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Do You Believe??【2023年度第1週目レビュー】

Do You Believe??【2023年度第1週目レビュー】

2023年9月に入り遂に一斉に今季のカレッジフットボールが全米各地で口火を切りました。アメリカでは9月4日月曜日がレイバーデー(Labor Day/勤労感謝の日的なホリデー)という休暇なのでいくつかの試合が日曜日と土曜日にも行われますが、とにもかくにも待ちに待ったシーズンが開幕したのです。

ということで執筆時にはまだ第1週目は終わっていませんが、興奮冷めやらぬ前に今週末行われている主な試合を振り返ってみたいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

コロラド大45、#17 テキサスクリスチャン大42

今年からコロラド大を指揮するのが現役時代は「プライムタイム」のあだ名で名を馳せた「コーチプライムディオン・サンダース(Deion Sanders)監督。昨年までジャクソン州立大というFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)で監督を務め、今年から昨年1勝11敗という弱小チームに成り下がったコロラド大の再建を託されてコロラド州ボルダーにやってきました。

ロースターの大半をトランスファーポータル経由で入れ替え、「ディオン節」でチームを大改革。ただNCAA一部の上位サブディビジョンであるFBS(フットボールボウルサブディビジョン)でその腕をまだ試せていなかったため、今季のコロラド大を懐疑的に見る人も多かったのですが・・・。

そんなコロラド大の開幕戦の相手は、昨年CFP(カレッジフットボールプレーオフ)にまで進出したテキサスクリスチャン大。相手にとって不足はありませんでした。

敵地での対戦となったコロラド大はサンダース監督の実の息子であるQBシェドゥア・サンダース(Shedeur Sanders)からディラン・エドワーズ(Dylan Edwards)へのパスTDで先制。そこから双方での点の取り合いが始まります。

その撃ち合いを制したのはコロラド大。シェドゥアはコロラド大スクールレーコードとなる510ヤード(4TD)のパスを投げ、レシーバー陣では4人の選手が100ヤード超えというとんでもない数字を残しました。特にエドワーズはRBにも関わらず135ヤードに3TDという大車輪の活躍。

しかしそのエドワーズの活躍を凌いだのがCB/WRトラヴィス・ハンター(Travis Hunter)。カレッジレベルでは珍しい両面選手ですが、WRとしては11回の捕球で119ヤードのキャッチ、CBとしてはパスインターセプションを1つ記録するなど、下馬評以上のパフォーマスを見せ、高い将来性を披露しました。

その試合後の記者会見、コロラド大での自分の手腕に疑念を持っていた記者に「Do you believe now?」(これで自分達が本物だってわかったか?)と強気に詰め寄るシーンも。

戦力が低下したとはいえ、昨年の準優勝チームであるTCUに敵地で競り勝ったのは大きな収穫。ディフェンシブフロントに不安がなくもないですが、まずはサンダース監督の船出を白星で飾れたのは素晴らしいことです。今後のコロラド大から目が離せそうにありません。

デューク大28、#9 クレムソン大7

9月4日月曜日のレイバーデー当日に行われた試合。開幕ウィーク最後の試合となったこのゲームで波乱が起きました。

全米9位のクレムソン大は過去2年間プレーオフ進出を逃しており、その大舞台に復活すためのテコ入れとして元テキサスクリスチャン大オフェンシブコーディネーターのギャレット・ライリー(Garrett Riley)氏を招聘して新たな船出を目指しましたが・・・。

デューク大の2つのFGとクレムソン大QBケイド・クルブニック(Cade Klubnik)からRBウィル・シップリー(Will Shipley)への2ヤードTDパスで7対6という僅差でハーフタイムを迎えるという意外な展開。

後半に入るとデューク大の最初のドライブでQBライリー・レナード(Riley Leonard)がスクランブルから抜け出して圧巻の44ヤードランTDを決めて逆転。スタジアムは大いに盛り上がります。

タレントの質で勝るはずのクレムソン大もデューク大エンドゾーンへ襲いかかりますが、FGを外し、レッドゾーンで2度もファンブルを犯し、さらに雲行きが怪しくなった第4Q残り時間5分でくる部ニックの投げたパスをレシーバーが弾きそれをデューク大のドリアン・マウサイ(Dorian Mausi)がインターセプト。かと思えばデューク大はその間に2つのTDを奪って点差を引き離し、なんとデューク大が全米9位のクレムソン大を倒すという大金星を手に入れたのでした。

クレムソン大のオフェンスは何度も得点のチャンスを迎えるもターンオーバーの連発で自爆。ディフェンスでは2列目3列目でスペースを与えすぎている場面がみられ、自慢のフロントフォーも時折潰されているシーンがありました。デューク大相手に199ヤードも走られたのは意外でした。

デューク大が上位10位以内のチームから勝利を手に入れたのは実に33年ぶりのこと。2年目のマイク・エルコ(Mike Elko)監督は昨年弱小デューク大に9勝をもたらしましたが、2年目の開幕戦で早くも地震の最大のシグニチャーウィンを獲得。今後が楽しみです。

一方のクレムソン大は直近4試合で3敗目を喫しましたが、これは2011年以来のこと。ちょっと前までアラバマ大と王座を毎年のように争うような強豪となりましたが、これはクレムソン大およびダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督の凋落の前兆か・・・。

#8 フロリダ州立大45、#5 ルイジアナ州立大

第1週目における最も注目度の高い試合と言われていたのがこのフロリダ州立大とルイジアナ州立大の対決。どちらもトップ10入りチーム同士ということで今後のプレーオフレースにも影響を及ぼしかねないマッチアップと期待度が高まっていました。

マイク・ノーヴェル(Mike Norvell)監督はフロリダ州立大で今年4年目、ブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督はルイジアナ州立大で2年目。どちらのチームも昨季尻上がりに調子をあげたチームとして開幕前から評価の高いチームでした。そんな上り調子のチーム同士の戦いということでこの試合には大きな注目が集まったのですが・・・。

勝利を決したのはフロリダ州立大のQBジョーダン・トラヴィス(Jordan Travis)とWRキーオン・コールマン(Keon Coleman、ミシガン州立大からの転校生)の素晴らしいパフォーマンス。彼らが5位のルイジアナ州立大に45対24とほぼダブルスコアで勝利を収めたのでした。

トラヴィスは342パスヤードに4TD(1INT)という目を見張る数字を残しましたが、彼の放ったTDパスの3つはコールマンの手によってエンドゾーンへ運ばれました。そのコールマンは122ヤードをレシーブで獲得。またトラヴィスは脚でも魅了して38ヤードに1TDを計上。1人で35点に絡む大活躍を見せたのです。

試合の方は前半こそ拮抗した戦いになりましたが、後半に入りおせおせムード一色のフロリダ州立大に対してルイジアナ州立大はそれに追いつくことができず、期待のLBハロルド・パーキンス・Jr(Harold Perkins Jr)率いるディフェンス陣もフロリダ州立大のフィジカルなアタックに後手に回らずを得ない状況に。ブライアン・ケリー監督が試合後の会見で「完全なる失敗(Total Failure)」と認めたように、選手もコーチもフロリダ州立大に歯が立ちませんでした。

この勝利は今年のフロリダ州立大が本物だということを世に知らしめるには十分となる要素となり、また先に紹介した通りクレムソン大が失速していることを見るとACC(アトランティックコーストカンファレンス)の今季の王冠争いでフロリダ州立大が一歩リードしそうな印象です。

一方ルイジアナ州立大は負けはしたものの、開幕戦での敗戦ということでまだまだ取り返す時間は十分あります。が、所属するSEC(サウスイースタンカンファレンス)の西地区での争いにおいて、アラバマ大との競り合いになると思われていたシーズン前の予想を多少修正しなければならないかもしれません。

#13 ノートルダム大42、海軍士官学校3

先週末のその前の週末に「Week 0」と銘打って行われた数試合の中の一つがこのノートルダム大と海軍士官学校のライバリー。この試合はアイルランドのダブリンで行われた、珍しい海外開催の試合となりました。

ノートルダム大には今年から昨年までウェイクフォレスト大に5年間も在籍したベテランQBサム・ハートマン(Sam Hartman)を転校生として迎え、彼のパサーとしての能力に期待がかかりましたが、ハートマンはその期待を裏切りませんでした。

相手が格下の海軍士官学校であったとはいえ、これまでプレーメイカーと目されるようなQBを長く輩出してこなかったノートルダム大にとって、ハートマンのようなピュアパサーをセンターに添えるのは非常に新鮮に映りました。そのハートマンはこの日251ヤードに4つのTD、サックはゼロ。堅固なOLと堅実なランゲーム、持ち前のディフェンス力に加えてこのハートマンのパスアタックを加えた今季のノートルダム大はひょっとしたら下馬評を超える戦績を残す・・・かも。

ノースカロライナ大31、サウスカロライナ大17

ノースとサウスのカロライナ対決となったこの試合、カロライナパンサーズの本拠地であるバンク・オブ・アメリカスタジアムで開催されましたが、注目はノースカロライナ大のQBドレイク・メイ(Drake Maye)とサウスカロライナ大のQBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)の投げ合いでした。

しかし蓋を開けてみると試合を決めたのはディフェンス力でした。

メイは269ヤードに2TD(2INT)、ラトラーは353ヤードに0TD(0INT)でしたが、ランゲームではUNCが168ヤード稼いだのに対し、サウスカロライナ大はネットヤードでなんとトータルマイナス2ヤード。特に後半ノースカロライナ大はサウスカロライナ大にFG1本を許したのみで完全にシャットアウト。この日のメイの2つのINTはアンラッキーだっといえますが、それをディフェンスが補えたというのは今後のことを考えると心強いです。

クレムソン大の後退、フロリダ州立大の躍進、そしてこのノースカロライナ大の期待度・・・。今季のACCはいつもよりちょっとスパイスが効いている感じがしますね。

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