アスリートの怪我防止はNCAAの最重要課題の一つです。そのために様々な角度から検証を重ね、ルール改正を試みてきました。そんな中、NCAAはシーズン中のチーム練習に関しても新たなガイドラインを提示してきました。
新しいガイドラインによると、これまでシーズン中の練習でコンタクトが許される(=タックルしても良い)のは1週間のうち2回まででしたが、さらに減らされて1週間のうち1回だけというものです。ただ現在のところこれはガイドラインでしかないので、正式にルールとして採用されるまで強制力はありません。
もし正式採用されれば、今シーズンの開幕戦の1週間前からカンファレンスチャンピオンゲームが終了するまで施行されることになります。
試合に出場しなかった選手はその分追加でさらにもう1回練習でコンタクトが許されることになります。つまり試合を含めれば週2回「ぶつかり稽古」することができるわけですね。
タックルなどのコンタクトドリルはダメージが蓄積され、シーズンが終わる頃には選手の体はボロボロになっているなんていうことは普通に見られる光景です。このサイクルを解消し、カレッジキャリアが終わっても怪我を後年に引きずらないようにするというのがこのガイドラインの根底にあるようです。特に脳震とうは将来の人生に大きく影響を及ぼすことが懸念されています。カレッジキャリアは4年、人生は長く続いていくわけですから、カレッジ時のダメージのせいで一生を棒にふるようなことを防げるのであれば、これは歓迎されるガイドラインだと言えそうです。
古き良き時代に練習でぶつかり続けていた元選手たちにしてみれば「甘い!」と思われるかもしれませんが。