丁度前日にも触れましたが、最終ランキングで全米3位まで上り詰めたサザンカリフォルニア大はシーズン終了時にはカレッジフットボール界でも1、2を争うホットなチームとなっていました。しかしそこにたどり着くまでは決して楽ではなく、特に開幕後数週間は負けが先行して彼らのシーズンはその時点で終わったと思われたものでした。
しかし開幕4試合目に新人QBサム・ダーノルド(Sam Darnold)を先発にすげ替えるとチームは息を吹き返し、そこから連勝街道まっしぐら。そして最終戦となったローズボウルでのペンシルバニア州立大戦ではここ数年でもベストゲームと言える試合を僅差でモノにしたのでした。
そんな上昇気流に乗るチームの陰で、彼らと袂を分けた選手がいます。元先発QBのマックス・ブラウン(Max Browne)です。
以前にも紹介した通り、先発の座をルーキーであるダーノルドに奪われたブラウンはプレー機会を求めてチームを去ることを決意。結局カリフォルニアから遠く離れたペンシルバニア州のピッツバーグ大へと転校することを決めました。
最近ピッツバーグ大でインタビューを受けたブラウンはこの中でサザンカリフォルニア大での出来事を振り返っています。
「(USCの)クレイ・ヒルトン監督に先発QBを交代すると告げられた当時はフラストレーション、困惑、そして失望感でいっぱいでした。自分自身ネガティブにはなりたくありませんでしたが、かといって自分の感情をだますこともしたくなかったのです。だから自分にとって当時の状況を受け止めるのは容易いことではありませんでした。チームが勝ち続けローズボウルに出場したことは嬉しかったですが、やっぱり個人的にはつらかったですね。」
サザンカリフォルニア大という強豪チームで先発QBに任命されたのはブラウンにとってまさに夢が叶ったということだったでしょう。しかしそれを数試合で手放さなければならなかったのは無念だったに違いありません。しかし、ピッツバーグ大に転校して来た今、彼は自分がまだ先発QBとしてカレッジフットボール界で活躍できるということを再証明するチャンスを得たということになり、モチベーションは高まっています。
「もちろんモチベーションは高いですし、(USCでの出来事が)今の自分を突き動かしているのは確かです。カレッジフットボール最後となる今年、そういった自分を震い立たせるものは必要なのです。そして自分にとっては過去のことが自分のモチベーションを上げる理由となっています。今はとにかく自分がリーダーとしてピッツバーグ大に勝利をもたらすことに全力を注ぎたいと強く感じています。」とブラウンは来季に向けた意気込みを語ってくれました。
昨年のピッツバーグ大の先発QB、ネイト・ピーターマン(Nate Peterman)が卒業した今、ブラウンが新たなチームのリーダーとして輝くチャンスは揃っています。USCでは残念な結果に終わりましたが、新天地でブラウンにとってのリベンジは果たせるでしょうか?