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Pac-12の失落と再建への道

Pac-12の失落と再建への道

パワー5内の格差


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現在カレッジフットボール界はNCAA1部の中でも中堅カンファレンス群とされる「グループオブ5」と上位カンファレンス群である「パワー5」カンファレンス群で構成されたFBS(フットボールボウルサブディビジョン)が華です。

参考記事NCAAとディビジョン

過去のナショナルチャンピオンを振り返ってもその大多数が「パワー5」に属する5つのカンファレンスから輩出されており、FBSといっても「パワー5」と「グループオブ5」の差は広がるばかりです。

例えば過去10年間の全米覇者を見てみると・・・

2020年度:アラバマ大(SEC)
2019年度:ルイジアナ州立大(SEC)
2018年度:クレムソン大(ACC)
2017年度:アラバマ大(SEC)
2016年度:クレムソン大(ACC)
2015年度:アラバマ大(SEC)
2014年度:オハイオ州立大(Big Ten)
2013年度:フロリダ州立大(ACC)
2012年度:アラバマ大(SEC)
2011年度:アラバマ大(SEC)

SEC(サウスイースタンカンファレンス)が6度、ACC(アトランティックコーストカンファレンス)が3度、Big Tenカンファレンスが1度と圧倒的にSECが抜きん出ています。もっと言えば過去10度のタイトルは5つのチームで回され続けている(そのうちアラバマ大は5度もタイトルを獲得)という状況で目新しさがないと言えば事実です。

一方で気になるのは「パワー5」の中でBig 12カンファレンスPac-12カンファレンスからは優勝チームが出ていないという事実です。

Big 12カンファレンス出身で最後にナショナルタイトルを獲ったのは2005年度のテキサス大。一方のPac-12カンファレンスでは2004年のサザンカリフォルニア大まで遡らなければなりません。しかもサザンカリフォルニア大の2004年度のタイトルは当時所属していたスターRBレジー・ブッシュ(Reggie Bush)氏に関するスキャンダルの影響で公式の記録からは抹消されており、それを除けば2003年度のサザンカリフォルニア大の優勝がPac-12校としての最後のものです。

参考記事レジー・ブッシュとヴィンス・ヤング

(もっと言えばこのときの優勝はAP/アソシエーテットプレスのランキングが定めたものであり、当時のBCS(ボウルチャンピオンシップシリーズ)チャンピオンはルイジアナ州立大。それ以前となれば1991年のワシントン大、単独優勝のみとすれば1967年のサザンカリフォルニア大まで遡らなければなりません)

Big 12も2005年度のテキサス大以降15年間もナショナルチャンピオンを生み出していないことになりますが、少なくとも2000年度にオクラホマ大、1997年、1995年、1994年のネブラスカ大(当時はBig 8/Big 12に所属)とここ30年間においてそれ相応の存在感を示してきました。

そこへ来るとPac-12(元Pac-10)は表舞台から消えて久しいです。確かにオレゴン大サザンカリフォルニア大スタンフォード大ワシントン大などは名こそ通っていますが、最近でナショナルタイトル争いに絡んだと言えばCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に進出した2016年度のワシントン大ぐらい。

2000年代にピート・キャロル(Pete Carroll、現シアトルシーホークHC)監督が率いたサザンカリフォルニア大は短い期間ではあったものの一時代を築きました。そこでPac-12カンファレンスの威厳が復活したものの、キャロル監督がNFLへ去ってからはサザンカリフォルニア大も迷走。Pac-12は再び「パワー5」内で影が薄くなっていったのです。

次のページ:ラリー・スコット氏の改革

 

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