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アンダーアーマーがUCLAとカリフォルニア大との契約を解除

アンダーアーマーがUCLAとカリフォルニア大との契約を解除

カレッジスポーツ界においてコロナ禍でダメージを受けているのは、秋シーズンが開催されるかどうかだけでなくビジネス方面においても例外ではありません。

そんな折スポーツブランドの大手であるアンダーアーマーUCLAとスポンサー提携を解消するというニュースが飛び込んできました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ご承知のことかと思いますが、大学のスポーツ部のほぼ全ては何らかの形でスポーツ用品会社とスポンサー提携を結んでいます。特にトップチームともなれば大手ブランドが多額のスポンサー料をチームに支払う代わりに、広告塔としてチームはそのブランドのありとあらゆるギアを身につけることになります。プロチームへのスポンサーシップと同じように、名門大学チームがそのブランドギアを纏うことは相当のPR効果を生むからです。

そのスポンサー契約料は年々派手になっていますが、最近で言えば2016年に最大手のナイキミシガン大と当時最高額となる15年契約で約1億7380万ドル(1ドル100円計算で約174億円)というスポンサー料を手に入れました。

しかしその後それを上回る15年間で2億5000万ドル(約250億円)の契約金をナイキはテキサス大と結び新記録を樹立。さらにはそれを追い越さんとばかりに今度はオハイオ州立大と15年間で2億5200万ドル(約252億円)というスポンサー契約を提携するなどしてカレッジスポーツのとんでもないビジネス形態が明るみになりました。

とはいえ世界的な大ブランドであるナイキがこのようにヘッドラインを飾るのは珍しくはありませんが、ここに割って入ってきたブランドがあります。それがアンダーアーマーでした。彼らは2016年にUCLAとスポンサー料史上最高額となる15年間で総額2億8000万ドル(約280億円)という契約を結んだのです。

現在カレッジでは過半数がナイキと契約を結んでおり市場は彼らの独壇場ですが、2016年の時点とは言えアンダーアーマーがここまでの金額をUCLAに「投資」したというのはちょっとした驚きをもって伝えられました。

しかし。

もともと業績が良かったとは言えなかったところに今回のコロナ禍が起こってしまったことでアンダーアーマーの台所事情がさらに悪化。

参考記事アンダーアーマーで大損?

そんな中でなんとか損失を埋めようと考えた中で目をつけたのがおそらくこのUCLAとのスポンサー契約だったのでしょう。そして今回彼らはUCLAとの契約を破棄することを決定したのです。

といっても15年という契約を結びまだあと12年もパートナーシップが残っているのに一方的にその契約を破棄できるのか・・・。当然UCLAは黙っていません。彼らも様々な手を使いこのアンダーアーマーの決断を覆そうとしています。彼らとて今回のコロナ禍で損害を被っていますし、今後のことを考えるとアンダーアーマーとの契約金は大きな資金源となるからです。

そしてさらにアンダーアーマーはUCLAと同じPac-12カンファレンス所属のカリフォルニア大とも独占契約を一方的に解除することを表明。彼らはカリフォルニア大と2016年に10年で8600万ドル(約86億円)の契約を結んでいましたが、今回それも同じように契約半ばにして袂を分かつ決断をしたのです。

関連記事カリフォルニア大がアンダーアーマーと巨額の契約を提携

カリフォルニア大側は「アンダーアーマーが我々との契約を一方的に破棄できるような権利はない」と一蹴。彼らの業績不振は理解できるが一方的に手を引くのは契約違反だと声を上げています。当然のことです。

しかしアンダーアーマーのウェブサイトを見てみるとすでにこの2校の名前は削除されており、法的なことはさておきアンダーアーマー側はこの2チームとの業務提携から足を洗っているようです。

彼らからすればUCLAとカリフォルニア大のスポンサーとなったところでその契約金に見合ったキックバックがなかったと判断した、ということなのかもしれませんが、だからといってちゃんと双方で契約を結んでいるのですから今後何かしらの訴訟問題などに発展する可能性は十分はらんでいると思われます。

そもそもUCLAにしろカリフォルニア大にしろアンダーアーマーが結んだ契約金の額が常軌を逸していたのです。ナイキという怪物に挑むためにインパクトが欲しかったのかもしれませんが、流石にこの契約内容は彼らのキャパを超えるものだったと言わざるを得ません。

当社のサイトを見ると残っている契約相手は6チーム。メリーランド大はアンダーアーマーのお膝元、ノートルダム大は言わずとしれた名門、ウィスコンシン大はBig Tenカンファレンス、アーバン大サウスカロライナ大はサウスイースタンカンファレンスとそれぞれ大御所カンファレンス所属チーム、そして海軍士官学校はFBS(フットボールボウルサブディビジョン)で3つしか無い格式高い士官学校のうちの一つ。これらのチームがアンダーアーマとの契約で生き残ってUCLAとカリフォルニア大が足を切られたというのは、少なくともアンダーアーマー側はこの2チームをそのようなレベルと見なしているということでしょうか。

兎にも角にも今後の彼らの動向に注目です。

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