ミュージックシティーボウル
パデュー大 vs アーバン大
アーバン大とパデュー大が激突するミュージックシティーボウル。今季開幕時にハイズマントロフィー候補とも言われるも、それに値する活躍を披露できなかったアーバン大QBジャレット・スティッドハム(Jarrett Stidham)にとってはこの試合で是非とも汚名返上といきたいところ。特に彼は来年の4年生シーズンをスキップして今シーズン後にNFLドラフト入りを宣言していますので、今年の出来だけでは決してプロスカウト陣の目を引く働きを見せていませんから、是非ともパデュー大相手に素晴らしいプレーを披露しておきたいです。
パデュー大のQBデヴィッド・ブロウ(David Blough)は今季3521ヤードの25TDと数字だけ見れば全米の10本の指に入れてもいいくらいの選手です。今年4年生でカレッジ最後となるブロウもスティッドハムと同じく来年はプロ選手としてNFL入りを目指していますから、この試合は将来のプロの卵同士の戦いであるともいえます。
パデュー大は今季オハイオ州立大を倒すという偉業を成し遂げましたが、この試合ではパデュー大の大ファンであり、現在末期ガンで闘病中でもあるタイラー・トレント(Tyler Trent)さんが名誉キャプテンを務め、さらに彼がパデュー大と強い絆で結ばれていることがテレビでも紹介されるなどしました。そして今回パデュー大のあるインディアナ州に同じく本拠地を構えるインディアナポリスコルツがチームのプライベートジェット機をトレントファミリーにチャーターし、彼らがこのミュージックシティーボウルに参戦できるように手配したのです。
A huge thank you to @JimIrsay and @Colts for helping us make our goal to get to Nashville. So @theTylerTrent can be the bowl Captain this weekend at the Purdue game. @MusicCityBowl pic.twitter.com/x29U3fUvqu
— Tony Trent (@TonyTrent10) December 26, 2018
トレントさんはこの試合でも名誉キャプテンを務めることになっており、パデュー大の精神的支えとしてチームをバックアップ。どんなときでも今を生きる素晴らしさを教えてくれる、今季のカレッジフットボールでも指折りのストーリーとなっています。
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キャンピングワールドボウル
ウエストバージニア大 vs シラキュース大
今季最後までカレッジフットボールプレーオフ進出レースに絡んだウエストバージニア大と、今季のシンデレラストーリーの主役級チームでもあるシラキュース大との対決となったキャンピングワールドボウル。しかしこのマッチアップはウエストバージニア大の大黒柱であるQBウィル・グリアー(Will Grier)がNFLドラフト入りに備えて試合出場回避を宣言したこともあり、幾分か楽しみの度合いが減ってしまいました。
グリアーの代役を務めるのはジャック・アリソン(Jack Allison)ですが、ここまで彼は大学レベルでたったの10回しかパスを投げたことがありません。その彼がいきなりボウルゲームで先発を任されるというのですから、このウエストバージニア大がレギュラーシーズン中に活躍を見せたチームと同じであるとは思えません。
今季予想を裏切る大活躍をしたシラキュース大がグリアー不在のウエストバージニア大を倒すというシナリオは十分考えられそうです。
アラモボウル
アイオワ州立大 vs ワシントン州立大
キャンピングワールドボウルに続きランカー同士の戦いとなったアラモボウル。アイオワ州立大は24位、ワシントン州立大は13位ということでいい試合が期待できそうです。
ワシントン州立大はレギュラーシーズン最後まで所属するPac-12カンファレンスの優勝候補筆頭と目され、さらにはプレーオフ進出も大外からではありましたが狙える位置に居続けました。が、最終戦のワシントン大に敗れてしまったことでプレーオフ進出はもとよりカンファレンスの優勝決定戦にも出場できないという結果に陥ってしまったのです。
そんな彼らがアラモボウルというのは彼らにとっては悔しい限りでしょうが、これに勝って11勝目を挙げることができればタイトルを取れなかったことを補えるくらいの達成感を得ることが出来るのではないでしょうか。
ワシントン州立大の注目選手は何と言ってもガードナー・ミンシュー(Gardner Minshew)。マイク・リーチ(Mike Leach)監督の操る超パスヘビーオフェンスを体現し、今季の全米ナンバーワン(ヤード数)の数字を持つ彼がカレッジ最後の舞台に挑みます。そしてミンシューはQBの腕だけでなく、彼が生やしている「口ひげ」でも有名になりました。その彼はこのアラモボウルに出発する際の出で立ちでも大いに話題を振りまいてくれたのです。
Next stop: San Antonio! #GoCougs pic.twitter.com/K958EV0jw8
— WSU Cougar Football (@WSUCougFB) December 23, 2018
なかなか真似できるものではありませんが、ミンシュー自身が一番楽しんでそうなのでよしとしましょう(笑)。
一方のアイオワ州立大はRBデヴィッド・モントゴメリー(David Montgomery)が主力のチーム。彼は2年連続1000ヤード超えを成し遂げたRBですが、チーム全体としては1キャリーの平均ヤードが3.49ヤードで全米114位と冴えません。ワシントン州立大のディフェンス陣が1キャリーで相手に与える平均ヤードが4ヤードであることを考えると、相手と点取合戦の展開となってしまえばミンシュー率いるワシントン州立大オフェンスについていけるかは微妙です。