2015年12月に悪性リンパ腫の一種であるホジキンリンパ腫という癌に侵されていると公表した、ピッツバーグ大のスターRBジェームス・コナー(James Conner)。今回この病魔を完全に根治しフィールドに帰ってこれることになりました。
ピッツバーグ大RBジェームス・コナー
2014年には1765ランヤードに26TDを稼ぎ出し、オールアメリカン(ファーストチーム)、ACCのMVPに輝くなどチームの主軸として活躍したコナー。しかし昨年の11月に腫瘍が発見され、12月4日にこの事実を公表。以来抗がん剤による化学療法を12ラウンド行い、結果今年5月に癌を根治したと発表しました。
ピッツバーグ大のヘッドコーチ、パット・ナドゥージ(Pat Narduzzi)監督は8月8日から始まるプレシーズンキャンプにコナーが参加することにゴーサインを出しました。今の所ナドゥージ監督はコナーにプレー上の制限をかけるつもりはないと言っています。が、コナー自身が張り切り過ぎるのではないかと心配している模様。
「ジェームス自身はとにかくプレーしたくて仕方がなく、やりすぎる可能性は十分あるのでそこは我々が制止しなければならないでしょう。頑張りすぎて疲れてしまわないようにね。コーチ陣もそこはしっかりと見極めていかなければいけません。2部練習(ツーアデー(Two-a-day=午前午後1回ずつ練習がある日のこと)も彼には参加させますが、毎プレー彼にボールをスナップさせることはしません。」とナドゥージ監督は話しています。
コナーがこれまで経験してきたことを考えれば、こうしてフィールドに帰ってこれるというのは感無量でしょうし、それを迎え入れるチームメートたちも彼の復帰を大歓迎するはずです。チームの一体感や絆はさらに高まることでしょうね。
もちろんコナー自身も病を克服してチームに合流できることに興奮を隠しきれないでいますが、だからと言って今シーズンのピッツバーグ大のストーリーを「コナー復帰」だけで終わらせたくないと言っています。開幕戦となるFCSチームのビラノバ大との一戦で自分だけに焦点が当たることを特に危惧しています。
「この開幕戦は『ジェームス・コナー対ビラノバ大』というゲームではないのです。私はチームメートと共にチームの一員としてこの開幕戦を迎えるつもりです。もちろん試合当日を心待ちにしているのは当然のことです。試合前の食事、スタジアムへのバスでの移動、そしてフィールドに入場する時、全ての瞬間を心待ちにしています。そして何よりも今期最初の「スティフアーム(Stiff-arm=RBがディフェンダーを交わす時に使うテクニック。ハイズマントロフィーのポーズですね)」をするのが待ちきれないです。」と現在の気持ちを表現しています。
ただ、彼が望む望まないにしろ、癌を克服して見事フィールドに帰ってくるコナーのストーリーは今期開幕戦の週の大きなトピックとなるでしょうから、彼に対するメディアの目をかいくぐることは難しいでしょうね。それだけ全米中の心を打つストーリーだということです。