を喫していることからも、強力なディフェンス相手に手こずるという面もあります。クレムソン大がジョージア大ほどのディフェンス力を持っているとは言えないと思いますが、少なくとも楽して点を取れる相手とも言えないでしょう。

テキサス大のQBユワーズとクレムソン大のQBクルブニックは高校時代にテキサス州内で火花を散らしたライバル同士でした。その彼らがこの大舞台で再会するというのもドラマチックですが、同じ故郷であるテキサス州での対戦でどちらが笑ってスタジアムを去ることになるのか・・・。

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