#5 オレゴン大 23、#4 テキサス工科大 0
年明け一発目、フロリダ州マイアミのハードロックスタジアムで開催されたカレッジフットボール・プレーオフ(CFP)準々決勝オレンジボウルにて、第5シードのオレゴン大が、1試合平均42.5得点という全米2位の圧倒的な攻撃力を誇っていた第4シードのテキサス工科大を相手に、鉄壁のディフェンスで23対0という歴史的な完封勝利を収めました。
この快挙はオレゴン大にとって2012年以来となる、APランク上位10位以内のチームに対する完封勝利であり、同時に「バイウィーク(休養週)明けのシード校が準々決勝で敗退する」というジンクスを改めて体現する結果となりました。全米王座への階段を力強く駆け上がったオレゴン大が、いかにしてこの圧勝を掴み取ったのか、その詳細に迫ります。
試合経過
試合はオレゴン大の攻撃から開始。QBダンテ・モアー(Dante Moore)は最初のシリーズでパスを5本成功させ、リズム良く敵陣へ攻め込みました。しかし、テキサス工科大のDEデヴィッド・ベイリー(David Bailey)による12ヤードのサックで勢いが止まります。結局Kアティカス・サッピングトン(Atticus Sappington)が50ヤードのFGを沈め、オレゴンが3対0と先制しました。
その後は両チームのディフェンスが支配する展開となります。テキサス工科大は2連続でスリーアンドアウトに追い込まれ、オレゴン大が第1Qだけで圧倒的なポゼッション時間(12分5秒対2分55秒)を記録したことからも分かるようにオレゴン大が試合の流れをコントロール。そしてこのQ終盤には、テキサス工科大のQBベーレン・モートン(Behren Morton)が投じたパスを、オレゴン大の1年生CBブランドン・フィニーJr.(Brandon Finney Jr.)がインターセプトし、この日最初の貴重なターンオーバーを奪いました。
Finney with the INT 😱
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オレゴン大はこのインターセプトからのチャンスを得点に繋げられませんでしたが、第2Qに入ると、自陣付近でPジェームズ・ファーガソン・レイノルズ(James Ferguson-Reynolds)がフェイクパントからのパスを成功させる奇策を見せます。
Special teams locked in‼️
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オレゴン大はこのドライブで相手陣内ゴールライン前2ヤードまで迫りましたが、テキサス工科大の守備陣が4回目ダウンのギャンブルを阻止する意地の守備を見せ、追加点を許しませんでした。
しかし、直後にフィニーJr.がテキサス工科大のファンブルをリカバーし、再び敵陣深くで攻撃権を得ます。オレゴンはここからサッピングトンが39ヤードのFGを成功させ、6対0として前半を折り返しました。
Ducks force another turnover!
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第3開始早々、試合の流れを完全に決めるプレーが訪れます。オレゴン大のDEマテイヨ・ウイアンガラレイ(Matayo Uiagalelei)がQBモートンにサックを食らわせ、モートンからボールを奪い取ってそのまま敵陣6ヤード地点までリターンしたのです。
Fumble leads to the Ducks taking it home🏠
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直後のプレーで、RBジョードン・デイヴィソン(Jordon Davison)が6ヤードのTDランを決め、スコアを13対0としリードをさらに広げました。これがこの試合で両チームを通じて初めてのTDとなりました。
テキサス工科大も反撃を試み、QBモアーのパスをLBベン・ロバーツ(Ben Roberts)がインターセプトしてチャンスを作ります。このドライブでテキサス工科大は第3Q終了時点でオレゴン大陣内9ヤードまで侵攻し、逆転への望みを繋ぎます。しかし、同じドライブ中に第4Qに突入したテキサス工科大は絶好の得点チャンスを迎えましたが、エンドゾーン内へ投じられたモートンのパスを、再びフィニー・Jrがインターセプトしてピンチをしのぎました。
HAVE A DAY, FINNEY 😮💨
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その後、オレゴンは10プレーで5分55秒を削る重厚なドライブを見せ、最後はサッピングトンがこの日3本目となる43ヤードのFGを成功させ、16対0と突き放します。
追い詰められたテキサス工科大は、自陣30ヤード付近でのこの日4度目ダウンのギャンブルに失敗して絶望的な状況に陥り、試合終了間際の残り16秒、オレゴン大はデイヴィソンが1ヤードのダメ押しのTDランを決め、最終スコア23対0という歴史的な完封勝利を飾ったのでした。
勝敗の要因
オレゴン大の勝利は、強力なディフェンスが相手の長所を完全に封じ込めたことに集約されます。
テキサス工科大はシーズン中、20ヤード以上のロングプレーで全米2位の90回を記録していましたが、オレゴン大は守備陣が常にテキサス工科大の攻撃を2列目までに抑える戦略を徹底し、この試合で20ヤードのプレーを許したのは僅か3回でした。
また、オレゴン大守備陣が誘発した4つのターンオーバーのうち、特にマタヨ・ウイアガレレイのストリップサックなどは、相手ゴール前という絶好のフィールドポジションをオフェンス陣に提供。結果的にオレゴン大はターンオーバーから直接13得点を挙げ、ディフェンス陣がオフェンスのスコアリングを大いに助けた訳です。
その点で言うと3つのターンオーバーに絡み、この試合の守備MVPに輝いたフィニー・Jrの活躍は一攫千金のパフォーマンスとなったのでした。
Brandon Finney Jr. was a force today 😮💨#CFBPlayoff x #GoDucks pic.twitter.com/MgwH5i3L1j
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さらに、オレゴン大は第1Qだけで12分以上のポゼッションタイムを要し、試合トータルでも38分以上の攻撃タイムを記録して相手の得点力の高いオフェンスをサイドラインに釘付け状態にしました。これにより、テキサス工科大の攻撃陣はリズムを掴むことができず、逆に相手守備陣は疲弊していきました。
一方テキサス工科大は多くのチャンスを活かせず、自滅に近い形で得点の好機を逸しました。
相手の激しいプレッシャーにさらされたQBモートンは、ポケットワークで精彩を欠き、3つのターンオーバー(2インターセプト、1ファンブル)を犯してしまいました。特にレッドゾーン内でのインターセプトや、第4Qでのギャンブル失敗は、試合を立て直す最後の機会を潰す致命的なミスとなりました。実際のところ、彼らは3回あったの4thダウンギャンブルすべてに失敗し、レッドゾーン内での得点機会も3回すべて無得点に終始。オレゴン大ディフェンスを前に持ち味を全く出すことができませんでした。
テキサス工科大の今季の躍進の裏には、オフシーズンに大掛かりなNIL(Name/Image/Likeness)を導入してトランスファーポータル経由で経験値の高い転校生をかき集めたことにありました。しかし、プロ注目の選手が勢揃いしていたオレゴン大のディフェンス陣に対し、テキサス工科大の攻撃陣は彼らに対抗できるだけのの武器を欠いていました。特にレシーバー陣が相手DB陣からセパレーションを作れず、モートンの的になるだけの手助けをすることができませんでした。そんなことからもオレゴン大とテキサス工科大のタレントレベルの差は明らかだったのです。
そして、CFPの現行制度下では1回戦を免除されたシード校が準々決勝で敗退する傾向が続いており、テキサス工科大もその6番目のチームとなってしまいました。最後の実戦(Big 12カンファレンス優勝決定戦)から26日間という長い間試合がなかったことが、全米2位を誇った攻撃陣のシャープさを奪い、試合勘を錆びれさせてしまったのではないかと指摘されています。
今後の展望
オレゴン大はこれで13勝1敗となり、1月9日にジョージア州アトランタで行われるCFP準決勝のピーチボウルに進出します。対戦相手は第1シードのインディアナ大(14勝0敗)です。
この対戦は、10月11日にオレゴン大が20対30で敗れた試合の再戦となります。オレゴン大がテキサス工科大戦のような鉄壁の守備を維持し、攻撃陣がインディアナ大のプレッシャーに対処できれば、1月19日にマイアミで開催される全米王座決定戦への進出も見えてくるでしょう。
またこの勝利によりオレゴンは1シーズン13勝というスクールレコードに並び勢いに乗ります。悲願の全米制覇に向けて、オレゴン大の挑戦からまだまだ目が離せません。
一方テキサス工科大は負けはしたものの、カンファレンス優勝並びにCFP出場と、大学史上最高のシーズンを送りました。今後はBig TenやSECといった強豪カンファレンスチームともやり合えるだけの力をつける必要がありそうです。





