エクストラポイント【2020年度第5週目】 - ANY GIVEN SATURDAY

エクストラポイント【2020年度第5週目】

エクストラポイント【2020年度第5週目】

空軍士官学校の特注ユニフォーム

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3つサービスアカデミーの間で争われる「総司令官杯」の初戦となった空軍士官学校(エアフォース)対海軍士官学校(ネイビー)のゲームは今季初戦だったのにも関わらず、エアフォースが40対7で大勝し総司令官杯獲得に向け頭一つ分抜きん出ました。

この試合で注目されたのはエアフォースのユニフォーム。彼らは元来ブルーとホワイトがチームカラーなのですが、この日はグレー基調で赤と黒のアクセントが入った、全くエアフォースを連想させないユニフォームだったのです。

これは第2次世界大戦時に空軍に設立された黒人のみの編成の航空隊、タスキギー航空隊(Tuskegee Airmen)の栄誉を称えるために作られた特注デザインです。

グレーのカラーは彼らが搭乗したP-51マスタング戦闘爆撃機をモチーフにされており、赤のアクセントはタスキギー航空隊のみに施された赤い尾翼を起源としています。

エアフォースはこれまで「Airpower Legacy Series」と題して過去に活躍した戦闘機または航空隊をモチーフにした特注ユニフォームを身に着けてきました。2016年にはフライングタイガース、2017年にはF-35戦闘機、2018年にはAC-130対地専用攻撃機、2019年にはC-17大型長距離輸送機をそれぞれフューチャーしたユニフォームを使用。そのレガシーシリーズの第5弾目がこのタスキギー航空隊のP-51マスタングだったのです。

エアフォースならではのデザイン、超かっこよくないですか?!

参考ページAir Force to honor Tuskegee Airmen with 2020 Air Power Legacy Series uniform(AF公式サイト)

ちなみにこのタスキギー航空隊の活躍を描いた映画に「ブラインド・ヒル」がありますが、これには若き日のローレンス・フィッシュバーンが主演しています。


トホホなSMUの学生たち

先週末にアラバマ大対テキサスA&M大の試合を見ていたときのこと・・・。

テレビで試合が放映されていると時折各地で行われている他の試合の速報やダイジェストビデオが流れることがあります。先週も筆者が試合観戦中にそのような速報が飛び込んできたのですが、それはサザンメソディスト大(SMU)とメンフィス大の試合の1シーンでした。

第1Q終盤、SMUのQBシェーン・ビューシェル(Shane Beuchele)からQRレジー・ロバーソン(Reggie Roberson)への完璧な70ヤードTDパスが決まった場面。ロバーソンはメンフィス大ディフェンスを振り切り一気にエンドゾーンを駆け抜けたのですが。

その先に待ち受けていたのはホームのファンたち。エンドゾーン裏のエリアはSMUの学生が集まっていたのですが、どう考えてもマスクはしてない、ソーシャルディスタンスを守っていないというのがテレビで放映されていました。筆者もこれを見て「こんなご時世なのにのんきだな」などと呟いたのです。

するとのちのちこのエンドゾーン裏にいたSMUの学生ファンたちがソーシャルディスタンスを守っていないという理由で全員退去させられてしまったのです!

新型コロナウイルスに対する意識の差は地域によって違います。筆者の住む北東部は大きなダメージを負ったエリアなので今も生活は慎重ですが、南に行けば行くほどその意識は甘くなっているようですが、このSMUのファンの行動はその最たるものだと言えそうです。


自業自得?

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先週行われたSEC(サウスイースタンカンファレンス)のケンタッキー大ミシシッピ大戦での出来事。

第1Q中盤、7対0でリードされて迎えたケンタッキー大の最初の攻撃。自陣25ヤードラインからQBトレイ・ウィルソン(Trey Wilson)のハンドオフを受けたRBアシム・ローズ(Asim Rose)がいきなり1プレー目で72ヤードのロングランを見せます。

ディフェンダーを振り切り目前に迫るのはエンドゾーン。ファーストプレーでセンセーショナルなロングTDランを決めたと確信したローズは相手陣内20ヤードラインあたりで右手を上げてピースサインを決めるという次期早々な勝利のポーズ。

が、彼のブラインドサイトからディフェンダーが近づいていたのに気づかずゴールラインまであと3ヤードというところで相手にタックルを喰らいます。思わず悔しくなって飛び跳ねるローズですが、ここまで来たらエンドゾーンはすぐそこ。TDを手に入れたも同然です

しかし。

その2プレー後。ローズは相手陣内1ヤードラインからワイルドキャットフォーメーションで直接スナップを受けエンドゾーンを目指しますが、ここでなんと彼がボールをファンブル。そのボールは無情にもミシシッピ大にリカバーされせっかくのチャンスも水の泡に。

そういえば先々週のNFLシアトルシーホークスダラスカウボーイズの試合でもシアトルWRのD.K.メットカフ(D.K. Metcalf、元ミシシッピ大)があと少しでTDというところで油断したところをダラスのトレヴォン・ディグス(Trevon Diggs、元アラバマ大)にボールをノックアウトされてみすみすチャンスを逃すというプレーがありましたね。

https://youtu.be/mMY8q23akCI

ローズもそうですがゴールラインをクロスするまで油断大敵なのです。結局試合も1点差でケンタッキー大が敗れていますから、もしこのローズのプレーがTDになっていたら試合の結果は変わっていたかもしれませんから、ローズ自身もおそらく後悔の念に苛まれたことでしょうね。自業自得といえばそれまでですが。


All for One?

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今季FBS(フットボールボウルサブディビジョン、旧NCAA1部A)と限られたFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン、旧NCAA1部AA)チームしかシーズンを開幕していませんが、FCSでも強豪のノースダコタ州立大が先週セントラルアーカンソー大と今季1度限りの試合を開催しました。

この試合だけのためにチームは練習をこなしてきたことになりますが、何故この試合だけ開催されることになったのか?それは彼らのスターQBトレイ・ランス(Trey Lance)のショーケースのためだったのです。

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ノースダコタ州立大QBトレイ・ランス

というのもこのランス、NFLスカウト界隈では来年のドラフトで1巡目候補という逸材。サイズよし、機動力よし、投力よしということでFCS選手ながら注目を浴びている選手だったのです。

しかしコロナ禍でFCSが基本的に秋シーズンを不開催としたせいでノースダコタ州立大も今シーズンのスケジュールが白紙に。そしてそれはランスがドラフトに向けてスカウト陣にアピールする絶好の機会を失うことになったのです。

そこでノースダコタ州立大はスカウトたちにランスのライブアクションを見てもらうためだけにこのセントラルアーカンソー大との試合を開催することにしたのです。

これは考えてみれば凄いことです。夏に部活動再開が許されてからかなりの時間が経ちますが、チームはこの試合だけのために練習を続けて来たことになります。チームメイトにしてみれば、どんなに試合に飢えていたとしても相手はライバルチームでもなんでも無いセントラルアーカンソー大ですし、彼らにとって見ればぶっちゃけこの試合に思い入れはないはずです。ランスがみんなから好かれるチームメイトでもなければ個人の利のためだけに体を酷使することもないでしょう。

またコーチやチームスタッフ、施設関係者などもこの試合だけのために動いていなければなりませんでした。それもランスがNFLドラフトで指名されてプロの世界で活躍するための布石を敷いてあげたいということからくるものだったのでしょう。

そしてその試合の方ですが、ノースダコタ州立大にとっては唯一の試合である一方セントラルアーカンソー大としては3試合目だったとはいえ、格下相手にノースダコタ州立大は以外にも苦戦。数字の上ではランスはこの日30投中15回のパス成功に149ヤード、2TD、1INTと数字的にも内容的にもここまでお膳立てされた割にはかなりお粗末なものでした。

ただランスは脚力で魅了。143ランヤードに2TDと光るものを見せてくれました。最近のNFLのトレンドとしてQBにはそれなりの機動力を期待されるため、この面では合格点をもらえたかもしれません。

全体的にみてリードされていた状況から逆転勝ちをお膳立てしたことは評価されるべきだとは思いますが、チーム全体がこの試合だけのために粛々と準備を重ねてきたその努力に値する程のパフォーマンスを見せられたのかといえば疑問です。むしろこの程度のパフォーマンスだったら試合をしないでフィルムの評価だけでNFL入りしたほうがよかったなんて言う声も聞かれます。

果たしてランスを全面的にサポートしたチームメイト、コーチ、スタッフたちの努力は来年の4月のドラフトで実を結ぶことにつながるでしょうか?

ちなみに現フィラデルフィアイーグルスのQBカーソン・ウェンツ(Carson Wentz)もノースダコタ州立大出身です。

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