全米1位の座を開幕時から確保しているアラバマ大。その強さはもうここでとやかく言う必要はないと思います。チームを指揮するニック・セイバン(Nick Saban)監督の手腕が確かなのは当然ですが、彼の誰も考えつかなかったようなことを思いつくアイデアマンでもあります。最近では卒業生を練習に招いて彼らをスカウトチームに使うとうことをしたことが話題になりましたが、これに関してとやかくいう声が高まっていました。そしてとうとうこの批判の声に耐えかねたセイバン監督の堪忍袋の緒が切れたのです。
先月アラバマ大フットボール部は卒業生であるトレント・リチャードソン(Trent Richardson)やブレイク・シムス(Blake Sims)をスカウトチームの一員として参加させて1軍ディフェンスの練習相手をしたことが明らかになりました。NCAAのルールによると卒業生はチームの練習に継続的でなければ参加して良いとされています。これに基づいてセイバン監督は上記の選手たちを招待したわけですが、これに物申すコーチたちが相次いで出てきました。
その中でもはっきりと疑問の声を上げたのがノートルダム大のブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督です。彼は「明らかにおかしい。カレッジフットボールの世界で行われていいことであるはずがない。」とセイバン監督の手法に疑問を呈しました。
ケリー監督のこの発言がセイバン監督に火をつけたのかどうかは定かではありませんが、ケリー監督の発言の数日後セイバン監督は彼が出演するラジオ番組で以下のように述べていました。
「今になって我々がやっていることに皆が文句をつけルールを変えろと行っている。我々は何もルール違反なことをしているわけではない。もし彼らがルールを変えたいというならば変えればいいことだ。もしルールが変わりそれが全員に等しく影響することならば私はそれに関してなんとも思わない。ただただ願うのは我々のすることにいちいち文句をいうのを止めてもらいたいということです。我々はルールの範囲内で許されていることをしているだけなのです。だったら他のチームも同じことをすればいい。こんなことを事あるごとに何度も何度も私は聞き続けているのです。」
ただ皮肉なのはこの夏に話題を独占したサテライトキャンプ、ミシガン大のジム・ハーボー(Jim Harbaugh)がルールの定める範囲内でアグレッシブに行ってきたことですが、これには賛否両論となったのは記憶に新しいですがハーボー監督がルールに則ってそれを最大限に活かした手法でサテライトキャンプを行ったことに真っ向から反対していたのが何を隠そうセイバン監督だったのです。