各地でプレシーズンキャンプが始まってすでに数日経っていますが、2018年度シーズン開幕前から話題をかっさらっているのがオハイオ州立大のアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督の処遇がどうなるかということです。事の次第ではマイヤー監督解雇の可能性もあり、そうなれば優勝候補のオハイオ州立大にシーズンが始まる前から早くも黄色信号が灯ることになりますが・・・。
今のところ大きな動きはありませんが、これまで世に出ている情報をまたここでご紹介したいと思います。
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処遇決定は2週間以内に
8月5日の時点でオハイオ州立大は先日設立した調査委員会の調査を2週間以内に終わらせると発表しました。つまりマイヤー監督の命運は8月19日までには明らかになるということです。
そしてこの調査委員会を長を務めているのがマリー・ジョ・ホワイト(Mary Jo White)というお方。この女性、実はかなりのやり手人物で、過去には1994年のワールドトレードセンター爆破事件などのテロ事件や、連邦レベルの政治・経済事件などの事件を手掛けた元検事。この人物が陣頭指揮を執って徹底的に調査をすることでしょうから、生半可な結果にはならないことでしょう。
アダージョ監督も2009年の事件を確認済み
マイヤー監督がこのような自体に陥った原因の人物であるザック・スミス(Zach Smith)氏は2009年にマイヤー監督が率いていたフロリダ大のコーチングスタッフの一人でした。そして当時オフェンシブコーディネーターを務めていた現ボストンカレッジHCのスティーブ・アダージョ(Steve Addazio)監督も、スミス氏が当時妊娠中の元妻に暴力を振るって逮捕されていた事件を把握していたと話しました。
「私がフロリダ大でアシスタントコーチをしていた際、ザックと(彼の前妻である)コートニーの間で問題が起きていたことは知っていました。詳しいことは把握していませんでしたが、大学側が彼ら二人にカウンセリングを行うなどしていたようです。」とこの件に関して質問されたアダージョ監督は答えました。
実はアダージョ監督は2011年にフロリダ大を出てテンプル大の監督に就任した際、スミス氏を同大のWRコーチとして一緒にフロリダ大から連れてきました。スミス氏はその1年後にオハイオ州立大へ移っていくわけですが、アダージョ監督にも何かしらの繋がりがあるのではないかという憶測が流れたのでしょうね。「ボストンカレッジでは何人なりとも家庭内暴力を許すことはない」と断言しているのは、自分に火の粉が降りかかるのを防ぐための予防線なのかもしれません。
スミス氏の嘘?
事件が明らかになりオハイオ州立大から解雇されたスミス氏はその数日後に米スポーツ専門局ESPNの独占インタビューに出演。そこで彼はいままで一度も元妻に手を上げたことはないと誓っていました。
しかし後日リークされた彼と元妻のSMS(ショートメッセージ)には明らかにかつてスミス氏が元妻の首を絞めるという行為をシていたことに対して謝罪するという文面が見られました。
Zach Smith told @1057TheZone he never abused Courtney. Here is text message b/w Zach & Courtney when he admits & apologizes for strangling his wife on Punta Cana trip in March 2015 & again in April pic.twitter.com/GjcjWh6mFT
— Brett McMurphy (@Brett_McMurphy) August 3, 2018
もしこれが本物のテキストメッセージならば、必然的にスミス氏は嘘をついていたことになります。同じインタビューで彼は恩師であるマイヤー監督を庇うようなコメントを残していましたが、これでは逆に自分は愚かマイヤー監督のクビを締めることになりそうです。
マイヤー監督を擁護する行進
マイヤー監督がオハイオ州立大の強さの根源であることは周知の事実ですから、彼が仮に大学を去らなければならなくなればそれは今シーズンやそれ以降のチームの将来に大きく影響するのは必死です。それは常勝オハイオ州立大を応援するファンたちにとっては今回の騒動の行く末は気が気でないことでしょう。
そんなファンの一部が月曜日にオハイオスタジアム周辺に集まり、マイヤー監督を擁護するためのデモ行進を行ったそうです。総勢約100名程度と割りと少なめですが、それでも各々にマイヤー監督は無罪だと声を出して叫んだとか。といってもまだ真実は明らかになっていませんから、やり過ぎには注意といいたいところ。
参加者の一人は「(この件に関して)マイヤー監督は正当に扱われていない。彼はとってもグッドガイなんだ。オハイオ州立大にたくさんの勝利をもたらしてくれたのだから。」と話していましたが、これこそが非常に危険な論点です。チームを強くした人物が良い人物なのか。チームを強くした人物なら何をしてもいいのか。ととれかねもしません。こういうことを言うにはまだ時期尚早なのです。
また2年前にチームのスターRBとして活躍し、現在ダラスカウボーイズの先発選手でもあるイゼキール・エリオット(Ezekiel Elliott)の父親もこのラリーに参戦。「アーバン・マイヤー監督が今言われているような事を自ら許す人物ではない。彼は彼に課せられた仕事を適正に判断してこなすことができる人物だ。今現在彼が選手とともに入れないというこの状況こそ間違っている。」とマイヤー監督をバックアップ。このように話したことを後悔するような事態が訪れなければいいのですが・・・。