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ルイジアナ州立大が73歳のコーチを起用

ルイジアナ州立大が73歳のコーチを起用

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カレッジフットボール界において「キング」として君臨しているのは言わずと知れたアラバマ大ニック・セイバン(Nick Saban)監督。先日のナショナルタイトル戦での勝利で自身6度目の全米制覇を成し遂げ、これで元アラバマ大の名将、ポール・ベアー・ブライアント(Paul Bear Bryant)氏が持っていたFBS(旧D1-A)最多ナショナルタイトル数に並びました。そのセイバン監督は現在66歳。すでにベテランの域に達しているわけですが、その彼を追うのが例えば53歳のオハイオ州立大アーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督だったり、54歳のミシガン大ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督だったり、テキサスA&M大の新監督である52歳のジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督だったりと50代の脂ののったコーチたちです。

そしてその下の世代には過去3年連続チームをプレーオフに牽引し2016年度は優勝も果たしたクレムソン大の48歳のダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督とか、つい先日ジョージア大をタイトルゲームで指揮した42歳のカービー・スマート(Kirby Smart)監督、名門テキサス大再建を託された42歳のトム・ハーマン(Tom Herman)監督、さらにはフロリダアトランティック大を自身の初年度に11勝3敗と急成長させた42歳のレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督らが控えています。前シーズンにセントラルフロリダ大を全勝に導き、ネブラスカ大の新監督に就任したスコット・フロスト(Scott Frost)監督も43歳ということでヘッドコーチ界では40歳代は「若手」と見てもいいくらいです。

さらにその下にはさらに若くてエネルギッシュな、今後下克上を狙って天下を取ってやろうと目論む新世代のコーチたちも出てきています。例えばアイオワ州立大マット・キャンベル(Matt Campbell、38歳)監督とか、メンフィス大マイク・ノーベル(Mike Norvell、36歳)監督とか、ミネソタ大P.J. フレック(P.J. Fleck、37歳)監督とか。中にはヘッドコーチではないものの、先日このサイトでもお伝えしたように若干24歳のコーディネーターが誕生するなんてことも起きたりしています。

そんな感じでコーチ界でも世代交代が緩やかに起きていますが、一方で一昔前なら一人の名将が同じチームで何十年も監督を務めるなんてことはそんなに珍しくはありませんでした。例えばペンシルバニア州立大ジョー・パターノ(Joe Patterno)氏は45年間HCを努めましたし、ボビー・バウデン(Bobby Bowden)氏はフロリダ州立大で35年、フランク・ビーマー(Frank Beamer)氏はバージニア工科大で28年、ラヴェル・エドワーズ(Lavell Edwards)氏はブリガムヤング大で28年、そのほかにもルー・ホルツ(Lou Holtz、アーカンソー大ノートルダム大サウスカロライナ大など)氏などかなり高齢まで現場で若い選手たちを指導していた監督が何人もいたものでした。

しかし時代の流れか、勝利主義が先行する昨今のカレッジフットボールでは試合に勝つためにどんどんスタイルが変わってゆき、それを駆使して駆け上がってきた新しい世代のコーチたちの波に押されて老将たちが現場を引退していった結果、今も現役の昔気質の監督といったら現在78歳となる、カンザス州立大ビル・シュナイダー(Bill Snyder)監督ぐらいになってしまいました。またその勝利至上主義のせいで結果を出せない監督はすぐにクビになってしまうため、同じチームで10年以上監督を務めることが昔よりも難しくなってしまったのです。

ということで試合に勝ちたければ新しいトレンドを網羅できるこれからの人材を発掘するのが世の流れとなっている中、ルイジアナ州立大ではそれに逆行するかのようなコーチの起用が行われました。というのも今回エド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督は73歳のジェリー・サリヴァン(Jerry Sullivan)氏を正式なコーチとして雇うことにしたのです。

過去主に25年間NFLでコーチングをしてきたサリヴァン氏は昨シーズンにルイジアナ州立大のコンサルタントとしてチームに帯同。しかしサポーティングスタッフということで選手をコーチすることはできませんでした。しかし今回の決定でサリヴァン氏が正式なコーチとしてチームに直接関わっていくことになったのです。

実は今回の入閣でサリヴァン氏のルイジアナ州立大でのコーチングは2度目となります。というのも1984年から1990年まで同チームのWRコーチを務めていたからです。

「ジェリーはNFL界並びにカレッジフットボール界で大変著名なコーチであり、パスオフェンスにおても素晴らしい指導者であります。彼が我がチームにとって貴重な財産となるのは確実です。」とはオルジェロン監督。

ただ73歳という高齢で現場に完全復帰することに関しては多少の不安も拭えないと思いますが、その点に関してオルジェロン監督は特に心配はしていないようです。実際サリヴァン氏はポジションコーチではなくその上のコーディネーターとしての役割が与えられることが予想されます。

「ジェリーのもつ知識は何物にも変えがたいです。NFLにだって恒例のコーチはいくらでもいます。彼はフットボールの生き字引のような人物です。年齢など関係ないのです。」とオルジェロン監督は今回の決断に強い自信を持っているようです。

ルイジアナ州立大はつい先日オフェンシブコーディネーターだったマット・カナダ(Matt Canada)氏と決別し、TEコーチのスティーヴ・エンスミンガー(Steve Ensminger)氏をOCに昇格させたばかり。昨年パスオフェンスが全米84位とさえなかったルイジアナ州立大ですから、サリヴァン氏とエンスミンガー氏がどのようなパスゲームを作り出すのかきになるところです。

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