アイオワ州立大は11月22日の日曜日、ヘッドコーチであるポール・ローズ(Paul Rhoads)監督をシーズン終了後に解雇すると発表しました。
アイオワ州立大でのローズ監督の戦績は32勝54敗でしたが、最後の3シーズンではたったの8勝しかできず、チーム力の向上が見られないため、大学側は苦渋の選択を迫られたのでした。
ローズ監督は就任一年目にしてさっそくボウルゲームでチームを勝利に導きました。それはチーム史上たったの3度目の偉業であったため、就任時には無名であったローズ監督の知名度と信頼度をファンから一気に獲得し、アイオワ州立大で最も愛されたコーチとなったのでした。以降もネブラスカ大やテキサス大をアウェーで倒し、さらに2011年には全米ランク2位だったオクラホマ州立大から大金星を奪い、彼らのナショナルタイトルの夢を打ち砕くなど手腕を発揮。
2012年には10年契約で2000万ドル(20億円)の契約更新まで交わしましたが、そこからチームは急降下。2013年には3勝8敗と惨敗し、アシスタントコーチ陣を新たにするなどテコ入れを敢行しましたが、彼が招聘したオフェンシブコーディネーターで元カンザス大のヘッドコーチ、マーク・マンジーノ(Mark Mangino)氏と意見の相違で今シーズン途中で物別れになったりと自身のコーチ陣でも結束を固めることができませんでした。
極めつけはこの週末のカンザス州立大戦。アイオワ州立大リードで迎えた最終局面、残り90秒でアイオワ州立大の攻撃。QBが膝を付けば時間いっぱいでアイオワ州立大が逃げ切れたところをコーチ陣はランプレーを選択。これが裏目に出てアイオワ州立大がボールをファンブル。それをカンザス州立大にリカバーされて結果的に逆転負けを喫するという、痛恨のコーチミスを犯してしまったのです。
チームを勝利に導くという意味では失敗しましたが、非常に好かれていた人物でありました。彼の解雇を決断したAD、ジェーミー・ポランド氏も「できればこのような決断はしたくなかった」としています。ローズ監督は残りのウェストバージニア大戦でチームを指揮することを許されました。ちなみに前述のように2012年に10年の契約更新をしたため、残りの契約期間ローズ氏は年間約450万ドル(約4億5千万円)の支払いを受けることになります。