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Army vs Navy!!!【2023年度第15週目レビュー】

Army vs Navy!!!【2023年度第15週目レビュー】

カレッジフットボール界を代表するライバリーであるこの「陸軍士官学校(アーミー)vs海軍士官学校(ネイビー)」。レギュラーシーズンにおける本当の意味での最終戦となったこの試合は中立地であるジレットスタジアム(ニューイングランドペイトリオッツの本拠地)で行われました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

直接対決の総合戦績は62勝54敗分けで海軍士官学校がリード。2018年から陸軍士官学校が3連勝していたところ、2021年海軍士官学校が勝利して連敗記録を止めましたが、昨年陸軍士官学校が再び白星。今年はここまで両チームとも5勝6敗と決して両チームとも満足のいくシーズンを送っているとは言えませんが、この全米を代表するライバリー戦に勝つだけでそのシーズンを気持ちよく終えられるというもの。お互いのプライドを賭けた戦いが繰り広げられました。

試合会場には陸海両士官学校生が制服に身を包んでスタンドを埋めるという壮大な光景。キックオフ前には戦闘機や軍用ヘリコプターがスタジアム直上を飛び交うなどこの伝統の一戦に華を添えました。

試合の方はお互いがトリプルオプションを含むランヘビーオフェンスな為スローな展開。海軍士官学校の先攻で始まった試合ですが、お互いが無得点で終わった次の海軍士官学校の攻撃でQBゼヴィアー・アーライン(Xavier Arline)が相手陣内24ヤードまで攻め込むもパスINTを犯して好機を逸します。

このチャンスを逃すまいと陸軍士官学校は自陣35ヤードラインから12プレーを約7分半かけて進撃。途中4thダウンギャンブルも成功させながら海軍士官学校レッドゾーンへ攻め込むと、最後はあたふたしている海軍士官学校のディフェンスの一瞬の隙をつき、QBブライソン・デイリー(Bryson Daily)がタイソン・ライリー(Tyson Riley)へ素早くパスを繋いでTD。陸軍士官学校が先制点を奪います。

ただこの後両チームとも攻めあぐみ、特に海軍士官学校は1stダウンすら奪えない状況が続きます。が、前半最後のドライブで彼らはようやくこの日最初となるある程度形となったドライブを披露。10プレーかけて敵陣37ヤード地点まで辿り着くも、迎えた4thダウン&2ヤードをコンバートできず手ぶらで攻撃権を陸軍士官学校に与えてしまいます。

前半残り時間1分で攻撃権を得た陸軍士官学校は終了間際にFGを決めて10対0という予想通り超ロースコアでハーフタイムを迎えます。

後半に入ってもお互いの意地のぶつかり合いでなかなか点が取れませんが、第4Q残り12分45秒で海軍士官学校の37ヤードのFGが成功。彼らにとってこの日初得点でスコアは10対3となります。

さらに海軍士官学校は同点を目指すドライブを繰り出しますが、残り時間5分を切ったところで海軍士官学校の第2のQBタイ・ラヴァタイ(Tai Lavatai)から陸軍士官学校のカリブ・フォートナー(Kalib Fortner)がストリップサック。こぼれたボールをフォートナー自身がリカバーして相手エンドゾーンへ激走。44ヤードのリターンの末にTDを奪ってこの終盤に陸軍士官学校が17対3とリードを広げ、この時点で勝負あったかと誰もが思ったことでしょう。

しかし海軍士官学校のラヴァタイは自分が犯したミスを取り返すべく好プレーを連発。4連続でパスを成功させると最後は見事なパンプフェイクからのジェイデン・アンバーガー(Jayden Umbarger)へのパスTDが成功。ただ何故かここで海軍士官学校は2ポイントトライを決行。これが残念ながら失敗し、残り時間2分47秒で17対9と8点差に。

海軍士官学校はオンサイドキックを失敗しますが、陸軍士官学校の凡ミス(フォルススタート2連発)とタイムアウトを駆使して残り時間1分20秒でなんと最後の逆転のチャンスとなる攻撃権を奪い返します。

インフィールドでタックルされることは許されない海軍士官学校はラヴァタイの巧みなパスプレーで敵陣6ヤード地点まで急襲。さらに彼からFBアレックス・テツカ(Alex Tecza)へのパスがつながるもゴールラインは割れず、迎えた4thダウン&ゴール@2ヤードライン。タイムアウトは残されていないため、海軍士官学校は間髪入れずスナップしなければなりませんでしたが、スナップを受けたラヴァタイのQBスニークは空軍士官学校のゴールラインスタンドに阻まれて万事休す。

結局ビデオ判定に持ち込まれるもショートの判定は覆ず、陸軍士官学校のディフェンスがゴールラインを死守。最後に残り3秒でエンドゾーン側で攻撃権を得た彼らが自らセーフティーを選んで不測の事態に備え、ファイナルスコア17対11で陸軍士官学校が海軍士官学校の猛追を振り切りました。

この勝利で陸軍士官学校がが総司令官杯を獲得。またこの試合のトラディションでもある、負けた海軍士官学校ががまずスタンドの同志と共に校歌を合唱し、その次に勝った陸軍士官学校が校歌斉唱を行うという場面も見られました。

最終スタッツを見ると、追う展開となった海軍士官学校がパスに頼ったためにいつものアーミー・ネイビー戦よりもパスが多め(海士179ヤード、陸士54ヤード)となりましたが、やはり見どころはトリプルオプション。筆者が大好きだということもあったかもしれませが、CFP争いをしているような今時のチームとは比べ物にならない化石級のスタイルでぶつかり合うのが最高でした。

プレーオフやランキングなどとは完全無縁の世界ですが、これもまたカレッジフットボール特有の長年受け継がれてきたトラディションなのです。

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