アメリカでナンバーワンのスポーツブランドといえば言わずと知れたナイキですが、それはカレッジフットボールの世界でも同じです。多くのチームがナイキのトレードマークである「Swoosh」ロゴを纏ってプレーするわけですが、その一方でその他のブランドもナイキが闊歩するカレッジフットボール界の隙間を縫って少数のチームとギアの契約を結んでいたりします。その少数派の一つにアディダスがありますが、アディダスといえばサッカーという印象が強いからか、なかなかフットボールのギアとしてしっくりこない感じが個人的にはします。
とはいえアディダスは少数派とはいえ現在のところアリゾナ州立大、インディアナ大、カンザス大、マイアミ大、ミシシッピ州立大、ノースカロライナ州立大、ラトガース大、テキサスA&M大などのFBSチームが採用しています。そして大御所のネブラスカ大もその中の一つです。実際ネブラスカ大は1995年からアディダスと独占契約を結んできたという背景もあります。
そんなアディダスとネブラスカ大との蜜月関係がさらに深くなることになりました。というのもネブラスカ大は今後11年間アディダスのギアを使用するという独占契約を結び、その額は驚愕の1億2900万ドル(約130億円)にまで跳ね上がるというのです。
アディダスにとってはカレッジフットボール界での存在感を示すにはネブラスカ大との関係は切っても切り離せないものです。しかも同じように長いことアディダスを使用してきたテネシー大がついにナイキに乗り換えてしまったからなおのこと。カレッジフットボール界でアディダスといえばネブラスカ大という印象が強いので、アディダスにとってはネブラスカ大との関係を繫ぎ止めるということはフットボール界で生き残るには死活問題だったと言えるのかもしれません。
アマチュア大学チームにスポーツブランドがこれだけの金額をつぎ込むというのは日本では想像すら出来ないことでしょう。しかしアメリカのカレッジフットボール界ではこの1億2900万ドルという額は巨額ではありますが、その上をいくチームも実は存在します。例えばナイキと契約しているミシガン大は15年間で1億7400万ドル(約180億円)、同じくナイキと契約しているオハイオ州立大は15年間で2億5200万ドル(約260億円)という破格の契約を結んでいますし、さらにかつてアディダスの顧客であったUCLAは2016年にアンダーアーマーと業界最高額となる15年間で2億8000万ドル(約290億円)という契約を結んだほどです。
カレッジフットボールの想像を絶するマネーバリューを痛感させてくれるニュースですね。