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Big Tenチームの明暗- エクストラポイント【2020年度第8週目】

Big Tenチームの明暗- エクストラポイント【2020年度第8週目】

Big Tenチームの明暗

先週遂に開幕したBig Tenカンファレンスですが、オハイオ州立大ウィスコンシン大ミシガン大といったチームは想像通りかそれ以上のチーム力を持っていることを知らしめてくれましたが、その他にも先週の開幕戦で明暗を分けたチームたちがありました。

ラトガース大38、ミシガン州立大27

万年弱小と落ちぶれていたラトガース大は今季からグレッグ・シアーノ(Greg Schiano)監督が指揮を執ります。シアーノ監督はかつて2001年から2011年までラトガース大を率い、カレッジフットボール界のお荷物とも言えたプログラムを改革して2006年には11勝2敗という素晴らしいシーズンを送りました。

しかしシアーノ監督が2011年度シーズン後にNFLタンパベイバッカニアーズの監督に就任するためにチームを去るとそこからラトガース大は再び過去の弱小チームに後戻り。シアーノ体制後は36勝63敗で過去5年間だけで見れば13勝47敗と散々。その最たる理由は2014年にお金に目がくらんで強豪ひしめくBig Tenカンファレンスに移籍してしまったことです。チーム力で差をつけられるだけでなくリクルーティングでもことごとく有能選手を他チームに奪われ同じカンファレンス所属でもトップチームとの力の差は歴然でした。

一方シアーノ監督はというと、タンパベイでは鳴かず飛ばずでたったの2シーズン後に解雇され、2年間の休息の後2016年からオハイオ州立大にディフェンシブコーディネーターとして就任。2017年にはテネシー大の新監督に決まりかけましたが、過去に彼がアシスタントを務めていたペンシルバニア州立大で2011年に発覚した児童性的虐待スキャンダル(サンダスキー事件)に巻き込まれてテネシー大との話はご破算に。

その後もオハイオ州立大でDCを務めましたが、アーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督が引退ライアン・デイ(Ryan Day)監督が就任するとオハイオ州立大を去り、一時はNFLニューイングランドペイトリオッツの新DC就任が内定していたと言われていましたが、一身上の都合でこれを辞退。そして2019年シーズン後にラトガース大の監督の椅子に空きが出ると白羽の矢が彼に立ったのです。

こうして第二次シアーノ体制が始まったわけですが、新型コロナのパンデミックで出鼻をくじかれたと思われましたが先週末のミシガン州立大戦では見事に勝利。これは彼らにとって実に3年ぶりとなるリーグ戦アウェーゲームでの白星であり、対「パワー5」チーム連敗記録を24で止めるという快挙となったのです。

ただこの試合でも彼らは3つのターンオーバーを相手に献上するなど完璧とは程遠い内容でしたし、今後はおそらく黒星が先行するようなシーズンとなる可能性は高いです。が、相手が誰であれアウェーで38点も獲得し1度もリードを奪われずに勝ったというところに、シアーノマジックを見て取れる気がします。

一方その対戦相手のミシガン州立大ですが、昨年度後に13年間チームを指揮した名将マーク・ダントニオ(Mark Dantonio)監督が引退し、その後釜には紆余曲折を経て当時コロラド大で1年目を終えたばかりだったメル・タッカー(Mel Tucker)氏を新監督として招聘。しかしタッカー氏は2019年度にコロラド大で5勝7敗と負け越しており、しかも自身の監督経験はその1年のみということで多くのファンがこの起用法に首を傾げたものでした。

そして先週のラトガース大戦、チームは全体的に準備不足で選手らがフィールド上で迷子状態なのが露呈。WRジェイデン・リード(Jayden Reed)はチームの最初の攻撃でボールをファンブルし、その後もさらにもう一つのファンブルを記録。QBロッキー・ロンバルディ(Rocky Lonbardi)もファンブル1つにINTパス1つとターンオーバーのオンパレード。

攻・守・スペシャルチームとどれをとってもチグハグでかつての地味でもタフなチームは影を潜めてしまいました。まだ1試合ではありますが、かつてCFP(カレッジフットボールプレーオフ)進出も果たしたことのあるミシガン州立大の先行きが大変不安です。

ノースウェスタン大45、メリーランド大3

ノースウェスタン大といえば全米でも学問レベルが非常に高い大学として知られていますが、Big Ten所属チームとしても大学スポーツ界でそれなりの存在感を見せ続けているチームです。

アメフトでは2016年から母校の英雄でもあった元LBのパット・フィッツジェラルド(Pat Fitzgerald)監督が就任して以来並はあるもののそれなりに戦えるチームを世に送り出してきました。2018年度シーズンには棚ぼた効果もあったもののBig Ten西地区を制覇してカンファレンスチャンピオンシップに出場も果たしています。

そんなノースウェスタン大ですが昨年はフィッツジェラルド体制となってから最低となる3勝9敗と惨敗。特に西地区優勝を果たした翌年ともあり彼らのスランプは驚きを持って伝えられたものです。

だからこそ今シーズン彼らの巻き返しはあるのかと注目が集まりましたが、開幕戦のメリーランド大戦ではオフェンスがトータル537ヤードに43得点と爆発。インディアナ大からの転校生QBであるペイトン・ラムジー(Peyton Ramsy)と新オフェンシブコーディネーターのマイク・バジャキアン(Mike Bajakian)氏の織りなすオフェンスが10回の攻撃のうち8回を得点につなげるという高い効果を挙げました。

ひょっとしたらノースウェスタン大は西地区の台風の目となるかもしれません。ちなみにこの試合に勝ったことでフィッツジェラルド監督の生涯勝利数がちょうど100勝となりました。

ただ彼らを手放しで褒めちぎれ無いのは対戦相手がメリーランド大だったからという理由があります。なぜなら先週の試合を見る限りこのチームの状況はかなりひどかったからです。

今年先発QBの座を射止めたのはアラバマ大からの転校生、トゥリア・タガヴァイロア(Taulia tagavairoa)。名前からも察しがつくように彼は元アラバマ大のスターQBで今週末マイアミドルフィンズでの先発デビューを控えているトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)の実弟なのです。

メリーランド大の最初の攻撃ではタガヴァイロアは7回中6回のパスを成功させて56ヤードの進撃を見せ33ヤードのFGをお膳立て。ここまではまずまずの滑り出しでした。しかし彼らの見せ場はここまで。残りの90%の間のメリーランド大フットボールは目を覆いたくなるような出来だったのです。

タガヴァイロアはこの後18投中8投のパスしか成功できず逆に3つのパスINTを犯し、2年生で初先発という実戦経験での未熟さがモロに出てしまいました。もちろん彼らの失速がタガヴァイロアだけに原因があるわけではありません。特にランタックは無に等しくトータルでたったの64ヤード。OLは相手ディフェンスに押されまくり屋台骨からなし崩れ状態。これでは誰がQBでも結果は出ないというもの。

またディフェンス陣は全体的にスピード感がなくノースウェスタン大のバランスの良いオフェンスに振り回わされ彼らの進撃を食い止めることが出来ませんでした。その証拠にメリーランド大が奪ったファーストダウンが14回だったのに対してノースウェスタン大は31回も獲得したのです。またプレーの総数もメリーランド大50回に対してノースウェスタン大は83回。何もかもが上手くいきませんでした。

現在のメリーランド大は何かを微調整してチームが上向きになるというような状態ではなく、今シーズンはこの調子のままズルズルと黒星が重なっていく感じが漂っています。何か隠し玉でも持っていれば別の話ですが・・・。

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