一長一短だった先週末のノートルダム大 - ANY GIVEN SATURDAY

一長一短だった先週末のノートルダム大

一長一短だった先週末のノートルダム大

先週行われたクレムソン大ノートルダム大の試合は2度のオーバータイムの末ホームチームであるノートルダム大が首位のクレムソン大を打ち取るという劇的な幕切れを迎えました。この影響で開幕から1位を死守し続けてきたクレムソン大が遂に陥落。アラバマ大が全米1位に躍り出たほかそのクレムソン大を倒したノートルダム大も2位にまで上昇してきました。

試合自体は手に汗握る大接戦。この試合にはクレムソン大のスターQBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)やジェームス・スカルスキ(James Skalski)ら数人の先発メンバーが欠場しましたが、下馬評はそれでもクレムソン大有利とされていまいした。そんな中彼らは自分たちの力に疑問符を投げかける輩たちを出し抜くかのような素晴らしいパフォーマンスを披露。1993年に当時1位のフロリダ州立大を倒した以来のトップランカーからの白星を奪ったのです。

全米中の注目を浴びた一戦

この試合を独占生中継していたのがアメリカの三大ネットワークの一つであるNBCでした。今季は新型コロナウイルスの影響で期間限定でACC(アトンランテックコーストカンファレンス)に所属するノートルダム大ですが、通常は創部以来どこのカンファレンスにも属さない独立校(無所属)という立場を貫いてきました。そんな彼らはホームゲームのテレビ放映をNBCと1991年以来独占契約してきました。何処にも属さないノートルダム大だからこそ成せる業なのです。

参考記事ACCのスケジュールが歴史を変える?

そんな30年来のノートルダム大のパートナーであるNBCは先週のクレムソン大との試合も当然生中継。今季最高とも言える激戦を最後まで伝えましたが(途中アメリカの次期大統領戦で当確したジョー・バイデン氏の勝利スピーチのため中断はあったものの)、この試合の視聴者数が1010万世帯だったことが後日判明しました。この数字はNBCで放映されたノートルダム戦において27年来のトップレーティングだったそうです。

この数字は2005年に全米9位のノートルダム大が1位のサザンカリフォルニア大を迎えて行われた試合を僅かに凌ぐものだったということですが、この2005年の試合は3点を追うサザンカリフォルニア大が残り時間3秒というところでQBマット・ライナート(Matt Leinart)氏のQBスニークが決まって逆転勝利を飾った試合。この時ライナート氏をRBレジー・ブッシュ(Reggie Bush)氏が後ろから押してTD奪取を後押ししたことからこのプレーは「ブッシュプッシュ(Bush Push)」として知られています。

筆者もこの試合はテレビ観戦していたのを覚えていますが、これはカレッジフットボール史上最も有名な試合の一つとして長く語り継がれていくであろう名勝負でした。その試合の視聴者数を今回のノートルダム大vsクレムソン大は上回ったのですから、いかに多くのファンがこの試合を見るためにテレビのチャンネルを合わせたのかが分かります。

ちなみにこれまでの最高視聴者数を叩き出したNBCのノートルダム大戦は前出の1993年11月13日に行われた当時1位のフロリダ州立大と2位のノートルダム大の試合。この年ハイズマントロフィーを受賞したQBチャーリー・ワード(Charlie Ward)氏を擁し圧倒的有利とされたフロリダ州立大をノートルダム大が破る大金星を見せた試合でしたが、この試合の視聴者数は2200万人と今回のクレムソン大との試合での視聴者数の2倍でした。

スポーツ専門局ESPNは大半のカレッジゲームが行われる土曜日の朝に「カレッジゲームデー(College Gameday)」というプリゲームショーを放映していますが、1987年に放送が開始された当時はスタジオからの放送でした。現在はその週の注目のゲームが行われるキャンパスから生放送を行うようになりましたが、このフォーマットが最初に採用されたのがこの1993年のフロリダ州立大とノートルダム大の試合でした。それほどまでに注目されたゲームだったわけです。

27年前と現在とでは試合の観戦スタイルは大きく変わりましたから(特にストリーム観戦が可能になった)単純にこの数字を比べることは出来ないとしても、いかに1993年の試合が全米の注目を集めていたかが分かります。


歴史的大勝利の影で・・・

ノートルダム大にとって全米1位チームからホームで白星を奪ったのは上に挙げた1993年のフロリダ州立大戦以来のことでしたが、新型コロナウイルスのパンデミックのせいでこの試合には約1万2000人ほどの観客しか入場を許され無かったのにも関わらずスタジアムの盛り上がりは予想以上。そして試合が終了するとこの大金星に興奮した観客たちがフィールドになだれ込み瞬く間にノートルダム大ファンの海と化したのでした。

元々この試合をTVで観ているときから学生ゾーンはソーシャルディスタンスを完全無視した状況なのは気になっていましたが、試合後のこのファンの乱入は試合結果が意味することを考えればある程度理解できる行動ではありました。

カレッジフットボールにおいて(というかどのスポーツでも)勝てそうもない試合に勝ってしまうことを「アップセット」といいますが、とんでもないアップセットやその試合に大きな意味がある場合(例えば対戦相手が今回のように全米1位だったりライバリーゲームだったり)、ファンがフィールドになだれ込むということはこれまでも数え切れないほどありました。

しかし想像以上に容易く感染してしまう新型コロナイウルスが蔓延するこのご時世でノートルダム大戦でのようなソーシャルディスタンスを度外視した行動は大変奇妙に移りました。ただでさえ全米各地でウイルス感染のために試合が延期になったりキャンセルになっている中、いくらこの試合での勝利がファンらにとって大きな意味を持っていたとしてもリスキーな行動であったと言わざるを得ません。

実はブライアン・ケリー(Brian Kelly)は金曜日の時点で選手たちに「もし我々がこの試合に勝てばおそらくファンたちがフィールドに灘れんこんで来るだろうから、そうなった場合には速やかにフィールドを去ってロッカールームに戻りなさい」と指示していたそうです。その予想はバッチリ当たったわけですが、だったらなぜ大学側はこれを防げなかったのかという疑問が残ります。

テレビを見ているとセキュリティーガードが生徒たちの侵入を防ごうとしている姿は全く観られませんでしたし。

またノートルダム大キャンパスでは新型コロナ感染者数が増えてきたと言われていますし、大学長も最近陽性反応を示したばかり。自分のチームがここまで調子がいいのですから、現在全米で起きている新型コロナによる影響を考えればチームや学生たちを守るためにも何か事前に予防策がとれたのではないかと思ってしまいます。ましてやチームは既に9月に行われるはずだったウェイクフォレスト大との試合を自身の部内感染で延期にした過去を持っているのですから。

大学側はこの試合に立ち会った全ての生徒にウイルス検査を課すことを表明。そしてそのテストを受けなかった学生は履修したクラスの成績を受け取れないという処置を施しました。また同時にこのテストを受け結果が出るまではキャンパスのあるサウスベンド市から外出することを禁ずるという御触れを出したのです。

これは試合後の乱入によるウイルスの蔓延を防ぐためのものですが、これが必要事項であることは理解できるもののやはり事前に大学側がこうなってしまうことを予想して予防策を張れなかったのかと疑問に思ってしまいます。たかだか18、19歳そこらの若者ならこのような行動に出てしまうのは許されないとは分かっていてもやっぱりやってしまうもの。それをこのような形で生徒の責任として丸投げしてしまうのはいかがなものなのでしょうか。

今の所ノートルダム大のフットボール部内での感染のニュースは入ってきていませんが、全米中でノートルダム大のこの件に関して批判の声が上がっているのを見れば他大学はこれを参考にして今後ファンがフィールドに乱入することを防ぐ手立てを立てることでしょうね。

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