今季第4週目となった今週末、いよいよ待ちに待ったサウスイースタンカンファレンス(SEC)が開幕を迎えました。このカンファレンスには実に8つのランクチームがひしめき合っており、まさに最強カンファレンスと言うにふさわしいオーラを出しています。
SECはカンファレンス戦のみの10試合シーズンを送るということで、毎週末にランクチーム同士の戦いが見られるというサバイバルゲームが繰り広げられますが、早速今週には前年度チャンピオンに土がつく波乱。またSEC以外でもアップセットがちらほら起こり、今後のスケジュールを考えると混戦は必死。
どちらにしても、コロナ禍下でどこか煮え切らないまま開幕した今季でしたが、SECが開幕したお陰でようやくカレッジフットボールらしさを取り戻した今週末を振り返ります。
参考ページ第4週目のスコア
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昨年5年連続で出場していたCFP(カレッジフットボールプレーオフ)への進出を逃したアラバマ大。常勝チームとして今季どのように復活してくるかに注目が集まりました。
今季から先発QBを任されたマック・ジョーンズ(Mac Jones)はINTパス無しの非常に安定したプレー。RBナジー・ハリス(Najee Harris)が3TDのパフォーマンスを見せれば、筆者注目のWRジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle)が134ヤードに2TDという素晴らしい出だし。2、3年前に全米最強と謳われたディフェンス陣はまだそのレベルには達していないようですが、まずは全米2位の強さを見せつけてくれました。
ミズーリ大は今季からイーライ・ドリンクウィッツ(Eliah Drinkwitz)監督が指揮を執りますが、負けはしたものの大御所相手に怯むことなくファイトしていたのは好印象でした。
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全米3位のオクラホマ大がホームでランク外のカンザス州立大でまさかの逆転負け。この時期での敗戦はまだ取り返しがつくとはいえ、昨年も土をつけられた相手に2連敗とは嘆かわしいところ。
オクラホマ大QBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)は387ヤードに4TDと同大出身QBらしい記録を残しましたが、同時に3INTというらしくない数字も記録。さすがにこれでは勝てる試合も逃すというものです。
カンザス州立大は一時第3Qに28対7と3TD差をつけられましたがそこから31点を叩き出し、最後はラトラーのパスをINTして大金星を獲得。先週格下アーカンソー州立大にまさかの敗退を喫した汚名を見事に晴らしました。
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全米4位のジョージア大の開幕戦の相手はアーカンソー大。立ち上がりが超スローだったジョージア大は前半を7対5でリードされる形で折り返し周囲をソワソワさせましたが、後半に攻撃陣が爆発させて終わってみればワンサイドゲームとなっていました。
しかしジョージア大のQB事情には一抹の不安を覚えました。USCからの転校生J.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)は膝の調子が芳しく無く、この日先発したドゥワン・マティス(D’Wan Mathis)はピリッとしない中第3のQBであるステソン・ベネット(Stetson Bennet)が何とか窮地を救ってくれました。
今後アーバン大、テネシー大、アラバマ大という「死の3連戦」が待ち受けている彼らにとって頼れるQBの存在は必須となります。それがなければ彼らのシーズンは厳しいものとなるでしょう。
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全米5位のフロリダ大はQBカイル・トラスク(Kyle Trask)が416ヤードのパスに6TDという怪物級のパフォーマンス。その6TDのうち4つがTEカイル・ピッツ(Kyle Pitts)の手に渡るというところも驚きの数字。フロリダ大はマレン監督3季目となる今シーズンに非常に高い下馬評を受けていましたが、それはこの試合を見れば確かなものだと実感できました。
ミシシッピ大はカレッジフットボール界の異端児、レーン・キフィン(Lane Kiffin)監督のデビュー戦。立ち上がりからフロリダ大相手にポイントを重ね続けられる攻撃力を持っていることを十分に見せつけてくれました。が、トラスクらフロリダ大のパワフルオフェンスに追いつくことは出来ませんでした。
フロリダ大はこれで確実に今季タイトル争いの一角を担うことになりそう。しかもトラスクは既に「ジョー・バロウ(Joe Burrow、元ルイジアナ州立大/現シンシナティベンガルズQB)の再来」とも言われハイズマントロフィーレースでも一気に頭角を現しました。
ミシシッピ大も負けはしましたが、キフィン監督指揮下で今年はSECをかき回してくれそうです。
44
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前年度全米覇者のルイジアナ州立大は開幕戦で今季から「エアーレイド」オフェンスの申し子、マイク・リーチ(Mike Leach)監督に率いられることになったミシシッピ州立大と対戦。ここでリーチ監督のSECでの最初の餌食となりいきなり初戦で黒星。昨年のチームから14人の先発選手、さらには攻守両コーディネーターを失った影響がモロに出てしまいました。
ミシシッピ州立大は元スタンフォード大QBのK.J.コステロ(K.J. Costello)がSEC新レコードとなる623ヤードのパスを記録。追いすがるルイジアナ州立大を振り切りました。これまで「エアーレイド」オフェンスをSECで率先して用いたのは1997年から2000年までケンタッキー大を率いたハル・マミー(Hul Mumme)氏ぐらいなもの。これからリーチ氏率いるミシシッピ州立大に目が離せません。
13
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今シーズン初のランカー同士のSECマッチアップとなったこのケンタッキー大とアーバン大との対決。お互いのディフェンス陣が威力を発揮しロースコアな立ち上がりとなり、更には前半終了間際にケンタッキー大RBクリス・ロドリゲス(Chris Rodriguez Jr)のTDランがどう見てもゴールラインを割っているように見えながら1ヤードラインでロドリゲスがダウンしたという判定になったり、アーバン大のロジャー・マクリアリー(Roger McCreary)がケンタッキー大QBテリー・ウィルソン(Terry Wilson)のパスをインターセプトして100ヤードのリターンTDを決めるも、チームメートのデリック・ホール(Derick Hall)がターゲッティングの反則を犯したということで取り消しになったりと審判団の疑惑の判定で盛り上がりに水をさされてしまっていました。
が後半にはアーバン大QBボ・ニックス(Bo Nix)並びにWRセス・ウィリアムス(Seth Williams)の活躍でケンタッキー大を突き放し何とかホームでアーバン大が貴重な開幕リーグ戦白星を獲得。来週のジョージア大戦にはずみをつけました。
63
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全米8位のテキサス大はテキサス工科大と対決。この試合はTDパスが乱れ飛ぶ乱打戦となりましたが、オーバータイムの末テキサス大がなんとか逆転勝利を収めるハラハラドキドキの展開となりました。
常に追う展開で迎えた第4Q。残り時間約2分半で15点のリードを奪われたテキサス大はここから一気に同点に持ち込みOTへ。OTではQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)がこの日5つ目のパスTDを決めて遂に逆転。そのまま逃げ切ってライバル・オクラホマ大と同じアップセットを何とか間逃れました。
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全米10位のテキサスA&M大は快勝すべき相手だったヴァンダービルト大に大苦戦。チーム合計で3つのターンオーバーを犯すミスだらけの試合でしたが、前半5ヤードランに抑えられていたRBアイゼア・スピラー(Isaiah Spiller)が後半に100ヤード超えのランを披露し何とか開幕戦白星をゲットしました。
しかし全米10位チームとは思えない軸のないチーム感は否めなく、今後3週間でアラバマ大、フロリダ大、ミシシッピ州立大という相手と渡り合っていくには心細さは否めません。
10
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フロリダ州内の名ライバリーであるこのカードは全米12位のマイアミ大がフロリダ州立大を圧倒。今季のマイアミ大の力がいよいよ本物であることを見せつけてくれた一方、名門フロリダ州立大がここまで何もさせてもらえないとは、彼らの最強時代を知る筆者としてはなんとも寂しいものです。
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全米16位のテネシー大はサウスカロライナ大とアウェーで対決。シーソーゲームとなったこの試合、第4Q残り時間9分半でテネシー大QBジャレット・ガランターノ(Jarrett Guarantano)からWRジョシュ・パルマー(Josh Palmer)への決勝TDパスが決まるとそのリードを何とか守ってテネシー大が開幕戦を白星で飾りました。
これでテネシー大は昨年から数えて7連勝目。長きに渡り燻っていた古豪復活がいよいよ現実のものとなっているようです。また鳴り物入りで入部しながらスランプや怪我に泣かされてきたQBガランターノが今季再び先発の座を獲得しましたが、遂に一皮むけたかのようなパフォーマンスを見せ、今後の彼の成長を見るのが楽しみになってきました。
サウスカロライナ大は試合終盤まで諦めずにテネシー大に食らいつきましたが、第4Q終了間際にディフェンスが踏ん張ってテネシー大から攻撃権を奪うチャンスを得たものの、相手のパントがサウスカロライナ大選手に当たってしまってテネシー大にリカバーされ万事休す。この不運がなければ再逆転もあり得たかもしれませんが、これもカレッジフットボールが繰り出す運命のいたずらとも言えましょうか。
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全米19位のルイジアナ大ラフィエット校はジョージアサザン大に大苦戦。結果的に試合終了と同時にネイト・シュナイダー(Nate Snyder)の53ヤードFGが決まって土壇場で大逆転勝利を収め無敗を守りました。ルイジアナ大のシンデレラエキスプレスはまだまだ走り続けます。