1990年代後半からカレッジフットボール界にのめり込み始めた筆者にとって1999年のフロリダ州立大の強烈なインパクトは今もはっきりと覚えています。プレシーズンからナショナルチャンピオンシップ優勝まで一貫して全米1位であり続けた初めてのチームだった彼らには多くの駒が揃っていましたが、その中でも輝いていたのがWRピーター・ワリック(Peter Warrick)氏でした。
2年生だった1997年に884レシーブヤードに8TDを稼いで頭角をあらわしたワリック氏は翌年の1998年度シーズンにヤードを稼いで当時のナンバーワンWRの座を確保。オールアメリカンにも選出されいよいよ1999年度では開幕前からハイズマントロフィー最有力候補されていました。
が、その1999年のシーズン途中に友人と共謀してデパートで法外な額の割引を受けた事がバレて逮捕されてしまいます。
(ちなみにその時一緒に逮捕されてしまったチームメートは同じくWRでのちにニューヨークジェッツなどを渡り歩いたラヴァニアス・コールズでした)
このことでワリック氏は2試合の出場停止処分を下され、また彼の評判はガタ落ちし、ハイズマントロフィーレースから脱落。しかし9試合しか出場しなかったのにもかかわらずその年934レシーブヤード(8TD)を獲得してチームのナショナルタイトル獲りに大きく貢献したのでした。
大学後はNFLシンシナティベンガルズに入団。2003年に819レシーブヤードを記録しましたが、全体的に見て残念ながらプロ生活ではそこまでインパクトを残す事ができず、2007年以降はアリーナフットボールにプレーの場を移すも2011年にはひっそりと現役を退きました。
しかしながら大学時代の圧倒的さは紛れもなく彼をフロリダ州立大出身WRでトップクラスに押し上げるもので、私だけでなく当時のカレッジフットボールを知る人たちはワリック氏の活躍を今でも覚えて居るに違いありません。
そんなワリック氏ですが、今回母校のフロリダ州立大から最大級の栄誉が与えられることになりました。というのも彼が現役時代に纏っていた「背番号9」が永久欠番になる事が発表されたのです。
The newest member of the FSU Athletics Hall of Fame: Odell Haggins.#SpringBall | #DoSomething pic.twitter.com/7SoYcDxew0
— FSU Football (@FSUFootball) March 30, 2018
と行っても文字通り永久欠番になるわけではなく、ヘッドコーチであるウィリー・タガート(Willie Taggart)監督に認められれば「背番号9」のユニフォームを使用することはできるようです。ただワリック氏の現役時代の活躍を考えればそう簡単に9番を背負う事が許される選手が現れるとは思えませんが。
ワリック氏が愛した9番のジャージはこの秋からスタジアムに正式に「永久欠番」として飾られ、すでに同じく欠番となって居る他の10個の背番号の仲間入りを果たす予定です。
それにしても筆者としてはカレッジフットボールにハマりだした当時のスタープレーヤーたちが現役を退いて歳を重ねているのを見ると何とも言えないノスタルジアを感じてしまいます。例えばワリック氏と同じチームでQBを務めていたクリス・ウィンキー(Chris Weinki)氏や彼らを破って1998年にナショナルタイトルを獲得したテネシー大の元QBティー・マーティン(Tee Martin)氏や、マイアミ大の元QBケン・ドーシー(Ken Dorsey)氏らがコーチングの道などで大成しているのを見たり、また同じく同時期の1999年にハイズマントロフィーを受賞したウィスコンシン大の元RBロン・デイン(Ron Dayne)氏の息子が2018年からボストンカレッジに進学してフットボール部に入部するだとかいうニュースを聞くと「随分と時が経ったんだなぁ」としみじみしてしまいます。