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シュガーボウルレビュー【2025年度CFP準々決勝戦】

シュガーボウルレビュー【2025年度CFP準々決勝戦】

#6 ミシシッピ大 39、#3 ジョージア大 34

元旦夜に行われた今季最後のCFP準々決勝戦の会場である、ルイジアナ州ニューオーリンズにあるシーザーズ・スーパードームは全米が息を呑む歴史的瞬間の舞台となりました。ここで行われた準々決勝戦のシュガーボウルにて、第6シードのミシシッピ大が第3シードの強豪ジョージア大を39対34で撃破し、チーム史上初となる準決勝進出という壮大な番狂せを演じて見せたのです。

シーズン唯一の敗戦を喫した相手への完璧なリベンジを果たしたこの一戦は、前監督の退任という逆境を跳ね返し、今季のシンデレラスボーイの1人でもあるQBトリニダード・チャンブリス(Trinidad Chambliss)によるここぞと言うパフォーマンスと、記録破りのKルーカス・カルネイロ(Lucas Carneiro)の勝負強さが勝負を決した、まさに手に汗握るシーソーゲームでした。伝統ある「ブルーブラッド(名門校)」が次々と敗れる中で起きたこの大番狂わせは、カレッジフットボール界における勢力図の変動を象徴する歴史的一戦として語り継がれることでしょう。そんな激闘を振り返ります。

試合経過

試合序盤は両チームのディフェンスが主導権を握り、最初のポゼッションは共にパントに終わります。均衡を破ったのはミシシッピ大Kカルネイロでした。彼はまず55ヤードのロングFGを決めて先制すると、第1Q終盤にはなんと一発目を上回る56ヤードのFGを叩き込み、シュガーボウルでの最長FG記録を更新しました。

ジョージア大は攻撃のリズムを掴めず、今季4度目となる第1Q無得点に抑えられ、ミシシッピ大が6対0とリードして第2Qに突入します。

しかし、第2Qに入るとジョージア大が反撃。このQ最初のドライブで75ヤードを7プレーで前進した彼らは、最後QBガナー・ストックトン(Gunner Stockton)が自ら12ヤードを走り込みTDを奪い、7対6とリードを奪います。

ミシシッピ大もQBチャンブリスからルーク・ハズ(Luke Hasz)への3ヤードTDパスですぐに応戦しますが、2ポイントコンバージョンに失敗。その後、再びストックトンのQBスニークでジョージア大が14対12とリードを奪い返しますが、続くミシシッピ大のドライブで試合の流れをを左右するビッグプレーが飛び出します。ミシシッピ大のRBキーワン・レイシー(Kewan Lacy)が痛恨のファンブルを喫し、これをジョージア大のデイレン・エバレット(Daylen Everette)が掬い上げて46ヤードを独走する「スクープ&スコア」で追加点を決めました。結局前半はジョージア大が21対12とリードして折り返します。

第3Qに入るとジョージア大はFGを失敗し、ミシシッピ大も4thダウンギャンブルを失敗するなどしてなかなかチャンスを活かせない時間が続きますが、ミシシッピ大の第3Q最後のドライブでQBチャンブリスが魅せます。

途中4thダウン&3ヤードという場面で、チャンブリスがハリソン・ウォレス・III(Harrison Wallace III)へ36ヤードのパスを通して敵陣深くに侵入。最後はレイシーが7ヤードのTDランを決め、21対19と点差を詰め寄りました。

対するジョージア大はカービー・スマート(Kirby Smart)監督が自陣29ヤード付近でフェイクパントという大胆な奇策を成功させドライブを継続させ、そのままペイトン・ウッドリング(Payton Woodring)の37ヤードFGに繋げ、第3Q終了時点で24対19とジョージアがリードを保ちながら最後のクォーターを迎えます。

そして試合は劇的なシーソーゲームへと発展します。まずミシシッピ大がレイシーのこの日2つ目となる5ヤードTDランと、チャンブリスからウォレスへの2ポイントトライ成功で27対24と逆転しました。 追い詰められたジョージア大は、自陣33ヤードでの4thダウンギャンブルという強気な勝負に出ますが、これが裏目に出ます。ミシシッピ大のサンタリン・パーキンス(Suntarine Perkins)がストックトンをストリップサック。敵陣奥深くで絶好のチャンスを得ます。

そしてこのチャンスを逃さまいと2プレー後にチャンブリスからワレス・IIIへの13ヤードのTDパスが決まり残り時間9分でミシシッピ大が2ポゼ差を手に入れます。

しかし大舞台で追う立場を何度も経験してきたジョージア大は諦めません。返しの攻撃ではストックトンの絶妙なパスが連続で決まりだしあっという間に相手レッドゾーンへ侵入すると最後は彼からスターWRザッカリア・ブランチ(Zachariah Branch)への18ヤードのパスTDが成功。スコアを34対31とし3点差に迫ります。

さらに、続くミシシッピ大が一つも1stダウンを奪えないまま再びジョージア大に攻撃権が戻ってくると、12プレーを約4分半かけて繰り出したジョージア大が相手陣内6ヤードラインまで急襲。ただ、最後の最後でミシシッピ大ディフェンスの鉄壁に阻まれFGを選択。これで試合は残り時間1分を切った時点で34対34の同点に。

誰もがこのままオーバータイムに突入と思った場面でしたが、ここでまた魅せたのがチャンブリス。残り時間30秒を切り迎えた自陣30ヤードからの3rdダウンプレー。彼はWRデジョーン・ストリブリング(De`Zhaun Stribling)への最高の落とし所への40ヤードパスプレーを成功させ、一気に敵陣内へ侵入。オーバータイムへの雰囲気が突如としてミシシッピ大の逆転勝利の流れに急転換します。

結局最後はカルネイロが47ヤードの決勝FGを成功させ、残り時間6秒で遂にミシシッピ大がリードを奪い返します。後のなくなったジョージア大は試合終了直前のキックオフで、賛否を呼んだ決死のラテラルパスがパイロンを直撃してサイドラインを割りセーフティに。

このプレーで試合終了となったかに見えましたが、1秒残っていることがビデオ判定で判明し、すでに試合終了後の監督同士の握手やら、表彰式の準備が始まっていたところ、ジョージア大に1秒の猶予が与えれます。さらにこれでオンサイドキックをリカバーしますが、これでまた試合が終了したと思い込んだ多くの選手たちがフィールドに傾れ込みます。しかしボールをリカバーしたジョージア大にルール上1秒のプレーチャンスが残されます。彼らは万に一つの望みをかけてラテラルパスでチャンスを狙いますが、最後はストックトンがサックされて万事休す。最終スコア39対34でミシシッピ大が歴史的勝利を飾ったのでした。

勝敗の要因

ミシシッピ大が度重なる窮地を切り抜けられたのは紛れもなくQBチャンブリスの活躍があったからにほかありません。彼はこの日362パスヤード、2TDを記録し、特にプレッシャーを受けながらもプレーを延長する能力が際立っていました。ジョージア大のラッシュを何度も巧みに回避し、本来なら大きなロスになる場面をビッグプレーに変える「マジシャン」のような活躍を披露。特に第4Q序盤、自陣での窮地で放った44ヤードのロングパスを含む一連のシーケンスが試合の流れを決定づけたのは明らかでした。

また、ウォレス・III(156ヤード)とストリブリング(122ヤード)の両者が100ヤード超えを記録するなど、特定の選手に依存しない攻撃の厚みがジョージア大のセカンダリーを翻弄する要因にもなりました。加えてフロントセブンの守備陣が9つのタックル・フォー・ロスを記録し、要所でジョージア大の攻撃を寸断していたのも大きく響きました。

さらに、Kカルネイロが、55ヤード、56ヤード(シュガーボウル新記録)、そして決勝点となる47ヤードのFGをすべて成功させたことが最大の勝因の一つです。彼の安定した長距離キックは、ジョージア大に対して常にスコアボード上のプレッシャーを与え続ける要因になり、頼れるスペシャルチームの存在が試合の勝敗に大きく影響を与えることを証明しました。

そして忘れてはならないのは、彼らがさまざまな障害を乗り越えてチームの団結力を高め一丸となって今試合に臨めたということです。プレーオフ開始前にレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督がルイジアナ州立大へ移籍してしまい、露頭に迷う寸前まで陥っていました。しかしピート・ゴールディング(Pete Golding)新監督のもの、選手たちはその逆境を糧として強い絆で結ばれるという状況が生まれ、それがこの試合で厳しいシーンを迎えたところでもチーム力として現れたのではないかと思います。安っぽい考察かもしれませんが、そういう見えない力というのがややもすれば結果に反映することもあると思うのです。

一方、ジョージア大は第4Q残り10分を切った場面で、自陣33ヤードでの4thダウン残り2ヤードで強行したギャンブルが最大の敗因と指摘されています。スマート監督は、疲労の見えたディフェンス陣を信頼しきれず勝負に出ましたが、これがストリップサックを招き、ミシシッピ大に決定的な追加点を与えるショートフィールドを献上してしまいました。スマート監督は試合後のインタビューでも「あの状況でスナップするべきではなかった」と語っています。

また、ジョージア大の守備陣は試合の最も重要な局面で相手にロングプレーを許し続けてしまったのも痛手でした。特に終盤34対34の同点に追いついた直後の最終ドライブで、ミシシッピ大のストリブリングに40ヤードのパスを通されたことは、勝利への望みを絶つ致命的なミスとなりました。

さらに、ジョージア大の強みであるランゲームがわずか124ヤードに抑え込まれてしまったことも忘れてはなりません。OL陣がミシシッピ大のパーキンスらのプレッシャーを完全には抑え込めず、QBストックトンが常に厳しい状況でプレーを強いられたことも、攻撃のバランスを欠く要因となリマした。

ジョージア大が終盤にもっとランプレーを混ぜてクロックを進め、ミシシッピ大の最後の攻撃時間を削るべきだったかも・・・というたらればの議論もできますが、当然今となっては後の祭りです。

今後の展望

この歴史的勝利により、ミシシッピ大はアリゾナ州で行われるフィエスタボウル(CFP準決勝)にて、第10シードのマイアミ大・ハリケーンズと対戦することになります。キフィン前監督が去った後、ゴールディング新体制となってからも2連勝を飾っており、チームの勢いは止まりません。

一方、ジョージアは2年連続で準々決勝敗退となり、勝負所での駆け引きに課題を残す結果となりました。今回のプレーオフでは、ジョージア大やアラバマ大、オハイオ州立大といった名門(ブルーブラッド)チームが次々と敗退しており、カレッジフットボール界に「勢力図の変化」が訪れていることを象徴する一戦となりました。

またこれでファーストラウンドバイチームが準々決勝戦で敗れるケースは昨年と合わせると8試合中なんと7ケース(唯一勝ったのは今年のインディアナ大)。ジョージア大の場合は試合を見る限り試合勘が錆びれている様子はそこまで伺えませんでしたが、ファーストラウンドが免除されることで試合勘が鈍ってしまうことは想像に難くなく、上位4チームに与えられるこのバイが果たして特権なのかそれとも逆に足枷なのかという議論は起こると思われます。

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