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Early Survival Races【2024年度第2週目レビュー】

Early Survival Races【2024年度第2週目レビュー】

今季第2週目のカレッジフットボール界では、強いと思われていたチームが大苦戦したりアップセットを食らったりする、なんだか変な週末でした。そんな週末の主な試合を簡単に振り返ります。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#3 テキサス大 31、#10 ミシガン大 12

今季2週目にして早くもこのようなメガマッチが実現。どちらも昨年のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に進出したチームであり、言わずと知れた名門チーム同士の激突。実は対戦履歴としては過去の2005年のローズボウルでの対戦が唯一ということで、非常にレアなマッチアップでもありました。

前年度覇者のミシガン大のホームゲームとして大いに盛り上がりましたが、主導権を握ったのはテキサス大でした。第1Qこそスローな展開ではありましたが、テキサス大が徐々にミシガン大を押し込む場面が多く見られ、前半を終えた時点で24対3とテキサス大が3スコア差をつけます。

後半に入ってもテキサス大の流れをミシガン大が止めることはできず、結局ミシガン大がTDを奪えたのは試合終了2分を切った時点でのQBデーヴィス・ワレン(Davis Warren)からサマジ・モーガン(Samaj Morgan)への31ヤードのパスプレーのみ。ファイナルスコアは31対12とテキサス大がディフェンディングチャンピオンを圧倒して2勝目を挙げました。

テキサス大はQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)が好調。この日は246ヤードに3TDと活躍。またスピードのあるレシーバー陣をうまく使い分け、ミシガン大のオールアメリカンDBウィル・ジョンソン(Will Johnson)を無力化するプレーコーリングでミシガン大のセカンダリーを攻略しました。

そしてディフェンス陣はDLのパワフルなペネトレートが若く経験不足なミシガン大のOL陣を押し込み続け、新先発QBワレンにプレッシャーをかけ続けました。またミシガン大のエースRBドノヴァン・エドワーズ(Donovan Edwards)を41ヤードに抑えるなどランディフェンスも強固なところを見せ、全く隙が見当たらないチームという印象を大いに植え付けてくれました。

ミシガン大は新HCシェロン・モアー(Sherron Moore)監督体制で開幕戦にフレズノ州立大に苦戦したことで不安が過っていましたが、強豪テキサス大を前にほぼ何もできず。オールアメリカンTEコルストン・ラヴランド(Colston Loveland)のキャッチ能力は確かに魅力的ですが、昨年までジョージア大で活躍したブロック・バウワーズ(Brock Bowers、現ラスベガスレイダース)ほどのプレーメーカーという感じではないため、彼だけに頼るのはやはり厳しいです。

昨年まではジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督指揮下で強力なランアタックを身上に戦ってきましたが、戦力が抜けたとはいえ、ちょっとアイデンティティを失ってしまった感が否めないチームになっている気がします。ここからどう立て直してくるか見ものです。


#14 テネシー大 51、#24 ノースカロライナ州立大 10

第2週目に行われたもう一つのランカー同士の対決となったこのカードはスコアの通り全米14位のテネシー大が同24位のノースカロライナ州立大を圧倒。力の差を大いに見せつけてくれました。

テネシー大は期待のQBニコ・イアマレイヴァ(Nico Iamaleava)を擁しますが、この日は211ヤードに2TD、2INTとちょっと期待外れ。しかしながらそれを埋め合わせるようにランアタックが炸裂し、RBディラン・サンプソン(Dylan Sampson)の132ヤードに2TDのパフォーマンスを筆頭にチーム全体で249ヤード(計3TD)を足で稼ぎました。

それよりも際立っていたのがテネシー大のディフェンス。ライン戦では圧倒的にノースカロライナ州立大を凌駕しており、相手に許したランヤードはたったの39ヤード。またコースタルカロライナ大時代に名を馳せた転校生QBグレイソン・マッコール(Grayson McCall)を104ヤードに1INTに抑え込み、まさに横綱相撲を見せてくれました。

#2 オハイオ州立大 56、ウエスタンミシガン大 0

全米2位のオハイオ州立大はホームに格下ウエスタンミシガン大を迎え、これを56対0と一蹴。王者の貫禄を見せて一瞬の隙も見せませんでした。

この日はミシシッピ大からの転校生RBクウィンション・ジュドキンス(Quinshon Judkins)が108ヤードに2TDと噂通りの走りを見せると、それに負けじとベテランのトレヴィヨン・ヘンダーソン(TreVeyon Henderson)も2TD。また期待の新人WRジェレマイア・スミス(Jeremiah Smith)も119ヤードに2TD、4年生のエメカ・イブカ(Emeka Egbuka)が98ヤード、そして彼にパスを通したQBで元カンザス州立大ウィル・ハワード(Will Howard)が292ヤードに1TDと数字を残し、生え抜きおよび新戦力がいい感じで絡み合うオフェンス力を披露しました。

#4 アラバマ大 42、サウスフロリダ大 16

全米4位のアラバマ大とサウスフロリダ大の対戦、ファイナルスコアだけ見ると圧勝に見えますが、内容的にはアラバマ大が負けていてもおかしくは無かった非常に体たらくな展開でした。

この日は昨年まで監督を務めていたニック・セイバン(Nick Saban)監督の名前がインフィールドの名前に冠される記念すべき試合でしたが、試合が始まるとそのセイバン監督の顔が強張るような展開に・・・。

オフェンスはとにかく何をやってもダメ。前半の2TDはQBジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)のランによるものでしたが、相手ディフェンスを崩してボールを動かすような展開とは程遠い流れ。ランも出ない。パスも通らない。どちらかというとサウスフロリダ大の方がキレのあるプレーを見せていました。

第4Q開始時点で14対13と1点差のリードで迎えたアラバマ大はその歯痒い展開から「ひょっとしたら・・・」と思ったファンも多かったと思いますが、残り6分を切ったところでようやくロングプレーが決まりだし、その6分間で3つのTDを奪ってサウスフロリダ大を突き放し、最悪のシナリオはなんとか回避できました。

昨年もこのサウスフロリダ大には苦戦しましたが、今回はホーム。前戦でウエスタンケンタッキー大から63点も奪ったことを考えれば、この日のパフォーマンスには思わず首を傾げてしまいます・・・。

ノーザンイリノイ大 16、#5 ノートルダム大 14

今季初のホームゲームとなったノートルダム大は「グループオブ5」のノーザンイリノイ大を招いて手堅く白星を手中に入れようと考えていたと思われますが、なんとそのノーザンイリノイ大からまさかの黒星を喫するという、ここ最近でも最大級のアップセット負けを演じてしまいました。

出だしこそQBライリー・レナード(Riley Leonard)の足で先制点を奪いますが、この日のレナードのパスプレーが冴えず、32回中20回のパス成功で163ヤードに2INTとチームの足を引っ張ってしまいます。足を引っ張ってしまいます。

ランで押してくるノーザンイリノイ大に得意のディフェンスも手こずり、190ヤード(1ヤード平均4.2ヤード)を許す失態。全体的にキレの悪いノートルダム大は大きなリードを奪えないまま14対13で第4Qを迎えます。そして最終局面、ノーザンイリノイ大の魂の5分半のドライブののち、残り時間約30秒で逆転のFGが決まってついにノートルダム大はリードを奪われてしまいます。

後のないノートルダム大はノーザンイリノイ大陣内へなんとか足を踏み入れますが、残り5秒で迎えた62ヤードの一か八かのFGは無惨にも届かず、なんと試合前には28ポイント有利と言われていたホームのノートルダム大が番狂せを食らったのでした。28ポイント有利と言われる試合を落とすのは過去にほとんど例がありません。

12チーム制度のCFPが導入されたおかげでノートルダム大はスケジュールを加味するとプレーオフ進出の望みが高いと言われていましたが、まさかこんなところに落とし穴があろうとは・・・。

#7 オレゴン大 37、ボイジー州立大 34

先週FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)所属のアイダホ大にまさかの苦戦を強いられたオレゴン大。そのことでランキングを3位から7位に落としましたが、第2戦目の対戦相手で「グループオブ5」に所属しているボイジー州立大戦も大苦戦でした。

ボイジー州立大は注目のRBアシュトン・ジーンティ(Ashton Jeanty)がオレゴン大相手に暴れまくり、192ヤードに3TDを足で稼ぐ大活躍。オレゴン大ディフェンスを大いに苦しめました。そのせいもありオレゴン大は中々相手を突き放すことができず、逆に第4Qに入るとリードを奪われる展開に。

そして34対34で迎えた最終局面、試合残り時間4分を切ったところで自陣32ヤードからの攻撃となったオレゴン大はディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)のパスプレー、および相手のパスインターフェアレンスの反則などに助けられボイジー州立大陣内へ急襲。そして試合終了と同時に25ヤードのFGが決まって辛くもオレゴン大が勝ち逃げしたのでした。

今季優勝を狙えると言われていたオレゴン大ですが、開幕から厳しい展開を強いられています。が、こういう厳しい展開を制することができたというのは、後々経験として活きてくる・・・と思いたいです。

#8 ペンシルバニア州立大 34、ボーリンググリーン州立大 27

全米8位のペンステートは格下相手のボーリンググリーン州立大をホームに迎えましたが、こちらでも思わぬ接戦に。前半からリードを奪われる意外な展開で24対20とボーリンググリーン州立大リードでハーフタイムを迎え、不穏な空気が流れます。彼らが相手に前半だけで24失点も許したのは昨年だとたったの2度だったのですから当然です。

しかしながら後半にディフェンスが手綱を握り直し3失点に抑えると、QBドリュー・アラー(Drew Allar)がパスで2TD、ランで1TDを記録すれば、RBニック・シングルトン(Nick Singleton)も2つのTDに絡むパフォーマンスで逆転勝利。なんとか足元をすくわれずに済みました。

またTEタイラー・ワレン(Tyler Warren)はこの日146ヤードのレシーブを記録。これはペンステートのTE選手が1試合で記録したレシーブヤードの新記録。アラーの新たな武器の誕生を予感させてくれました。

#12 マイアミ大 56、フロリダA&M大 9

初戦のフロリダ大戦で快勝したことでランキングを19位から12位まで上げてきたマイアミ大はこの日格下フロリダA&M大と対戦し、これを56対9と難なく撃破。格下相手とはいえオフェンス力の高さを見せつけてくれました。

期待のQBキャム・ワード(Cam Ward)は304ヤードに3TDと数字を残して自身のホームデビュー戦を華々しく飾りました。前週のフロリダ大戦でも385ヤードと300ヤード越えのパスを記録したワードですが、最初の2試合で合計600ヤード以上のパスを投げたのは過去25年間でたったの3人目。久々に現れたプレーメーカーにマイアミ大ファンの希望を大いに高まっていることでしょう。

またRBダニエル・リチャードソン(Daniel Richardson)も135ヤードを走る快走を見せ、FCSチーム相手とはいえしっかりと力の差を見せつけるところは評価に値すると思います。さらにDLタイラー・バロン(Tyler Baron)は3つのQBサックを記録しホームのファンを大いに沸かせました。

今後のマイアミ大のスケジュールを考えれば、この試合展開を続けるとなると10月19日のルイビル大戦まで無敗で突き進む可能性は大です。

#13 サザンカリフォルニア大 48、ユタ州立大 0

前週ルイジアナ州立大に競り勝って一気にランキングを13位にまで上げてきたサザンカリフォルニア大(USC)。にわかに期待度が上がってきているそのUSCはユタ州立大と対戦。RBクウィンテン・ジョイナー(Quinten Joyner)が84ヤードに2TDを叩き出し、QBミラー・モス(Miller Moss)は229ヤードに1TD(第3Q早々にお役御免でベンチに下がりましたが)と合計48得点を計上して完勝しました。

今年のUSCが見違えているのは昨年まで酷かったディフェンス陣。この試合では格下チームとはいえユタ州立大をトータル190ヤードに抑え込む圧倒的守備力を見せ、過去のユニットとは見違えるほど進化していました。完封勝利を収めたのが2011年以来のことと言うことで、今後更なる躍進が期待できます。特に同じくPac-12カンファレンスからBig Tenカンファレンスに移籍したオレゴン大が少々苦戦しているため、USCの開幕二連勝は際立っていますよね。

#15 オクラホマ大 16、ヒューストン大 12

テキサス大と共に今年から強豪カンファレンスであるSEC(サウスイースタンカンファレンス)に移籍してきたオクラホマ大ですが、全米15位にもかかわらずヒューストン大に終始手こずり16対12と勝ちはしたものの、不安を残す内容になってしまいました。

ランヤードはチームトータル75ヤード、パスヤードはQBジャクソン・アーノルド(Jackson Arnold)が174ヤードに2TD(1INT)と全くパッとせず、またファンブルも自らリカバーしたとはいえ2度犯すなどチグハグ。ディフェンスがなんとか踏ん張り12失点に抑えたからよかったものの、今後SECチームとの対戦が始まれば確かなオフェンスがなければあっという間に黒星先行になりかねません。

#16 オクラホマ州立大 39、アーカンソー大 31 (2OT)

全米16位のオクラホマ州立大がSECのアーカンソー大を迎えて行われたこのマッチアップは2度のオーバータイムにもつれ込む激戦になりました。

今年からOCを務めるボビー・ペトリノ(Bobby Petrino)氏に率いられるアーカンソー大オフェンスが序盤からオクラホマ州立大に対して先手を打つ展開。RBジャクインデン・ジャクソン(Ja’Quinden Jackson)が前半だけで3つのランTDを量産して21対7のアーカンソー大リードで前半を折り返します。

後半に入ってもオクラホマ州立大のオフェンスのエンジンが掛からず、ハイズマントロフィー候補RBオーリー・ゴードン・II(Ollie Gordon II)もほぼ沈黙。ただ後半アーカンソー大オフェンスもパッタリと得点できなくなり、第4Qにオクラホマ州立大QBアラン・ボウマン(Alan Bowman)からブレナン・プレスリー(Brennan Presley)への7ヤードTDパスが決まってようやく21対21の同点に追いつきます。

そしてお互いがTDを奪い合った後、試合時間のこり1分を切った時点でオクラホマ州立大がFGを決めてついにこの日初のリードを土壇場で奪います。が、アーカンソー大も意地を見せて試合終了と同時に同点のFGを奪ってOTに突入。1度目のOTではお互いがFGを外して2度目のOTに。そしてここでようやくゴードン・IIが勝ち越しのTDランを奪ってオクラホマ州立大がホームでのアップセットを逃れました。

アーカンソー大は序盤から主導権を握り、このまま勝ち逃げできるかと思われましたが、後半オクラホマ州立大のディフェンス陣に攻略されたのかオフェンスが沈黙。勝てる試合を逃したと言う意味では悔やんでも悔やみきれない結果になってしまいました。

#17 カンザス州立大 34、トゥレーン大 27

ここまで読んでいただいたらお分かりの通り、第2週目はランカーたちがヒヤヒヤ物の試合をこなしてきましたが、このカンザス州立大とトゥレーン大の試合もそれに外れず僅差の試合になりました。

カンザス州立大QBエヴェリー・ジョンソン(Avery Johnson)がパスで苦戦する中、ホームのトゥレーン大が2つのTDと2つのFGを奪い、前半を20対10のトゥレーン大リードで折り返します。後半に入ってもカンザス州立大のオフェンスはピリッとしませんでしたが、第3Q終盤に立て続けにTDを奪ってスコアを27対27のタイゲームに戻すと、第4Qには相手のファンブルをリカバーしたカンザス州立大のジャック・ファブリス(Jack Fabris)が60ヤードのスクープ&スコアで遂に逆転。これが決勝点となりカンザス州立大が辛くも逃げ切りました。

カンザス州立大はQBジョンソンのパサーとしての能力が安定しておらず、RBのD.J.ギデンズ(D.J. Gidens)が114ヤードを稼ぐ力走を見せはしましたが、今後もこのような「Find a way to win」的なオフェンスに終始するとなると、どこかで息切れしてしまいそうな気がします・・・。

イリノイ大 23、#19 カンザス大17

全米19位のカンザス大とBig Tenカンファレンス所属のイリノイ大との対戦は最後の最後まで勝負の行方がわからない展開となりましたが、ホームのイリノイ大が逃げ切って勝利。彼らにとっては2011年以来のノンカンファレンスのランクチームからの白星となりました。

カンザス大のエースQBジェイロン・ダニエルズ(Jalon Daniels)はこの日2TDを奪ったものの32回中18回のパス成功に141ヤード、さらには3つもINTを犯すなど絶不調。彼の不調がオフェンスに悪影響を及ぼし決め手に欠きました。

それよりもイリノイ大のディフェンスが思いの外パワフルでスピーディー。今年で4年目となるブレット・ビルマ(Bret Bielema)監督にとっては勝負となる年でランクチームから勝利を奪ったのは喜びもひとしお。試合後にはファンがフィールドに傾れ込むシーンを見ることができました。

#20 アリゾナ大 22、ノーザンアリゾナ大 10

こちらの試合でもランカーチームが格下チームに接戦を強いられる展開に。

全米20位のアリゾナ大はFCSのノーザンアリゾナ大と対戦。手堅く勝利を収めて2勝目を飾る・・・なんて思っていたかもしれませんが、彼らも意外にも手こずってしまいました。なんと前半は10対6でリードを奪われる展開で、西海岸での開催試合だったため、すでに多くの試合が終わっていた時点での開催でもあり、この日は多くのランクチームが苦戦したこともあって「アリゾナもか・・・」と思わされたのでした。

結局後半に2つのTDと1つのFGを追加し、ディフェンスが後半相手を完封したために勝ちはしましたが、注目のQBノア・フィフィタ(Noah Fifita)は173ヤードに1TD(1INT)、QBレーティングが驚愕の10.7ポイントと絶不調。彼が絶不調ならばエースWRテタイロア・マクミラン(Tetairoa McMillan)も2キャッチに11ヤードと不発。なんとも首を傾げたくなる試合内容に終始してしまいまいた。

アイオワ州立大 20、#21 アイオワ大 19

アイオワ州内のライバル対決、「サイホークトロフィー」を賭けて争われたこのライバリーゲームは毎年僅差の試合になりがちですが、今回もそれに漏れず最後の最後までもつれる試合展開になりました。

どちらのオフェンスも決め手を描くロースコアな展開になりましたが、試合を決めたのはスペシャルチーム。19対17のアイオワ大リードで迎えた最終局面、アイオワ州立大が残り6秒で54ヤードのロングFGを見事に決めて土壇場で大逆転。見事に「サイホークトロフィー」を奪い返しました。

アイオワ大はミシガン大からの転校生QBケイド・マクナマラ(Cade McNamara)が99ヤードに2INT、QBレーティングが9.7ポイントとボロボロ。RBケイレブ・ジョンソン(Kaleb Johnson)が前戦につづき100ヤード越えとなる187ヤードに2TDを稼いでくれたため僅差に持ち込めましたが、マクナマラのQBとしての技量に更なる不安を覚えてしまいました。これでは結局前年度までのアイオワ大と変わりありません・・・。

  シラキュース大 31、#23 ジョージア工科大 28

久しぶりにランキングトップ25に顔を連ねたジョージア工科大。開幕2連勝で波にのる彼らはシラキュース大に乗り込んで3勝目を狙いに行きましたが、そうは問屋が卸しませんでした。

昨年までオハイオ州立大で先発QBを任されていたカイル・マッコード(Kyle McCord)が381ヤードに4TDと爆発。ジョージア工科大のQBヘインズ・キング(Haynes King)との投げ合いを制しました。マッコードは開幕2試合で合計735ヤードに8TD(1INT)を記録しており、オハイオ州立大時代には見ることがなかったような、水を得た魚の如しプレーでチームを牽引しています。

またシラキュース大のディフェンスもジョージア工科大のランヘビーなオフェンスをポイント・オブ・アタックでよく潰しており、トータルで112ヤードに抑え込みました。トニー・ブラウン(Tony Brown)新監督の下でどのようなチームが世に繰り出されるか見ものでしたが、今の所上々の出だしです。

#25  クレムソン大 66、アパラチアン州立大 20

開幕戦でジョージア大にコテンパンにされてしまったクレムソン大。第2週目のランキングでは25位と首の皮一枚でトップ25内に止まりましたが、この日のアパラチアン州立大戦では彼らに降りかかっている不安要素を払拭するようなオフェンスのパンチ力を見せてくれました。

QBケイド・クルブニック(Cade Klubnik)はなんと前半だけで7つのTDを奪う脅威のパフォーマンス。相手がアパラチアン州立大とはいえ、前週のジョージア大での敗戦から立ち直るにはまたとないリハビリになりました。

また彼が記録した378ヤードは自身最多パスヤード記録。「クレムソン健在」を見せつけ、自信を取り戻すには十分な白星となりました。

ネブラスカ大 28、コロラド大 10

かつて双方ともBig 12カンファレンスに所属していた頃(もっと遡ればBig 8カンファレンス時代から)ライバル関係にあったネブラスカ大とコロラド大のマッチアップ。1980年代から1990年代にかけては両チームともトップランク同士で対戦することもよくあったこともあり、この懐かしのマッチアップには注目が集まりました。

コロラド大はかの有名な「コーチ・プライム」ディオン・サンダース(Deion Sanders)監督が率いるチーム。またチームのエースQBは彼の息子であるシェドゥア・サンダース(Shedeur Sanders)、さらにWRとDBを兼任する「二刀流」トラヴィス・ハンター(Travis Hunter)らを擁する何かの話題なチーム。

一方ネブラスカ大はかつての栄光を取り戻すべく長年迷走を続けてきましたが、昨年から「再建請負人」マット・ルール(Matt Rhule)監督が就任。テンプル大ベイラー大をかつて勝てるチームに再生したことから期待度は高まっていました。

そしてオフにはジョージア大に行きかけていた、元5つ星のQBディラン・ライオラ(Dylan Raiola)の加入に成功。そのライオラがこのコロラド大戦で大いに見せてくれました。

数字的には185ヤードに1TDと目から鱗が落ちるようなスタッツではありませんが、7人のレシーバーに投げ分ける器用さを見せ、またポケットの外からのスローなどはあのパトリック・マホームズ(Patrick Mahomes、元テキサス工科大)を彷彿とさせてくれました(なんならいで立ちもマホームズっぽかったりして)。

コロラド大はとにかくOL陣が貧弱。QBサンダースに腕があっても、津波のように襲ってくるネブラスカ大のディフェンスを止められず、リードする時間もありませんでした。ランも全く出ず、チームトータルで16ヤード。1キャリーの平均ヤードがなんと0.7ヤードですから勝てるはずもありません。OCはかつてNYジャイアンツクリーブランドブラウンズでHCを務めたこともあるパット・シューマー(Pat Shurmur)氏ですが、どんなスキームを組み立てても屋台骨であるOLが崩壊しては元も子もないということでしょうか。

サンダース監督2年目のコロラド大は未だ不安要素がたくさん。一方同じく2年目のルール監督率いるネブラスカ大は今年旋風を起こしてもおかしくないチームと言えそうです。

(更新終わり)

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