パワー5カンファレンスのうち唯一カンファレンスチャンピオンゲームがないのがBig 12カンファレンスです。それは現行のNCAAのルールでカンファレンス所属チーム数が12チーム以上ないとこの優勝決定戦を開催できない決まりになっているからです。現在Big 12に所属するチーム数は10つ。あと2チーム加入すればそれが可能になるわけです。カンファレンスはその2チームをどの大学にするか探っていることでしょうが、今回メンフィス大が水面下でBig 12入りを模索しているという話が飛び込んできました。
もっともBig 12入りの噂はメンフィス大だけでなく、シンシナティ大、セントラルフロリダ大、コネチカット大、ヒューストン大、ブリガムヤング大もBig 12のターゲットにされているといいます。
Big 12はすでにシカゴに本拠地を置く「ナビゲートリサーチ」という分析・調査会社にどのチームがBig 12加入にふさわしいかを調べることを委託しました。
カンファレンスタイトルゲームを開催することはその後に控えるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)にチームを送り出すのに有利だとされています。選ばれるかどうか瀬戸際のチームがカンファレンス内にいたとすれば、このタイトルゲームが「追加オーディション」的な役割を果たすからです。
CFPに進出するとそのチームが所属するカンファレンスにも配当金が配られるといいます。自分のカンファレンスからナショナルチャンピオンを排出することが名誉なことであるだけでなく、懐があたたまるという理由からも、Big 12はカンファレンスタイトルゲームの開催を実現させることが急務なのです。
今回メンフィス大はテキサス大学長宛に、メンフィスがいかに魅力的な街であるかを宣伝するパンフレットを送ったといいます。直接Big 12加入を売り込んだとは報道されていませんが、水面下での駆け引きが始まっていると見られています。このパンフレットには同市に本拠地を置く優良会社やメンフィス大がどれだけ同市でインパクトを与えているかなどが紹介されているそうです。またフットボール部の近年の巻き返しも合わせて掲載されているとか。ちなみにメンフィス大は過去2年間で19勝7敗という好成績を残しています。
メンフィス大がBig 12に加入することができれば大学側にとっても収益面、そしてブランド力の強化にも繋がるため、なんとしても実現したいと願っていることでしょうから、このパンフレットはその意気込みの表れと言えるでしょう。