アラバマ大(1位)vs ルイジアナ州立大(13位)
アラバマ大の「死の4連戦」の最終戦となるのがこのルイジアナ州立大でのアウェーゲーム。開幕以来首位をひた走るクリムソンタイドですがこの同一カードにおいてここ最近は彼らがタイガースに対し5連勝中。ルイジアナ州立大が今年こそ雪辱を果たせるでしょうか?
数字の上ではどの麺を見てもアラバマ大有利に変わりはありません。トータルオフェンスで全米9位、トータルディフェンスで全米4位。ランディフェンスにあっては全米1位という数字を保持しています。またディフェンスはこれまでターンオーバーなどから合計9つのTDを相手から奪っていますが、これはダントツ1位の記録です。特にルイジアナ州立大戦に関して言えば、この5連勝中相手RB陣に1キャリー平均約2ヤードということからもわかるようにルイジアナ州立大の地上戦力を封じ込めてきました。昨年も当時ハイズマントロフィー候補最有力だったRBレナード・フォーネット(Leonard Fournette)をトータル30ヤードに完封するなどし、彼のハイズマントロフィーキャンペーンにとどめを刺しました。
アラバマ大のフロントセブンは恐らく現時点で全米最高のユニットです。そしてニック・セイバン(Nick Saban)監督がこれまで育て上げてきたチームと比べても最強と呼んでも過言ではないぐらいです。ルイジアナ州立大はシーズン前半苦戦しレス・マイルズ(Les Miles)を解雇したことによって息を吹き返し勢いを取り戻してきましたが、それでもこのアラバマ大フロントセブンを攻略するのは一筋縄では行きません。しかも今年のルイジアナ州立大のOL陣は昨年と比べるとパワーダウンしていることを考えればなおさらです。ルイジアナ州立大が地上戦を有効に活用したいのであれば空中戦(パスゲーム)をある程度確立させる必要があります。ここがマイルズ元監督の晩期に欠如していた要素であり、臨時ヘッドのエド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督の手腕が試されるところです。
アラバマ大QBジャレン・ハーツ(Jalen Hurts)は1年生ながらベテランのような落ち着きでチームを牽引してきました。投げても走ってもほぼ安定しているハーツの存在は絶大ですが、いかにこれまでアウェーゲームで勝利してきたからと言ってルイジアナ州立大のホームでの試合はそれらとは訳が違います。「デスバレー(Death Valley)」と呼ばれるタイガースタジアムでのナイトゲームは対戦相手にとって全米でももっともやりにくい場所だと言われています。かくいう私もかつてルイジアナ州立大のナイトゲームに立ち会ったことがありますが、歓声の大きさは桁違い。ハーツはそんな敵地でこれまでのようなプレーを披露することができるでしょうか?もしルイジアナ州立大に勝機があるとすれば試合開始からハーツを攻め立てミスを誘うことぐらいしか考えられません。
この試合に先立ちルイジアナ州立大のDBドゥウェイン・トーマス(Dwayne Thomas)は「アラバマ大オフェンスは大したことない」というよな趣旨の発言をしていました。大抵そんなことを言うチームは負けてしまうのが常です。いきがっていいっているのか、それとも挑発できるぐらい勝つことに自身があるのか・・・。いずれにしてもすでに全米ナンバーワンであるチームに挑戦状を突きつけるというこの行為が逆効果にならなければいいですが。一方でいつもは口数が少ないとされるフォーネットが選手のみのミーティングを開いたといいます。何が語られたかわかりませんが、恐らく選手の士気は非常に高まっているでしょう。
数字の上ではアラバマ大有利ですが、ルイジアナ州立大のホーム、ナイトゲーム、そしてオルジェロン臨時監督指揮下生まれ変わったチーム内の士気、そしてライバルゲームということでルイジアナ州立大にも十分アップセットの可能性はあると見ます。
ネブラスカ大(10位) vs オハイオ州立大(6位)
今週末唯一のトップテンチーム同士の対戦となるこのゲーム。Big Tenカンファレンスの行く末を占うだけでなくプレーオフ進出に関しても大変重要な試合となります。簡単に言えば負けた方がどちらのレースからも脱落するという事です。
ネブラスカ大は先週ウィスコンシン大と対戦し、負けはしたものの予想以上に善戦しました。QBトミー・アームストロング(Tommy Armstrong)がもっと冴えていれば結果も変わっていたことでしょう。オハイオ州立大戦でもおそらく彼のプレーが勝敗を分けることになると思われます。今シーズントータル16つのターンオーバーを奪っているオハイオ州立大ディフェンスがアームストロングに襲いかかる事を考えれば、ネブラスカ大が大量得点出来るとは考えられません。
しかしネブラスカ大のディフェンスも甘く見ては痛い目にあいます。ウィスコンシン大では相手OL陣を幾度となく切り崩し大量失点を防ぎました。オハイオ州立大と同じく今季16つのターンオーバーを記録しているネブラスカ大守備陣にオハイオ州立大QBのJ.T.バレット(J.T. Barrett)がどう立ち向かうか見ものです。
ワシントン大(5位)vs カリフォルニア大
ワシントン大がCPFランキングでトップ4に入るにはまずこの試合でカリフォルニア大にいい形で勝利しておきたいところ。しかし彼らに足元を救われるようなことがあればワシントン大のドリームシーズンはそこで少量ということになります。
ペンシルバニア州立大(12位)vs アイオワ大
2週間前までランクすらされていなかったペンシルバニア州立大はオハイオ州立大からまさかの金星を奪うと久し振りにトップ25入りを果たします。そして先週パデュー大に大勝すると最新のCFPランキングではなんと12位にランクされました。アイオワ大に勝つことができれば5連勝となり、いよいよ2009年以来の二桁勝利シーズンが現実味を帯びてきます。
フロリダ大(11位)vs アーカンソー大
これまであまり話題に登場する機会がなかったフロリダ大ですが、1敗を守り勝ち進んできた彼らはCFPランキングで11位にランクイン。一時は彼らの唯一の敗戦チームであるテネシー大がSEC東地区を手中に入れていたと思われましたが、そのテネシー大は急降下。代わってフロリダ大が東地区をリードしています。このまま行けばSECチャンピオンシップ出場は確実なものとなるでしょうが、プレーオフ進出にはそれだけでなく上位チームが転げ落ちてくることが必要です。そのチャンスを活かすためにもまずは彼らは自分たちに残された試合をしっかりとこなしていくことです。ランクはされていなくてもアーカンソー大は強豪です。フロリダ大が再び東地区を制覇することができるでしょうか?
ベイラー大(17位) vs テキサスクリスチャン大
先週まで無敗だったもののテキサス大にまさかの敗戦を喫しランクを落としたベイラー大。Big 12カンファレンス自体が不調の中、上を目指す上でもう一戦も負けることはできません。
ウィスコンシン大(8位)vs ノースウエスタン大
2敗のウィスコンシン大がプレーオフを目指すのはたやすくはありませんが、Big Tenカンファレンスのタイトル取りの夢はまだ潰えてはいません。それには今後どの試合も落とすことは許されません。ノースウエスタン大は4勝4敗とはいえ力はあるチーム。油断せずにウィスコンシン大がこの試合勝利を収めることができるでしょうか?