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最新CFPランキングを分析【2024年度第2回目】

最新CFPランキングを分析【2024年度第2回目】

カレッジフットボールの頂点を極めるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)。そのトーナメント戦に出場できるチームを決めるためのランキングがその名もCFPランキングですが、今季2回目となるCFPランキングが現地11月12日(火曜日)夜に発表されました。その顔ぶれを見ていきたいと思います。

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第2回目CFPランキング

1位:オレゴン大(Big Ten:10勝0敗)
2位:オハイオ州立大(Big Ten:8勝1敗)
3位:テキサス大(SEC:8勝1敗)
4位:ペンシルバニア州立大(Big Ten:8勝1敗)
5位:インディアナ大(Big Ten:10勝0敗)
6位:ブリガムヤング大(Big 12:9勝0敗)
7位:テネシー大(SEC:7勝1敗)
8位:ノートルダム大(独立校:8勝1敗)
9位:マイアミ大(ACC:9勝1敗)
10位:アラバマ大(SEC:7勝2敗)
11位:ミシシッピ大(SEC:7勝2敗)
12位:ジョージア大(SEC:7勝2敗)
13位:ボイジー州立大(MWC:8勝1敗)
14位:サザンメソディスト大(ACC:8勝1敗)
15位:テキサスA&M大(SEC:7勝2敗)
16位:カンザス州立大(Big 12:7勝2敗)
17位:コロラド大(Big 12:7勝2敗)
18位:ワシントン州立大(Pac-12:8勝1敗)
19位:ルイビル大(ACC:6勝3敗)
20位:クレムソン大(ACC:7勝2敗)
21位:サウスカロライナ大(SEC:6勝3敗)
22位:ルイジアナ州立大(SEC:6勝3敗)
23位:ミズーリ大(SEC:7勝2敗)
24位:陸軍士官学校(American:9勝0敗)
25位:トゥレーン大(American:8勝2敗)

先週黒星を喰らってランクを落としたジョージア大(3位→12位)とマイアミ大(4位→9位)。彼らの降下を受けて他のチームがランクをそれぞれ上げていますが、インディアナ大が5位に浮上したことで、上位5チームのうち4チームがBig Tenカンファレンス出身チームという顔ぶれに。

ここ数年はSECがカレッジフットボール界を席巻してきたのは記憶に新しいですが、Big Tenチームが上位に固まっているのを見ると、近年のカンファレンスのリアライメント、トランスファーポータル、NILによる選手のリクルーティングなどによって戦力が分散したことがその一因と考えられそうです。


現時点でのプレーオフ進出チームをシミュレート

ここでは今回の第2回目のCFPランキングを元に、現時点でもしシーズンが終わった場合にどの12チームがプレーオフ進出を果たすかをシミュレートしてみたいと思います。

参考記事カレッジフットボールプレーオフランキングとは?

まずは「パワー4」の各カンファレンス優勝チーム4つの枠ですが、現時点でそれぞれのカンファレンスで首位を走っているのが、ACCはサザンメソディスト大、Big 12がブリガムヤング大、Big Tenがオレゴン大、SECがテキサス大となっています。

更にもう1つの枠である、「グループオブ5」カンファレンスの各優勝チームの中で最もCFPランキングでランクが高いチーム、ですが、現状だとこれはマウンテンウエストカンファレンス所属のボイジー州立大がこれに当てはまります。

この5校にまず出場権が与えられますが、この5つのチームのうちCFPランキングで上位4チームにはファーストラウンドがお休みとなるトップシード権が与えられます。現状だとそのシードは以下のようになります。

第1シード:オレゴン大(Big Ten覇者、CFP#1)
第2シード:テキサス大(SEC覇者、CFP#3)
第3シード:ブリガムヤング大(Big 12覇者、CFP#9)
第4シード:サザンメソディスト大(ACC覇者、CFP#14)

当然これは「もし今シーズンが終わったら・・・」という仮定の上での話なのですが、興味深いのは第4シードのサザンメソディスト大(SMU)ですよね。ACCでは先週マイアミ大がジョージア工科大にまさかの敗戦を喫してしまったため、今のところACCのカンファレンス戦績で唯一無敗なのがこのSMUなのです。

今後このまま行けばACC優勝決定戦でマイアミ大とSMUが対戦することになりますが、ここでもし本当にSMUがマイアミ大を倒せば、CFPランキングで劣っているチームがカンファレンスタイトル覇者としてシード権をを獲得するということはあり得ます。

(もっとも、もしマイアミ大がSMUに破れることがあれば、その時点でSMUがマイアミ大をランキングで追い抜くことになっているとは思いますが)

そしてボイジー州立大ですが、彼らは現在CFPランキング13位。トップ12チーム以外のチームですが、「グループオブ5」の優勝校としてランクの位置に関係なく出場権が与えら得ます。つまり、今回は出場権を獲得することが出来る12チームのうち、2つのチームがCFPランキングの上位12位以外にランクされているチームということになります(13位のボイジー州立大と14位のSMU)。

ということは、ランキングで12位以内に入っていても枠から漏れるチームが2チーム出てくるわけです。それが11位のミシシッピ大と12位のジョージア大ということになるわけです。2021年と2022年で全米二連覇を成し遂げた強豪ジョージア大とそのジョージア大を倒したばかりのミシシッピ大が出場権を逃すというのですからそれだけでもドラマチックといえます。

これらの条件をもとにすると第5シード以下の7チームは以下の通りとなります。

第5シード:オハイオ州立大(CFP#2)
第6シード:ペンシルバニア州立大(CFP#4)
第7シード:インディアナ大(CFP#5)
第8シード:テネシー大(CFP#7)
第9シード:ノートルダム大(CFP#8)
第10シード:マイアミ大(CFP#9)
第11シード:アラバマ大(CFP#10)
第12シード:ボイジー州立大(MWC覇者、CFP#13)

現時点での対戦カード

第5シードから第12シードまでのチームはファーストラウンドを行うわけですが、ファーストラウンドはこれまでと違い大学のキャンパスにあるスタジアムで行われます。これまでのCFPではいわゆる「ニューイヤーズ6ボウル」(ローズボウル、シュガーボウル、オレンジボウル、コットンボウル、フィエスタボウル、ピーチボウル)がプレーオフの試合を担当してきましたから、大学キャンパス内でプレーオフの試合が行われるのは初の試みとなります。

現状でのシミュレーションにおいてファーストラウンドの組み合わせは以下の通りになります。

ボイジー州立大(第12シード)@ オハイオ州立大(第5シード)
アラバマ大(第11シード)@ ペンシルバニア州立大(第6シード)
マイアミ大(第10シード)@ インディアナ大(第7シード)
ノートルダム大(第9シード)@ テネシー大(第8シード)

シミュレーションとはいえ、中々面白そうなマッチアップばかりですよね!これがシード数の高い方のチームで行われるということですから、ホームチームのアドバンテージはかなりのものだと思います。オハイオ州立大のオハイオスタジアム、ペンシルバニア州立大のビーバースタジアム、テネシー大のネイランドスタジアム、これら全て10万人以上収容可能の巨大スタジアムですから、負ければそれで終わりという今まで経験したことのないシチュエーション下の試合ともなれば、スタジアムの雰囲気はこれまで以上のものすごいものになることは間違いありません。

一方、興味深いのはインディアナ大がマイアミをホストするという構図です。インディアナ大は元々フットボールの強豪校としては知られておらず、彼らのホームスタジアムであるメモリアルスタジアムは収容人員数が約5万人と上に挙げたスタジアムの半分しかない大きさ。しかしながらそれでもプレーオフでホームゲームを開催できるというのは大きな強みですよね。

そして準々決勝戦ですが、「ニューイヤーズ6」ボウルのうちの4つのボウルが開催を担当します。このシミュレーション下だと以下のような対戦カードになります。

ボイジー州立大/オハイオ州立大 🆚 SMU(第4シード)
アラバマ大/ペンシルバニア州立大 🆚 ブリガムヤング大(第3シード)
マイアミ大/インディアナ大 🆚 テキサス大(第2シード)
ノートルダム大/テネシー大 🆚 オレゴン大(第1シード)

現状をそのままの形でシミュレートすると以上のようなマッチアップが成り立つことになりますが、世間に出回っている、現在の勢力図を加味したプロジェクションはちょっと異なっています。

一番異なっているのは、ACCのタイトルを獲るのはおそらくSMUではなくマイアミ大だろう、という仮定です。そうなった場合、マイアミ大が第4シードを獲得し、SMUの代わりに出場権を獲得するのがCFP11位のミシシッピ大となる訳です。

その他のシナリオ

今季残り試合数も少なくなってきましたが、今週末にジョージア大とテネシー大が、来週末にはオハイオ州立大とインディアナ大が直接対決することになっていますし、その他のランクチームがアップセットを食らう、なんてことは大いにあり得ますから、今後このランキングの顔ぶれは絶対的に変わっていきますし、そうなれば出場権を獲得するチームのラインアップを変わってくることでしょう。

そういった意味では現在シミュレーション上に名前が挙がっていないチームにもチャンスが巡ってくることになります。

例えばカンファレンス優勝チーム枠ですが、すでに紹介した通りSMUがマイアミ大を退けることもあるかもしれませんし、Big Tenカンファレンスではオハイオ州立大がオレゴン大に雪辱を晴らすなんてことも起きるかもしれません。SECも最大で8チームが2敗で横並びに並ぶ可能性もありますから、そうなったら一体どうやって優勝決定戦出場チームを選ぶのか興味は尽きません。

そんな中一番注目したいのはBig 12カンファレンスです。現在首位を走っているのは無敗のブリガムヤング大ですが、これを1敗で追っているのがコロラド大です。特に7連勝していたアイオワ州立大がここにきて2連敗を喫したため、コロラド大にも自力優勝の可能性が出てきたのです。

現在17位のコロラド大ですが、このまま勝ち進んでカンファレンスタイトルゲームに出場し、そこでブリガムヤング大に勝ちさえすればBig 12チャンピオンとしてプレーオフ進出(しかも上位シード権も獲得)を成し遂げることができる訳です。

コロラド大は現在「コーチプライム」ことディオン・サンダース(Deion Sanders)監督の2期目。彼は就任当初から全米制覇を狙うと豪語していました。しかし周囲の反応は冷ややかで、「そんな簡単にプレーオフに進めるか」という論調ばかりでしたが、初年度の負け越しシーズンと打って変わって今シーズンは7勝2敗と絶好調。勝ち進みさえすればプレーオフに進出できるというこの状況を生み出したことだけでも凄い事です。サンダース監督を下に見ていた「エキスパート」たちも戦々恐々としている事でしょう。

また「グループオブ5」勢でいうと、例えばボイジー州立大がMWCの優勝決定戦で転けてしまったとしたら、その時点でプレーオフ出場権を失うことになります。すると次点の「グループオブ5」チームは陸軍士官学校ですので、彼らがAAC(アメリカンアスレティックカンファレンス)のタイトルを取れば彼らがプレーオフに進出することになるわけです。

とは言え、現実的なことを言えば、陸軍士官学校は今後ノートルダム大と対戦することになっています。この試合はカンファレンス戦ではないので、たとえこの試合に負けても彼らのカンファレンス勝敗数には影響は及びません。しかし負けることでおそらくランキングを落としてしまうため、25位以内から脱落してしまうことが考えられます。陸軍士官学校としてはノートルダム大と対戦する11月23日までに少しでもランキングを上げておいて、例え負けても接戦なら25位以内で踏ん張れる・・・そんな状況を作りたいところです。

ただ陸軍士官学校と同じAAC所属のトゥレーン大も最新ランキングで25位以内に食い込んできました(25位)。AAC優勝決定戦でもしこの2チームが対戦し、トゥレーン大が勝つことがあれば、ボイジー州立大が負けたシナリオ下だと彼らにもプレーオフ出場の可能性が出てくる訳です。

あと興味深いのは現在21位のワシントン州立大です。ワシントン州立大は現在Pac-12カンファレンス所属チームですが、ご存知かと思いますがこのPac-12カンファレンスは昨オフに所属チーム12チームのうち10チームが他カンファレンスへと離脱し、現在はこのワシントン州立大とオレゴン州立大の2チームしか所属しておりません。

元々Pac-12カンファレンスは「パワー5」の一員に数えられていたにもかかわらず、この「事件」で「パワー5」の称号を剥奪され、また2チームしか所属していないためカンファレンスという体裁も組めず、非常に気の毒な状況に陥っていました。

しかし、ワシントン州立大は現在まで7勝1敗でCFP21位。「グループオブ5」チームでもないため、自動出場権すらありませんが、仮にこのまま勝ち続けて上位チームが転けまくり、彼らが12位以内に飛び込むようなことがあれば、ひょっとしたら彼らにもプレーオフ進出の可能性が出てきます。

今の所Pac-12カンファレンスを裏切って出て行ったチームたちでプレーオフ進出の可能性があるのはオレゴン大くらいなもの。ここでもしワシントン州立大がPac-12カンファレンスチームとしてプレーオフに進むようなことが実現すれば、話としては非常に面白いですよね。

今後のランキング発表日

第3回目:11月19日(火曜日)
第4回目:11月26日(火曜日)
第5回目:12月3日(火曜日)
第6回目:12月8日(日曜日)←CFP出場チーム決定

今後は毎週火曜日にランキングが発表され、各カンファレンスタイトルゲームが終わる12月8日の翌日正午にファイナルランキングが発表され、晴れて全米タイトルを掛けて戦われるプレーオフに進出する12チームが決定することになります。

今後もランキングが発表されるたびにいろいろなシナリオを想像してみては、あーだこーだ言うことになると思いますが、ひょっとしたらこのカオスがカレッジフットボールの最高の醍醐味なのかも知れません。

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