アメリカではスポーツのシーズンが明確に分かれているせいもあり、若いうちから複数のスポーツをプレーする傾向にあります。しかし大学に入る頃にはスポーツを一つに絞るものですが、稀に大学でもスポーツを掛け持ちする選手が出てきます。そんなマルチタレントな選手のニュースです。
ノートルダム大WRトーリ・ハンター・ジュニア(Torii Hunter Jr.)がMLBのロサンゼルスエンジェルスから23巡目にドラフトされ、正式に入団のサインをしたそうです。しかしこれでハンターがノートルダム大フットボール部を去ると言う訳ではないようです。
ノートルダム大WRトーリ・ハンター・ジュニア
5度オールスターに選ばれ、9度もゴールドグラブ賞を受賞したことのあるトーリ・ハンター・シニアを父に持つハンター・ジュニアですが、フットボール以外にもノートルダム大で野球部の一員としてプレー。2014年と2015年に外野手としてプレーしたことのあるハンター・ジュニアは今回エンジェルスと契約したことによりノートルダム大野球部でプレーすることは出来なくなりました。
しかし、NCAAのルールでは同じスポーツでなければプロ契約しても他のスポーツでアマチュアとしてプレー出来ると制定していますので、ノートルダム大で引き続きフットボールをプレーすることは許されることになります。夏の間マイナーリーグで野球をプレーし、秋にフットボール部に復帰すると言うことが可能になる訳です。
ただ、契約にサインしたとはいえ、今のところハンター・ジュニアの当面の目標はフットボールをプレーすることのようです。彼の母親、カトリナさんは地元新聞紙、サウスベンドトリビューン紙にハンター・ジュニアは夏のマイナーリーグには参加しないと述べています。夏の間も授業をとり続ければ12月には学位を取得して卒業出来るペースだそうで、今はそれに向かってハンター・ジュニアも頑張っているとヘッドコーチ、ブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督も言っているようです。
ノートルダム大ではこれまで3TDを含む438レシービングヤードを記録。脳震とうの後遺症のためフットボールを断念したWRコーリー・ロビンソンが抜けた為、ハンター・ジュニアが今のところチームで一番手のWRということになります。ちなみにハンター・ジュニアにはあと2年間のプレー資格が残されています。
「来シーズン終了後に(ハンター・ジュニアが)チームに残留するかどうかは、彼がどれだけWRとして活躍出来るかにかかっているでしょう。もし彼が素晴らしいシーズンを送ることが出来たとしたら、フットボール部に残るか、それともプロ野球の道に進むか、難しい決断を迫られることになるかもしれませんね。」とケリー監督は話しました。
ノートルダム大には以前NFLでも十分活躍出来るほどのWRだったにもかかわらず、MLB入りを選択したジェフ・サマージャ(Jeff Samardzija;2004-2006)という選手がいました。私も大好きな選手でしたが、彼はシカゴカブスにドラフトされそのままメジャーリーグで活躍。現在はサンフランシスコジャイアンツに所属しています。ハンター・ジュニアもサマージャの足跡を辿ることになるのでしょうか。