ワシントン州立大のマイク・リーチ(Mike Leach)監督は歯に衣着せぬ人物として有名ですが、先日サウスイースタンカンファレンス(SEC)に噛み付く一面がありました。
「彼ら(SECチーム達)には申し訳ないが、もうカレッジフットボール界で彼らだけが特別優れているという時代はもう終わったのです。」
2000年代中盤から約10年間の間実に8校のSEC出身チームがナショナルタイトルを獲得してきました(2003年ルイジアナ州立大、2006年フロリダ大、2007年ルイジアナ州立大、2008年フロリダ大、2009年アラバマ大、2010年アーバン大、2011年アラバマ大、2012年アラバマ大)。確かにSECはほかのカンファレンスよりも一歩抜きん出ていました。しかしその状況はここ最近変わりつつあります。唯一絶対的強さを誇っているのはアラバマ大ぐらいで、昨シーズンの最終ランキングを見るとトップ10入りしているSEC出身チームは2位のアラバマ大のみです。
リーチ監督の辛口は続きます。
「このSECの現状は最高に面白いです。なぜならみんな同じオフェンスを用いているからです。右に走れば次は左に走り、そして時にプレーアクション。そして彼らは前の年よりも今年はちょっとだけ多くパスを投げたと自慢げにしているのです。」と皮肉っぽく話しました。
かつてSEC所属のケンタッキー大でコーチしたことがあるリーチ監督はSECフットボールの内情を少しでも知る人物ですが、上のような言い分から見てもSECばかりが注目されるに憤慨して発せられた言葉なのでしょう。
ただ、確かにワシントン州立大は数年前にアーバン大のホームで試合をし、直にSECチームのオフェンスと対峙したことがありますが、SECが位置する米南部での最近のオフェンスのトレンドをリーチ監督がどれだけフォローできているのかは甚だ疑問です。なぜならプロスタイルを基本としてきたアラバマ大やアーカンソー大ですら最近ではテンポの早いスプレッドオフェンスを織り交ぜてきているのです。
かつてのようにSECチームがランキング上位を独占する時代は終わりました。しかしワシントン州立大がSECチームに噛み付けるほど強くなったのかどうかはお互いがフィールド上で対戦しなければわかりません。あわよくばワシントン州立大の体育局がそれを証明するためにSECチームに対戦を申し込んでいると思いたいところです。でなければリーチ監督のこれまでの毒舌も遠吠えにしか聞こえなくなってしまいますから。