2022年度第8週目レビュー

2022年度第8週目レビュー

第8週目もランクチーム同士の戦いが5つも組まれており、各地で激戦が繰り広げら得ました。シーズンもいよいよ第3コーナーに差し掛かってきた頃。トップチームは負けられない試合が続きますが今回はその第8週目に行われた主な試合を振り返ります。

#10 オレゴン大 45、#9 UCLA 30

雨が降りしきる中で行われた、このPac-12カンファレンス決戦は激戦が期待されましたが、ホームのオレゴン大が常に試合の流れを掌握する展開でUCLAをリード。点差は2スコア差ですがそれ以上の内容でUCLAを撃破。オレゴン大はこれで6連勝目。一方のUCLAは今季初黒星を喫しました。

オレゴン大は試合開始後のドライブから第4Qの7度目のドライブまで全て得点に結びつけるという脅威的なオフェンス力を見せ(FG1つにTD6つ)、しかも第2Qには意表をつくオンサイドキックもやってのけるなど押せ押せムード満開。相手に一度もリードを奪われることなく力の差を見せつけました。

この日光っていたのはQBボ・ニックス(Bo Nix)。283パスヤードに5TD、ランでも51ヤードを稼ぐ活躍。パスの精度も光っており、特に彼のプレーアクションパスは「Thing of Beauty」と言いたくなるほど効果絶大。元々超強力なディフェンスをUCLAが持っていたわけではありませんが、ここまで全てが上手くいくか、と思わせるくらいオレゴン大オフェンスはアンストッパブルでした。

またオレゴン大のDL陣の圧倒さも目を引きました。UCLAのQBドリアン・トンプソン・ロビンソン(Dorian Thompson-Robinson)は今季ここまで覚醒した能力でチームのオフェンスを率いてきましたが、この日はUCLAのOL陣がオレゴン大のDL陣のラッシュに大苦戦。トンプソン・ロビンソンがプレッシャーを受け続け思うようなプレーをやらせてもらえませんでした。

UCLAのRBザック・シャーボネット(Zach Charbonnet)は151ヤードに1TD、1キャリー平均が7.6ヤードと気を吐いていましたが、結局45点を稼いだオレゴン大との点取合戦に立ち向かうだけの得点力を見出すことは叶いませんでした。

これでPac-12カンファレンスからは総合戦績において無敗チームが消えてしまいましたが、それ以上にカンファレンスタイトル争いが熾烈になっていきます。そのカンファレンスレコードで唯一の無敗チームとなったのがこのオレゴン大。それをUCLA、サザンカリフォルニア大、ユタ大が1敗で追う展開。

オレゴン大はUCLAとの直接対決を制し、サザンカリフォルニア大との試合が組まれていないため、ユタ大との試合を残しているとは言え、優勝決定戦進出に向けて貴重な白星を得たということになります。


#8 テキサスクリスチャン大 38、#17 カンザス州立大 28

Big 12カンファレンスで首位を争う大一番となったこのテキサスクリスチャン大(TCU)とカンザス州立大の一戦は激戦となりました。。

注目はTCUのマックス・ドゥガン(Max Duggan)とカンザス州立大のエイドリアン・マルチネス(Adrian Martinez)という2人のQB対決でしたが、前半早々にマルチネスが怪我で負傷退場。カンザス州立大オフェンスの要とも言える彼の退場で彼らにいきなり暗雲が立ち込めます。

ただマルチネスのバックアップとして甘んじていたウィル・ホワード(Will Howard)が予想外の活躍。2つのパスTDと1つのランTD、さらにはRBデュース・ヴォーン(Deuce Vaughn)の47ヤードランTDも決まって一時は28対10とカンザス州立大が大きくリードを広げます。

しかしここまで6戦無敗のTCUは諦めません。不屈のQBと言われるドゥガンが前半終了間際にパスでTDを奪ってスコアを28対17とすると後半はTCUが完全に試合の流れを自分達に引き寄せRBケンドル・ミラー(Kendre Miller)の2つのTDランとドゥガンから最近目覚ましい活躍を見せるWRクエンティン・ジョンストン(Quentin Johnston)への55ヤードのロングボムを決めて一気に38対28と逆転そして点差を突き放して見事にTCUが勝利。連勝記録を7に伸ばしました。

カンザス州立大は途中まで勝ち戦の勢いをそのままに点差を広げましたが、ホワードが怪我で一時的にベンチに下がった際に登場したQBジェイク・ルブリー(Jake Rubley)がいきなりパスINTを犯したり、FGを2つもミスしたりと追加点のチャンスを自ら潰すという不運。またエースのマルチネスが負傷退場というのも響きました。

Big 12カンファレンス内では唯一の無敗チームとなったTCU。ここまでの流れを振り返ると4戦目のオクラホマ大戦ではディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)、5戦目のカンザス大戦ではジェイロン・ダニエルズ(Jalon Daniels)、6戦目のオクラホマ州立大戦ではスペンサー・サンダース(Spenser Sanders)、そしてこのカンザス州立大戦ではマルチネスと、相手QBが怪我で負傷退場、欠場、並びに怪我で完調ではないという「強運」にも恵まれ続けていますが、彼らのオフェンスは今季トップクラス。

Big 12カンファレンスレースで大きくリードするTCUの今後の動向に注目です。

#5 クレムソン大 27、#14 シラキュース大 21

クレムソン大およびシラキュース大もこの試合まで完全無敗。お互いがランクされACC(アトランティックコーストカンファレンス)の大西洋地区の命運を占うと言ってもいい対決。まさかそんな試合にシラキュース大が絡んでくるとは開幕前には夢にも思いませんでしたが、常勝クレムソン大に対し彼らは互角以上の試合を繰り広げました。

試合の方はクレムソン大がRBウィル・シップリー(Will Shipley)のランTDで先制しますが、そこからシラキュース大が立て続けに3連続TDを決めて一気に21対7とリードを広げます。そのうちの1つはクレムソン大がレッドゾーンに突入するもQB D.J.ウイアンガラレイ(D.J. Uiagalelei)がファンブルしたボールをシラキュース大が拾い上げてリターンTDというプレーでした。

さらに第3Qには頼みの綱のシップリーがファンブルして相手にボールを渡すなどクレムソン大の悪いところばかりが出る始末。おまけにウイアンガラレイが第3Q終盤にこの日2つ目となるパスINTを犯していよいよホームだというのにスタジアムは敗戦の臭いが漂い始めます。

そしてここでダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督は大鉈を振るう決断としてウイアンガラレイをベンチに下げてバックアップのケイド・クルブニック(Cade Klubnik)を投入。この期待に応える形でクルブニックはこの日ようやくまともなドライブを演出して第4Q序盤にTDを決めて21対16と点差を1スコア差まで縮めます。

そして次のクレムソン大のドライブでシップリーが50ヤードの激走TDランを見せてついに24対21で逆転。そして後半にギアを入れ替えたクレムソン大ディフェンスはシラキュース大オフェンスを後半無得点に抑え、彼らの最後の望みのドライブでもQBギャレット・シュレイダー(Garrett Shrader)からINTパスを引き出しなんとか逆転で勝利しホームでのアップセットを間逃れました。

試合終了後にはファンたちがフィールドに雪崩れ込んできましたが、お世辞にもいい試合とは言えず、しかも相手が超強敵とは言えないシラキュース大だったのにそれに勝ったことでここまでのことをするか、とちょっとこの行動は解せないと思ってしまいました。王者たるものどっしり構えていて欲しいというか・・・。

これでホーム連勝記録を38に更新したクレムソン大ですが、エースQBウイアンガラレイは以前の悪い癖が出てあわよくばシラキュース大に金星を贈るところでした。ただスウィニー監督はベンチに下げたとはいえウイアンガラレイがチームのQB1であることに変わりはないと断言。しかしそれであるならば彼にはエリートQBらしく安定したプレーを見せてもらいたいものです。

一方のシラキュース大はクレムソン大という非常にやりづらいアウェーで善戦。ここまでの戦いぶりがフェイクではなかったことが明らかになりました。ただ唯一疑問だったのはエースRBショーン・タッカー(Sean Tucker)がたったの5回しかキャリーさせてもらえなかったこと。ディノ・バーバーズ(Dino Babers)監督はクレムソン大相手に地上戦力では太刀打ちできないと思ったからと述べていましたが、せめてもう少し彼に託してもよかったのでは・・・と思ってしまいました。

# 11 オクラホマ州立大 41、#20 テキサス大 34

こちらのBig 12カンファレンス戦もタイトル争いを占う上で重要なマッチアップでしたが、これを制したのは全米11位のオクラホマ州立大でした。

試合の方はテキサス大が前半主導権を握る展開。エースRBビジャン・ロビンソン(Bijian Robinson)の42ヤードのTDランでテキサス大がリードを奪うとその後もQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)の2つのTD、さらにはFGとローション・ジョンソン(Roschon Johnson)の52ヤードのランTDなどで一時は31対17と大きくリードを奪います。

オクラホマ州立大はQBスペンサー・サンダース(Spencer Sanders)が手負いで100パーセントには程遠く、前半は得点になかなか貢献できませんでしたが、34対27と1TD差にまで迫った第4Q約10分に同点となるパスTDを決めると、残り時間約3分では遂に逆転となるブライソン・グリーン(Bryson Green)への41ヤードTDパスを決めて遂に逆転。

なんとか同点に追いつきたいテキサス大は自陣21ヤード地点からの攻撃となりますが、ユワーズのパスがインターセプトされてしまいます。しかしこれをディフェンスが凌ぎ、残り1分で再び攻撃権が回ってきます。しかしながら残り8秒という絶体絶命のシーンでユワーズが再びINTパスを犯し万事休す。テキサス大は14点のリードを守れず金星を逃してしまいました。

オクラホマ州立大はこれで6勝1敗。ホームでのアップセットをなんとか間逃れて虎の子の1敗を守りました。テキサス大のもたつきに助けられた面も大きいですが、Big 12カンファレンスレースの優勝戦線で何とか生き延びました。

一方のテキサス大は入りの激しいオフェンス。2試合前のオクラホマ大戦で見せたオフェンスが嘘のような出来。特にユワーズの不調はめざましく、この日は49回投げて成功させたパスがたったの19回。2TDに3INTと振るわず、WR陣がキャッチすべきボールを落球させたという事実もありましたが、そもそもターゲットから大きく外れたり、プレッシャーから逃げるためにフィールド外にボールを投げるシーンが多く見られました。

当然ユワーズの持てる才能は疑う余地もないのですが、コンスタントにそれを発揮できないのがオハイオ州立大のC.J.ストラウド(C.J. Stroud)やアラバマ大のブライス・ヤング(Bryce Young)、サザンカリフォルニア大のケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)らと一線を画す現実なのかな、と感じてしまいました。まだまだ若いですからこれからだとは思いますけれどね。

#6 アラバマ大 30、#24 ミシシッピ州立大 6

第7週目に行われたテネシー大との大一番で惜敗したアラバマ大。今季初黒星を喫したばかりか、ライバルであるテネシー大に16年ぶりの同カードでの初白星を献上してしまったことで、アラバマ大は彼らにとっては稀となるレギュラーシーズン中の敗戦を経験しました。

このミシシッピ州立大戦ではそんな流れをどう断ち切るかに注目が集まりましたが、この日はテネシー大戦で犯したワースト記録となる17つのペナルティーという汚点を挽回するかのように反則はたったの3つ(20ヤードの罰退)とクリーンなフットボールを展開。終始ミシシッピ州立大を圧倒する試合内容で30対6で勝利。前週の敗戦を引きずることなく7勝目を挙げました。

QBブライス・ヤングは249ヤードに2TDと決して目から鱗が出るような数字ではありませんでしたし、RBジャミアー・ギブス(Jahmyr Gibbs)もトータル37ヤードというスタッツしか残しませんでしたが(チームトータルは29ヤード)、テネシー大戦での敗戦の傷を癒すには十分な内容だったと言えそうです。

それは特にディフェンス面で顕著であり、テネシー大に52点も取られてしまった彼らはこの日試合終了直前まで完封ゲーム。「エアーレイド」と呼ばれるパスヘビーオフェンスで知られるマイク・リーチ(Mike Leach)監督のオフェンスを231ヤードに抑え、ランでも62ヤードに止めるなどしてほぼシャットダウン。

アラバマ大は第9週目はバイウィークでお休み。そして休み明けにはルイジアナ州立大とのアウェーゲームが待っています。

#2 オハイオ州立大 54、アイオワ大 10

ここまで各種スタッツにおいて全米トップクラスのオフェンスを擁しているオハイオ州立大。そのオフェンスに対するのが今季全米ワーストクラスのオフェンスを擁するアイオワ大。対戦する前からファイナルスコアがとんでもないことになるのではないかと予想していましたが、その予想を裏切ることなく(笑)オハイオ州立大がアイオワ大を54対10で圧倒しました。

とはいえ、前半のオハイオ州立大のオフェンスはイマイチでした。第1Qには16点を獲得しましたが、そのうちTDはRBマイヤン・ウィリアムス(Miyan Williams)の2ヤードランTDのみ。あとは3つのFGのみということで、なかなかTDのチャンスをモノにできない、歯切れの悪い立ち上がりでした。逆にアイオワ大DLジョー・イヴァンズ(Joe Evans)がQB C.J.ストラウドにタックルを食らわせた際にファンブルを誘発してそれをイヴァンズ自身がスクープしてリターンTDを許すなどして思いのほか点差を広げることができずにいました。

さらに後半に入ると最初のドライブでストラウドのパスがいきなりインターセプトされるなど全米2位チームらしくない展開が続きますが、アイオワ大もまたファンブルやインターセプトなどを犯して反撃のチャンスを自ら潰して足踏みしている間にようやくオハイオ州立大のオフェンスが目を覚まします。

第3Q残り約11分でストラウドからWRエメカ・イブカ(Emeka Egbuka)へのパスTDが決まるとそこから4ドライブ連続でTDを奪って一気にスコアを54対10として一気にアイオワ大を突き放します。元々オフェンス力が皆無だったアイオワ大には点が入りそうな雰囲気すらなく、結局スコア的にはオハイオ州立大が大勝したわけです。

ただ、全米2位のチームで全米最強のオフェンスを持っていると言われるオハイオ州立大としてはこの試合の展開、特に前半のチグハグさは少しいただけないところ。本当に強いチームならば前半終了の時点でもう試合が終わっている、という流れも大いにあり得るはずですから、そこの点は多少(本当に多少)気がかりですが、それでも最終的には力の差を見せつけて7勝目を挙げました。

一方アイオワ大は相変わらずオフェンスが下の下。奪ったファーストダウンは8つ、3rdダウンコンバージョン数は13回のトライで成功できたのはなんとたったの1度、パスヤードは81ヤードでランヤードが77ヤード、さらにはターンオーバー数が6つとまさに何から何まで機能しないというとんでもない状況。

このオフェンスを指揮しているのがHCであるカーク・フェレンツ(Kirk Ferentz)監督の実施であるブライアン・フェレンツ(Brian Ferentz)氏。どう考えてもブライアン氏の戦術はワークしておらず、かといって父親であるカーク氏は息子からOCの仕事を剥奪することもできず・・・。アイオワ大は抜け出せない沼の中にいるようです・・・。

ルイジアナ州立大 45、#7 ミシシッピ大20

今季開幕以来破竹の7連勝を続けて先週7位まで順位を上げてきたのがミシシッピ大。ただ彼らはここまで大した相手と対戦してきたとは言えず、彼らのベストゲームは5戦目のケンタッキー大(当時7位)。本当の意味で強いと言われるチームとの対戦がここまでなかったため、このルイジアナ州立大との試合はアウェー戦ということもあり彼らの真の強さが明らかになると言われていましたが・・・。

前半こそミシシッピ大がリードを守る形で試合が展開されていきましたが、後半になるとルイジアナ州立大のディフェンスの前にミシシッピ大のオフェンスが沈黙。一方ルイジアナ州立大のオフェンスはQBジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)の活躍により4連続でTDを決めて、結局ファイナルスコアは45対20とダブルスコア以上の差をつけてルイジアナ州立大がミシシッピ大に今季初黒星をお見舞いしました。

目立ったのは先にも述べたダニエルズの投・走に及ぶハイパフォーマンス。投げては248ヤードに2TD、走ってはチーム最多となる121ヤードに3TDと合計5つのTDに絡む活躍。彼らは初戦のフロリダ州立大戦並びにテネシー大戦で敗れて2敗を喫してしまっていますが、開幕時に比べるとかなりチームの安定感が増しており、今年から指揮を執るブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督の流石とも言える手腕が見え隠れしています。

一方ミシシッピ大は正直完敗。攻守において相手に圧倒される形でここまで築き上げてきた7位の評価はこれで大きく崩れてしまうでしょう。とはいえテキサスA&M大、アラバマ大、アーカンソー大といったチームとの対戦も控えており、まだまだ彼らの地区優勝の望みが断ち切られたわけではありません。が、彼らの脆さが露呈されてしまったことも確か。特にディフェンス面での早急なテコ入りが必須と言えそうです。

ちなみにこの試合終了後には勝利に酔いしれたファンがフィールド内になだれ込んできました。ただこれは先ほどクレムソン大のレビューでも述べたとおり、この勝利がフィールドへストームするだけの価値のある勝利だったのかは微妙。確かにミシシッピ大は全米7位ではありますが、普通にやっていればいつもなら勝てる相手。これしきの白星でストームしているようではいけないのではないか・・・とルイジアナ州立大のファンを逆撫でするわけではありませんがそういうふうに思ってしまいました。

(終わり)

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