いよいよ今季も残すところあと数週間となり、カンファレンスタイトルゲーム進出やCFP(カレッジフットボールプレーオフ)進出を目指すチームにとっては、ここで負ければ命取りという時期になってきました。
第12週目の週末にもそういった上を目指すチームの命運を占うマッチアップが多数行われましたので、ここではその中から主な試合を振り返っていきたいと思います。
#5 ジョージア大 35、#10 テキサス大 10
全米5位のジョージア大が同10位のテキサス大をホームに迎えた行われたメガマッチ。お互いの今季の命運を分けるとも言われたこの試合は予想外にもワンサイドゲームとなりました。
第1Qのテキサス大の攻撃では見事な13プレーでの進撃を見せ最後はFGを決めて彼らが先制。しかしジョージア大もすぐさま反撃に出て最後はQガナー・ストックトン(Gunner Stockton)からノア・トーマス(Noah Thomas)への17ヤードのTパスであっさりと逆転します。
Dawgs answer on a 17-yard strike 🔥
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第2Qに入るとさらにジョージア大がストックトンとトーマスとのホットラインからこの日2つ目のTを獲得し14対3とリードを広げます。テキサス大のオフェンスはチグハグで、このQ中盤ではエースQアーチ・マニング(Arch Manning)のパスがジョージア大DB KJ・ボールデン(K.J. Bolden)にインターセプトされるなどいいところが全くありませんでした。
Arch Manning tries a sidearm throw
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Picked by KJ Bolden
He’s just not that guy pic.twitter.com/EJoNVcULay
ただ後半に入るとテキサス大はLBアンソニー・ヒル・Jr(Anthony Hill Jr)がストックトンのパスをインターセプトして得た好機から、マニングからWRライアン・ウィンゴ(Ryan Wingo)への TDパスを生み出し、スコアを14対10と4点差までに縮めます。
WINGOOOOO 🎯 pic.twitter.com/874MPPgg97
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しかし第4Qにジョージア大が21得点連続スコアを決めて一気にテキサス大を突き放します。
まずは残り時間約14分半、ストックトンがフィールド中央でフリーになったロンドン・ハンフリーズ(London Humphreys)にパスを通して30ヤードのTDプレーを決めます。
Down the seam ➡️
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そしてここでジョージア大のカービー・スマート(Kirby Smart)監督は何と返しのキックオフで不意打ちのオンサイドキック。これを見事にジョージア大がリカバーし、ここから何とか巻き返しを図ろうとしていたテキサス大の戦意を砕きます。
GEORGIA RECOVERS THE ONSIDE KICK 😱 pic.twitter.com/dQCcAcRXdi
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このチャンスを無駄にしなかったジョージア大はストックトンがこの日4つ目のTDパスをTEローソン・ラッキー(Lawson Luckie)に決めてさらに点差を広げると、試合残り時間5分を切ったところでストックトンがダメ押しとなる4ヤードのTDランを自ら決めて35対10としテキサス大にトドメを刺したのでした。
Gunner with four through the air and one on the ground!
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ここまででお分かりの通り、この日のジョージア大オフェンスはストックトンの1人舞台。キャリアハイとなる5TDに絡む大活躍で、同じく注目されていたテキサス大のマニングとの明暗がはっきりと分かれました。このパフォーマンスだけでハイズマントロフィーレースの仲間入りを果たしたと言ってもいいほどです。
テキサス大は前半だけで7つの反則で43ヤードの罰退を犯すなど自らの首を絞めるような展開に終始。このことでディフェンスが常に不利なフィールドポジションでジョージア大を迎え撃たなければならない状況が多くなり後半は後手に回らざるを得なくなっていました。
ジョージア大のフィジカルなプレースタイルに圧倒されて敗れたテキサス大。この敗戦で彼らのCFP出場への希望は風前の灯になったと言えるでしょう
#11 オクラホマ大 23、 #4 アラバマ大 21
全米11位のオクラホマ大が全米4位のアラバマ大へ乗り込んだこの対戦、オクラホマ大の素晴らしいディフェンス力がホームのアラバマ大を大いに苦しめ、実に17点を相手からのターンオーバーから起点にして得点しアップセット。昨年に続き2年連続でアラバマ大を倒すという偉業を成し遂げました。
アラバマ大の最初のドライブをパントに強いたオクラホマ大はアイゼア・サテナ・III(Isaiah Sategna III)の絶好のパントリターンで有利なフィールドポジションを獲得。このチャンスをTDに繋げることはできませんでしたが、Kテイト・サンデル(Tate Sandell)のFGが決まり3点を先制。
そして3度目のアラバマ大のドライブ、QBタイ・シンプソン(Ty Simpson)のパスをインターセプトしたイーライ・ボウエン(Eli Bowen)が87ヤードのリターンからの「ピックシックス」。ミスの少ないシンプソンとしては非常に珍しい失投からの失点でオクラホマ大が序盤から10点差のリードを奪う幸先のいいスタートを切ります。
87-YARD PICK SIX‼️@EliBowen12 | 📺 ABC pic.twitter.com/vzVDocagWz
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不穏な雰囲気がよぎるアラバマ大陣営ですが、次の攻撃では落ち着きを取り戻し、12プレーのドライブののち、最後はダニエル・ヒル(Daniel Hill)のショートヤードランTDが決まってこの日初得点。スコアを10−7とします。
第2Qに入りアラバマ大ディフェンスがギアを上げオクラホマ大オフェンスを苦しめますが、今度はスペシャルチームでのミスで相手に好機を与えてしまいます。オクラホマ大のパントをリターンしたライアン・ウィリアムス(Ryan Williams)は得意のトリッキーな動きでカバーチームをかわしにかかりますが、ここで相手のタックルからボールをファンブル。これをオクラホマ大がリカバーしてアラバマ大陣内で絶好のチャンスを得ます。この機を逃さずQBジョン・マテアー(John Mateer)が自らの足で20ヤードのランTDを奪い、オクラホマ大が再びリードを広げます。
Is John Mateer back??
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アラバマ大もシンプソンからTEジョシュ・クウェヴァス(Josh Cuevas)への25ヤードのTDを決めますが、試合終了間際に得た36ヤードのFGを大きく右に外すというヘマを犯し、前半は17対14でオクラホマ大リードで折り返します。結果的にこのFG失敗がアラバマ大の命取りとなるのですが・・・。
後半に入るとオクラホマ大Kサンデルが52ヤードの長距離FGを見事に決めて点差を6点差としますが、アラバマ大はヒルのこの日2つ目のTDを決めて遂に逆転に成功。スコアを21対20とします。しかしアラバマ大のリードも短命に終わり、次のアラバマ大のドライブでオクラホマ大のテイラー・ウェイン(Taylor Wein)がシンプソンからストリップサック。そのファンブルをケンダル・ダニエルズ(Kendal Daniels)がリカバーしてオクラホマ大がこの日3つ目のテイクアウェイ。
BOOM 🗣️@TaylorWein x @KendalDaniels__ pic.twitter.com/UrnLNXVkb9
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このチャンスをTDに結びつけることはできませんでしたが、サンデルのこの日3つ目のFGが決まってオクラホマ大が23対21と再びリードを奪い返します。
後のないアラバマ大はファイナルドライブでもオクラホマ大ディフェンスに苦しめられ、迎えた4th&6ヤードという絶体絶命なシーンでシンプソンがウィリアムスに放ったパスは相手ディフェンスに阻まれ無情にもインコンプリート。オクラホマ大が敵地で全米4位チームを破るという大金星を手に入れたのでした。
スタッツ上ではオクラホマ大はアラバマ大にトータルヤードで大きく差をつけられ(アラバマ大406ヤード、オクラホマ大212ヤード)、その他の数字でも軒並みアラバマ大の方がオクラホマ大を大きくうわまりました。ただ差がついたのはターンオーバー。アラバマ大から3つのターンオーバー(INT1つ、ファンブルリカバー2つ)を奪い、それをそれぞれ得点に繋げられたのが勝因となりました。機をてらう、アグレッシブなブレント・ヴェナブルズ(Brent Venables)監督の守備陣が勝利を導いたのです。
またKサンデルも52ヤードのロングレンジFGを決めるなど3発3中で勝利に貢献。今話題のハワイ大K松澤寛政選手と年間最優秀K賞である「ルー・グロザ賞」を争う今季指折りのキッカーです。(フッパンをめちゃくちゃ短くしているKとしても有名ですね笑)
一方のアラバマ大ですが、この試合まで全米でもトップクラスのターンオーバーマージンを誇っていましたが、相手から1つも奪えず逆に3つも献上してしまうというらしくない失態を犯し、FGを外したという事実もありますが、敗因はターンオーバーに尽きると言えます。
またハイズマントロフィー候補と言われてきたシンプソンですが、痛いパスINTを犯すなど今季開幕戦で敗れたフロリダ州立大戦以来の不調。元々ランにあまり頼らないオフェンスなため、シンプソンの不調はそのままチームのオフェンスの不調につながることになり、アラバマ大はプレーオフレースでまだ生き残ってはいるものの、このオクラホマ大戦で彼らの脆弱性もあらわになった形になりました。
これでここまでホームゲーム連勝記録17連勝を誇っていたアラバマ大の記録も潰え、また昨年から同校を指揮しているケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督にとってもホーム初黒星となってしまいました。
#3 テキサスA&M大 33、サウスカロライナ大 30
全米3位のテキサスA&M大にとってこのサウスカロライナ大との対戦はハードルの高いマッチアップだとは思われていませんでした。しかし前半に圧倒的不利に立たされるという思わぬ展開に陥り、あわやホームで大番狂せかと思わされましたが・・・。
前半はテキサスA&M大の度重なるミスによりサウスカロライナ大が一気にリードを広げました。
第1Q、サウスカロライナ大QBラノリス・セラーズ(LaNorris Sellers)からヴァンドレヴィウス・ジェイコブス(Vandrevius Jacobs)への50ヤードのTDパスプレーなどで10対3とリードする展開を作ります。一方サウスカロライナ大のディフェンスがA&M大のOL陣にこれ以上ないプレッシャーをかけ続け、結果QBマーセル・リード(Marcel Reed)は2つのINTに1つのストリップサックからのロストファンブルと3つのターンオーバーを起こしてしまい、流れは完全にサウスカロライナ大に傾いていきます。
DYLAN STEWART FORCED FUMBLE ➡️ NICK BARRETT TD ✔️ pic.twitter.com/3KDGxtCwEj
— South Carolina Football (@GamecockFB) November 15, 2025
さらにセラーズはWRニック・ハーバー(Nyck Harbor)への80ヤードのビッグプレーでTDを奪い、第2Q終了直前にはFGまで決めてなんとこの時点で30対3という誰も想像だにしなかった大量リードをサウスカロライナ大が奪いハーフタイムに突入。この時点で誰もが全米3位のA&M大のアップセット敗戦を想像したことでしょう。
Just Harbor doing Harbor things 🤷♂️ pic.twitter.com/eb1Sg2WH0H
— South Carolina Football (@GamecockFB) November 15, 2025
ちなみにTDを奪ったハーバーはその勢いのままエンドゾーンを駆け抜け通路トンネルまで突っ切って行ったのですが、戻ってくる時にテキサスA&M大のトルーパー(州警察官)が意図的に肩をぶつけていちゃもんつけているシーンが映し出されました。後にこのトルーパーは仕事を解かれ家に返されたのだそうです(笑)。
Texas🤠
— police.law.news (@policelawnews) November 16, 2025
🚨A State Trooper has been "relieved" of his game-day duties🚨
•SC player Nyck Harbor scored a touchdown, was visibly in pain & went into the tunnel.
•Returning to the field, a TX State Trooper shoulder checked Harbor & Oscar Adaway.
*100% the Trooper’s fault. pic.twitter.com/6Ax48WU01M
前半を終えて27点差をつけられたホームのA&M大。しかしここから歴史的なカムバックが始まります。
まずはリードからアイゼア・ウィリアムス(Izaiah Williams)への27ヤードTDを決めて30対10に。さらに次のドライブでは4th&12ヤードという状況を迎えますが、リードのスクランブルでこれを凌ぎ、最終的にリードがアシュトン・べセル・ローマン(Ashton Bethel-Roman)に39ヤードのパスTDを成功させて30対17に。
点差が2ポゼ差になり、不安がよぎっていたホームの観客のボルテージが戻ってくると、第3Q終盤にはTEネイト・ボエカーチャー(Nate Boerkircher)への14ヤードのパスTDがエンドゾーンで決まりスコアが30対24と遂に1ポゼ差にまで縮まります。この間A&M大ディフェンスが完全にサウスカロライナ大オフェンスを封じ込め、このQだけで21対0と完全にモメンタムはA&M大に流れていきました。
27点差をつけられ絶望感が漂っていたホームには逆転のTDが今か今かと待たれる押せ押せの雰囲気に満ちていましたが、遂に第4Q残り時間約11分、自陣1ヤードラインからの攻撃ながらここから99ヤードの気迫のドライブを見せたA&M大、最後はEJ・スミス(EJ Smith)が敵陣1ヤードラインからエンドゾーンへ飛び込んで遂に大逆転。31対30で27点差あったスコアをひっくり返したのでした。
BRING ME TOOOO LIFEEEEEEEEEEEE pic.twitter.com/rZEKTugF1U
— Texas A&M Football (@AggieFootball) November 15, 2025
後のないサウスカロライナ大はなんとか再逆転を狙いたいところですが、完全にモメンタムが相手に移ってしまった状況を変えることはできず、最後のドライブではA&M大ディフェンスからセラーズが2回連続サックをくらってしまいます。そして迎えた4th&16ヤードという状況でセラーズはなんとかスクランブルでファーストダウンを得ようとしますが、それにはあえなく足りずA&M大のカムバック勝利が確定したのでした。
SECOND HALF SHUTOUT pic.twitter.com/Hyjuhfbb5R
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テキサスA&M大にとって27点差をひっくり返したというのは創部以来前例がなく史上初の偉業。またSEC戦で言っても27点差からカムバックしたチームは2004年以来皆無だったため、21年ぶりの快挙を成し遂げたことになります。
これで彼らは10勝0敗となりましたが、これは1992年以来初。またSEC戦績では7勝0敗となり、これはチーム史上初。危うい展開を迎えはしましたが、奇跡的な逆転劇を演じて未だ無敗のA&M大。しかも同日にマイク・エルコ(Mike Elko)監督が大学と契約延長も結んでおり、いいところづくしの土曜日となったのでした。
The Head Coach of your Fightin' Texas Aggies is here to stay 👍
— Texas A&M Football (@AggieFootball) November 15, 2025
How's that sound @12thMan? pic.twitter.com/P0OdYo5UbF
一方、歴史的な逆転劇をお膳立てしてしまったサウスカロライナ大。後半はオフェンスが完封され、ディフェンスと共に後半は全く別のチームに成り下がってしまいました。これでチームは7敗目となりボウルゲーム出場資格獲得が不可能に。戦力の割に結果がついてこないフラストレーションの溜まるシーズンとなっています。
その他の主な試合結果
#1 オハイオ州立大 48、UCLA 10
全米1位のオハイオ州立大はUCLAを48対10という圧倒的な差で下し今季の戦績を10勝0敗に伸ばしました。この日のオハイオ州立大は1年生RBボ・ジャクソン(Bo Jackson、「あの」ボ・ジャクソンと同姓同名!)と同じく1年生RBアイゼア・ウェスト(Isaiah West)、さらには2つのランTDを獲得した2年生RBジェームズ・ピープルズ(James Peoples)らの活躍によって、222ラッシングヤードを稼ぎフィジカル面でも圧倒。シーズン序盤には疑問視されていたオハイオ州立大のグラウンドアタックがこの日台頭したことで、彼らがよりバランスの取れた優勝を争うチームであることを証明しました。
#2 インディアナ大 31、ウィスコンシン大 7
全米2位のインディアナ大はホームでウィスコンシン大を31対7で破り、チーム創部史上初めての11勝0敗という歴史的な金字塔を打ち立てました。彼らは前半を10対7のリードで終えるなど序盤は苦戦しましたが、カート・シグネッティ(Curt Cignetti)監督率いるコーチ陣によるハーフタイムでのアジャストが功を奏し、後半は21対0と圧倒的な強さを見せました。特にQBのフェルナンド・メンドーサ(Fernando Mendoza)は24投中22投を成功させ、299ヤード、4タッチダウンという非常に能率の高いパフォーマンスを披露。すでにフロントランナーと言われるハイズマントロフィーレースにて更なる足固となりました。加えてインディアナ大の守備はエリート級の活躍を見せ、後半全体で相手にわずか23トータルヤードと1回のファーストダウンしか許さず、2つのターンオーバーを誘発。全米2位らしい勝ち方で無敗を守りました。
#6 テキサス工科大 48、セントラルフロリダ大 9
全米6位のテキサス工科大はセントラルフロリダ大をホームで48対9と一蹴。シーズン成績を10勝1敗に伸ばしましたが、これは2008年以来となる二桁勝利という歴史的な節目であり、Big 12カンファレンスのチャンピオンシップゲーム出場へさらに近づく結果となりました。RBレジー・ヴァージル(Reggie Virgil)とキャメロン・ディッキー(Cameron Dickey)がそれぞれ2回のタッチダウンを足で決めるなど、合計5回のラッシングタッチダウンを含め、205ラッシングヤードを稼ぎ出す圧倒的なランオフェンスが炸裂。守備側でもその強さが際立ち、LBジェイコブ・ロドリゲス(Jacob Rodriguez)はラッシングタッチダウンを決めただけでなく、シーズン4個目のインターセプトも記録。話題性のある選手です。
#7 ミシシッピ大 34、フロリダ大 24
全米6位のミシシッピ大はフロリダ大と対戦。思わぬ苦戦を強いられ接戦に持ち込まれましたが、なんとか34対24で逆転勝利。シーズン成績を10勝1敗に伸ばしました。格下と見られていたフロリダ大は善戦し、QB DJ・ラグウェイ(DJ Lagway)のビッグプレーなどで前半を24対20とリードして折り返しましたが、後半が勝負の分かれ目となりました。ミシシッピ大のディフェンスは後半にフロリダ大をシャットアウトし、オフェンスは合計538トータルヤードを獲得しつつ着実に点差を広げます。この逆転勝利の立役者は、RBキーワン・レイシー(Kewan Lacy)。彼はキャリアハイとなる224ヤードを走り、3つのTDを決めて同校のシングルシーズンランTD記録を更新する活躍を見せました。
ちなみにこの試合は、ミシシッピ大のレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督が次期フロリダ大の監督に就く可能性があるという根強い噂の中で行われましたが、試合中にはミシシッピ大のファンたちの「We Want Lane!!」という大合唱が沸き起こっていたのが印象的でした。
Louis Riddick: "What are [the Ole Miss fans] chanting down there?"
— Awful Announcing (@awfulannouncing) November 16, 2025
Bob Wischusen: "I think it's a 'We want Lane' chant. We know they want Lane (Kiffin). So does Florida." 🏈 🎙️ #CFB pic.twitter.com/eN1TIz0ytH
#9 ノートルダム大 37、#22 ピッツバーグ大 15
全米9位のノートルダム大は、アウェイで行われた全米22位のピッツバーグ大との対戦で37対15と圧勝し、8連勝を飾ってCFP出場への希望を繋ぎました。ノートルダム大がピッツバーグ大の強力なランディフェンスに対して効果的にランでアタックできたことが決定的な勝因に。特にエースRBジェレマイア・ラブ(Jeremiyah Love)はハイズマン級の活躍を見せ、試合序盤に見せた56ヤードのロングTDランを含むトータル147ヤードを足で稼ぐ激走を披露。またディフェンス陣はピッツバーグ大をオフェンス219ヤードに抑え込み(今季最少)、さらに驚異的だったのは3rdダウンコンバージョンを13回中0回に封じ込めました。DBテイ・ジョンソン(Tae Johnson)による48ヤードのピックシックスも相まって、ピッツバーグ大オフェンス仕事をさせてもらえませんでした。
この勝利によりノートルダム大はレギュラーシーズンの終盤に向けてCFP出場チーム選択の議論の中で確固たる地位を得ることになるでしょう。
全米12位のブリガムヤング大(BYU)は同じBig 12カンファレンス所属のテキサスクリスチャン大(TCU)と対戦。これを44対13と大差をつけて勝利を収め、同カード対戦戦績での連敗記録を5で止めました。1年生QBのベアー・バッハマイヤー(Bear Bachmeier)がオフェンスを牽引し、パスで296ヤードと1TD、ランで59ヤードと1TDを記録しました。BYUのオフェンスは非常に無駄がなく効率的で、最初の7回のドライブ全てにおいて得点し、ポゼッション時間でも大きくTCUをリード。ディフェンスでも CBタナー・ウォール(Tanner Wall)によるピックシックスも記録。CFP出場への僅かな望みを繋ぎました。
#13 ユタ大 55、ベイラー大 28
全米13位のユタ大とベイラー大との試合はハイスコアな展開になりましたが、ユタ大が55対28という決定的な勝利を収め、今季の成績を8勝2敗としました。この日のユタ大はランオフェンスが爆発。ランだけでなんと合計380ヤードを稼ぎ出し、1キャリーあたり平均8.8ヤードという驚異的な数字を記録。特に途中出場した1年生QBバード・フィックリン(Byrd Ficklin)は、67ヤードと74ヤードのタッチダウンランを含む166ラッシングヤードでチームの士気を大きくあげるのに貢献。一方、ベイラー大のQBソイヤー・ロバートソン(Sawyer Robertson)は430ヤードを投げたものの、65ヤードのピックシックスを含む2つの決定的なインターセプトにより自滅。ユタ大にとってこの勝利はBig 12カンファレンスタイトルゲームへの出場への道を維持する上で非常に重要となります。
#15 マイアミ大 41、ノースカロライナ州立大 7
全米16位のマイアミ大は、マリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督が「最もパーフェクトだった試合」と評したほどのパフォーマンスを披露し、ノースカロライナ州立大に対して41対7という圧倒的な勝利を収めました。QBカーソン・ベック(Carson Beck)はこの日非常に冴え、291ヤードのパスに3つのTDを記録。さらに、1年生RBのジラード・プリングル・Jr(Girard Pringle Jr)が初の先発出場ながら116ラッシングヤードを記録し鮮烈デビュー。
またマイアミ大ディフェンスはノースカロライナ州立大のオフェンスをシーズン最少の合計149ヤードに抑え、特にランではわずか29ヤードしか許さないという鉄壁さを披露。また早い段階で2つのインターセプトを誘発し、そのうちの1つはジャコビ・トーマスが(Jakobe Thomas)リターンTDを決めています。この勝利により、マイアミ大はレギュラーシーズン終盤でCFP出場への望みをつなぎました。
#16 ジョージア工科大 36、ボストンカレッジ 34
全米16位のジョージア工科大はここまで未だ1勝しか挙げていないボストンカレッジと対戦。これを軽々といなすと思われていましたが、予想以上に大苦戦。第4Qでの11点差の劣勢を覆し結果36対34と競り勝ちアップセットを逃れました。QBヘインズ・キング(Haynes King)は合計424ヤードのオフェンスヤードを記録するなどし、逆転勝利につながる重要な最終ドライブを牽引しました。ヒーローとなったのはKエイダン・バー(Aidan Bir)。試合時間残り11秒で決勝点となる23ヤードのFGを成功させからくも逆転を果たしたのでした。
内容は決して褒められたものではなく、試合後のインタビューでブレント・キー(Brent Key)監督はチームの不甲斐なさに憤慨していましたが、劣勢に立たされた場面から粘り強さを見せて接戦をものにすしたという事実は多少の収穫材料と言えるかもしれません。混戦続きのACC(アトランティックコースとカンファレンス)において、そのチャンピオンシップ出場権獲得まであと1勝に迫っています。
#17 サザンカリフォルニア大 26、#21 アイオワ大
全米17位のサザンカリフォルニア大(USC)は、雨天となったLAコロシアムに21位のアイオワ大を迎えましたが、アイオワ大が「フィリー・スペシャル」のトリックプレーによるTDや、QBマーク・グロノウスキー(Mark Gronowski)のランとパスによる得点などで、ハーフタイム時点で21対10とUSCがアイオワ大にリードを許すという厳しい展開に。ただUSCは後半から粘り腰を見せ、USCのディフェンスはアイオワ大を完全にシャットアウト。後半はわずか108トータルヤードしか許しませんでした。その間目を覚ましたUSCのオフェンスによる反撃で19点の連続得点を完遂。ブライアン・ジャクソン(Bryan Jackson)による勝ち越しのタッチダウンランや、WRマカイ・レモン(Makai Lemon)による153レシービングヤードの活躍で逆転勝利を手繰り寄せました。
(更新終わり)






