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アラバマ大嫌いもほどほどに?!

アラバマ大嫌いもほどほどに?!

ライバル同士がいがみ合うのは何も選手やファンだけではないようです。

アラバマ大ルイジアナ州立大は長らくライバル関係にあり、それは1895年まで遡ることになります。対戦成績は51勝25敗5分けでアラバマ大がリードしていますが、特に近年はアラバマ大の独壇場でもあります(アラバマ大が6連勝中)。2007年以来ナショナルタイトルから遠ざかっているルイジアナ州立大に対し、アラバマ大は過去年間で実に4度も全米の頂点に立っています。

2011年度には両校はナショナルチャンピオンシップゲームで対戦しますが、その試合では全米1位のルイジアナ州立大は2位のアラバマ大に完封負けを喫し(21対0)、目前で全米王座のタイトルを掠め取られてしまいました。それ以来ルイジアナ州立大はタイトルゲームはおろかプレーオフ出場もままならない状態なのです。

ルイジアナ州立大のサポーターである高校の監督がアラバマ大を拒否

アラバマ大にやられっぱなしのルイジアナ州立大ですが、ファン達の神経を逆撫でする要因としてその他にもアラバマ大の監督がかのニック・セイバン(Nick Saban)氏であることも挙げられると思います。というのもご存知の方も多いかと思いますが、セイバン監督は2000年から2004年度シーズンまでルイジアナ州立大のヘッドコーチを務めていました。2003年度にはナショナルチャンピオンにも輝きましたが、散々ルイジアナ州立大に残留すると言っていたにもかかわらず2004年度シーズン後にマイアミドルフィンズの監督に就任する為にチームを去っていったという経緯があります。ルイジアナ州立大を強くしたという事実がある一方、その去り方のせいでルイジアナ州立大でのセイバン監督の評価は芳しくありません。しかも後にライバルチームであるアラバマ大の監督に就く訳ですから、そのセイバン監督に率いられるアラバマ大に手も足も出ないのはファンにとっては大変気に食わないことなのです。

ということでルイジアナ州立大のお膝元であるルイジアナ州ではアラバマ大を毛嫌いする住民は沢山いると思われます。それと同時になんとしてもルイジアナ州立大に強くなってもらい、アラバマ大のコテンパンにやっつけるところを見たいと願っている人たちも多い事でしょう。その為にルイジアナ州の高校フットボール部のコーチ達は自分たちの有能リクルートたちを何とかルイジアナ州立大に送り込みたいと思っている事でしょうし、それと同時にそういった選手達がアラバマ大に流れていかないようにするということは現実的にあると思います。

しかしそれを表立って意思表示してしまってトラブルになった高校のコーチがいます。ルイジアナ州内にあるパークウェイ高校のフットボール部監督デヴィッド・フィースター氏です。

遡る事2月15日、フィースター氏はラジオのインタビューでアラバマ大のコーチングスタッフは門前払いだと述べました。

「ルイジアナ州立大はいつでも大歓迎だ。だがパークウェイ高校に足を踏み入れる事を許されないチームが唯一ある。それがアラバマ大だ。話せば長くなるが、大きな理由として彼らの卑怯なリクルートの手法が挙げられる。」とフィースター氏は話しました。

この発端は先日このサイトでも紹介したルイジアナ州立大QBブランドン・ハリス(Brandon Harris)がルイジアナ州立大を去る事を決意した事にあるようです。ハリスはパークウェイ高校出身選手なのですが、彼がまだ高校生だった頃アラバマ大スタッフがハリスを熱心に勧誘していたそうなのですが、そのプロセスの中でハリスにスカラシップ(スポーツ奨学金制度)をオファーすると思わせぶりな態度を見せながら、ハリスがアラバマ大に足を運んだ時にはこの話が白紙になったということでした。

結局ハリスはアラバマ大では無くルイジアナ州立大に進学する事を決意。彼は2014年度シーズンから3シーズンルイジアナ州立大に所属。2年生だった2015年度は先発QBとして前試合に出場しますが、2016年度は開幕戦後にベンチ要因に成り下がってしまいます。そしてそのまま先日チームを退団する事を決意した訳ですが、恩師であるフィースター氏にしてみればルイジアナ州立大でハリスが思うように活躍出来なかったその悔しさを高校時代まで遡ってアラバマ大にぶつけていると見られてもおかしくない言動ではあります。

フィースター氏がアラバマ大を受け付けないと言ってもアラバマ大にはルール上パークウェイ高校の選手達にコンタクトを取る事は許されています。フィースター氏ももし教え子の中にアラバマ大に興味がある選手がいればそれを咎めないとは言っていますが、アラバマ大に対してリクルーティングの上で便宜を図るような事は一切しないと断言しています。

アラバマ大嫌いが祟って・・・

ただ、この発言が全国区に流れてしまって事は一転。この発言の2日後にフィースター氏はパークウェイ高校フットボール部の監督の職を解かれてしまいました。

「フィースター監督と私はパークウェイ高校体育部の運営方針上相容れない部分がある事が明らかになりました。我が高校はこのような発言を許した事実も無く、フィースター氏の発言は学校役員にとってはむしろ不利な立場に貶めるものです。さらにはアラバマ大からリクルートを受けている我が校の生徒にも悪い影響が及ぶ可能性もあります」と語ったのはパークウェイ高校校長ウェイロン・ベイツ氏。

可愛い教え子が受けた屈辱の為に「カレッジフットボールの王」アラバマ大に噛み付いたフィースター氏でしたが、噛み付いた相手が強大であったが為に自らの身を滅ぼしてしまったという事でしょうか。フィースター氏はパークウェイ高校での6年間素晴らしい成績を残し、特に2013年度シーズンにはハリスが在学中には彼の活躍のおかげでルイジアナ州チャンピオンにも輝きました。パークウェイ高校の最多勝利監督でもあるフィースター監督でしたが、そんな彼でもアラバマ大に楯突いた代償は大きかったようです。

「まあつまるところ今回はニック・セイバンに勝利の女神が微笑んだという事でしょう。」とフィースター氏は解雇を伝達された直後のインタビューで応えました。

高校コーチの義務とは

アメリカの大学に進む事はそう簡単ではありません。よく日本とは正反対で「入るのは簡単だが卒業するのは難しい」と言いますが、それでも全員が大学へ進学出来るとは限りません。親の収入がないという理由で進学を断念せざるを得ない高校生もいます。そういった生徒達にとってスカラシップを貰って大学に進学する事はまたとないチャンスな訳です。

高校フットボール部の監督の仕事はもちろん勝ち星を重ねて願わくば州チャンピオンになる事ですが、それだけでなく生徒達の人格形成に尽力すること、さらにスポーツに秀でている生徒達が彼らにあった学校へ速やかに進学出来るようにリクルーティングで手を施すことも大事です。才能があり、例えばフットボール選手で将来プロレベルでプレーしたいと言う夢があるのであれば、それなりの大学へ進ませる事が近道である(そうでない場合もありますが)とも言えます。ですからさまざまな大学チームの監督とパイプを持ち、高校生に未来への道を開けてあげるのも高校コーチの重要な仕事だと言えます。

そうなるとフィースター氏が今回アラバマ大に立ち向かっていったのは、アラバマ大と言う強豪チームへの進学の道を遮る可能性を含んでおり、彼が教え子のハリスを思ってやった行動である事は理解出来るものの、パークウェイ高校全体では決して受け入れられる行動ではなかったと思います。しかも噛み付いた相手があのニック・セイバン監督なのです。フィースター氏の行動がポジティブな結果を生むか生まないかは言うまでもありません。

しかもカレッジフットボール界で長くコーチングに携わっているセイバン監督は全米各地に彼の「弟子」たちが散らばっています。たとえばミシガン州立大マーク・ダントニオ(Mark Dantonio)監督、フロリダ州立大ジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督、サウスカロライナ大ウィル・ムスチャンプ(Will Muschamp)監督、フロリダ大ジム・マクエルウェイン(Jim McElwain)監督、ジョージア大カービー・スマート(Kirby Smart)監督、フロリダアトランティック大レーン・キフィン(Lane Kiffin)氏・・・。数えればきりがありません。人脈なんてどこで繋がっているのか分からないのですから、アラバマ大を除外する事で及ぼす影響力は計り知れないという事にもなります。

リクルーティングは奥が深いです。このサイトではあまり扱いませんが(何千人もいる高校生リクルートを追う事なんてこのようなファンサイトでは不可能ですし、何しろ需要がないでしょうから)、チームを強くする為には重要な側面であるのは確かです。今回パークウェイ高校の校長が間髪入れずにフィースター氏を解雇したのは、フィースター氏には気の毒ですが的確な処置だったように思えます。立ち向かう相手がでか過ぎたのです。

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