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フィエスタボウルレビュー【2025年度CFP準決勝戦】

フィエスタボウルレビュー【2025年度CFP準決勝戦】

#10 マイアミ大 31、#6 ミシシッピ大 27

2026年1月8日、アリゾナ州グレンデールで開催されたカレッジフットボールプレーオフ(CFP)準決勝戦の舞台となった「フィエスタボウル」にて、第10シードのマイアミ大が第6シードのミシシッピ大を31対27で破るという劇的な勝利を収めました。この勝利により、マイアミは23年ぶりとなる全米王座決定戦への切符を手に入れました。

試合経過

CFP史上でも屈指の名勝負となったフィエスタボウル。プレーオフ開始時の下馬評を覆し、テキサスA&M大や前年王者オハイオ州立大を撃破してきたマイアミ大と、爆発的な攻撃力を誇るミシシッピ大の激突は、最後の最後まで勝負の行方が分からない壮絶な展開となりました。マイアミ大にとっては、地元マイアミのハードロックスタジアムで開催される全米王座決定戦への凱旋をかけた、まさに背水の陣での戦いとなりました。

第1Q

試合序盤、マイアミ大は徹底したボールコントロールゲームを展開。タイム・オブ・ポゼッション(ボール保持時間)においてミシシッピ大を圧倒する流れを作ります。

そのマイアミ大が最初のポゼッションで、13プレー・44ヤードを費やして6分59秒もの時間を使い切り、最後はKカーター・デービス(Carter Davis)による38ヤードのFGで3点を獲得し先制パンチを喰らわします。

一方のミシシッピ大のオフェンス陣はマイアミ大ディフェンスのスピードとパワーに苦しみ、第1Qは2度のスリー&アウト(3回での攻撃終了)に追い込まれ、合計獲得ヤードはマイナス1ヤードに終わります。

第2Q

マイアミ大が圧倒しながらもスコアが3対0とロースコアな展開となった第1Qでしたが、第2Q開始と同時に試合が少しずつ動き出します。

第2Qの最初のプレーで、ミシシッピ大のエースRBキーワン・レイシー(Kewan Lacy)がスクリメージラインから一気に飛び出る73ヤードのTDランを決め、7対3とリードを奪います。しかし、レイシーはこの激走の際にハムストリングを負傷し、一時戦線離脱を余儀なくされます。

しかし、マイアミ大もすぐさま反撃。今度は7分41秒をかけた15プレーのロングドライブを敢行。そしてRBチャーマー・ブラウン(CharMar Brown)が4ヤードのTDランを決め、10対7と逆転します。

この後ミシシッピ大がKルーク・カルネイロ(Lucas Carneiro)の42ヤードFGで同点に追いつきますが、マイアミ大のエースQBカーソン・ベック(Carson Beck)は、ミシシッピ大DB陣のカバーを外れたキーラン・マリオン(Keelan Marion)へ52ヤードのTDパスを通し、17対10とリードを広げました。

ただ、前半終了直前にミシシッピ大のKカルネイロが、フィエスタボウル史上2番目に長い58ヤードのFGを成功させ、前半を17対13とマイアミ大の4点リードで折り返します。カルネイロは前試合のシュガーボウルでも56ヤードのロングFG(シュガーボウル新記録)を決めており、スペシャルチームの重要さを見せつけてくれました。

第3Q

後半戦はハーフタイムで両チームがどのような調整をしてくるかに注目が集まりましたが、双方の守備陣が踏ん張り睨み合いの展開となります。

マイアミ大も追加点のチャンスを得ますが、Kデービスが51ヤードのFGを外したり、OL陣のフォルススタートやレシーバー陣のホールディングなどのペナルティで絶好の機会を逸します。同じようにミシシッピ大もKカルネイロも51ヤードのFGを左のゴールポストに当てて外したりとスコアリングに停滞が訪れます。

さらに、マイアミ大QBベックが放ったパスがチップされ、それをミシシッピ大のカペナ・グシケン(Kapena Gushiken)がインターセプトに成功。これがこの試合唯一のターンオーバーとなりました。

ミシシッピ大はこのチャンスを活かし、カルネイロがふたたび54ヤードのFGを試みます。ボールはまたも左のポストを叩きましたが、今度は内側に跳ね返ってなんとか成功。スコアを17対16とし、ミシシッピ大がいよいよ1点差に詰め寄ります。

第4Q

試合はいよいよ最終Qに突入しますが、このQでは両チームが死力を尽くす乱打戦となりました。

1点を追うミシシッピ大はマイアミ大の相次ぐペナルティで有利にボールを敵陣内へ進め、カルネイロが21ヤードのFGを決め、19対17と再び逆転に成功します。

試合終盤で追う立場となったマイアミ大でしたが、ここで光ったのが1年生スターWRのマラカイ・トニー(Malachi Toney)でした。プレーオフで大活躍中のトニーでしたので、ミシシッピ第ディフェンスもトニーを押さえにかかりますが、試合残り時間5分4秒、QBベックからスクリーンパスを受けたトニーが敵からタックルされるもこれを掻き分け、見事エンドゾーンに飛び込んでマイアミ大が24対19と再逆転を果たします。

残り時間が約5分という時間帯での5点差を追うミシシッピ大でしたが、そのわずか2分後、QBトリニダード・チャンブリス(Trinidad Chambliss)がTEデクワン・ライト(Dae’Quan Wright)へ24ヤードのTDパスを通し、さらに2ポイントコンバージョンも成功させて土壇場で27対24とリードを奪い返します。

試合残り時間は約3分。最低でもFGで同点として首を繋ぎたかったマイアミ大は自陣25ヤードから最後の攻撃を開始。途中ベックは超貴重な3rd Downコンバージョンや4th Downコンバージョンを次々と更新し敵陣を目指します。

そして迎えた試合残り時間24秒、相手陣内3ヤードラインからの2ndダウン&ゴール。スリーマンラッシュをかけてきたミシシッピ大のディフェンスフロントをガッチリと押さえたマイアミ大OL陣でしたが、全てのレシーバーがディフェンス陣にカバーされているところに右サイドからのラッシュを察知したベックは前方にステップするとそのまま左側に開いたレーンを自らの足で駆け抜け、残り時間18秒で遂に31対27と逆転を果たしたのです。

ミシシッピ大も最後の18秒からチャンプリスのパスプレーでマイアミ大の35ヤード付近まで急襲しましたが、エンドゾーンへのヘイルメリーパスはマイアミ大守備陣に阻まれ(パスINTの節もあったように見えましたが)万事休す。マイアミ大がなんとか逃げ切り試合終了となったのでした。

スタッツ比較

#10 マイアミ大#6 ミシシッピ大
1stダウン数2823
3rdダウンコンバージョン11-192-10
4thダウンコンバージョン2-20-0
トータルヤード459398
パスヤード268277
ランヤード191121
ペナルティ10回/74ヤード4回/34ヤード
インターセプション10
ファンブル00
ボール所有時間41:2218.38

勝敗の要因

マイアミ大の勝因

マイアミ大の最大の勝因は、試合時間の約7割に近い41分22秒(オールミスは18分38秒)という驚異的なボール所有時間です。これにより、ミシシッピ大の得点力の高いハイテンポなオフェンス陣をサイドラインに釘付けにし、第4Qには相手ディフェンス陣を著しく疲弊させることに成功しました。

またこの試合でMVPを受賞したQBベックは、最もプレッシャーがかかるファイナルドライブで、3rdダウンや4thダウンの窮地を次々と突破。そして最後は自らの足で決勝TDをもぎ取る勝負強さを見せました。

前チームのジョージア大では先発QBを任されるも肝心な時に勝てないと非難され、オフシーズンに莫大なNIL(Name/Image/Likeness)マネーをオファーされてマイアミ大にやってくるも、シーズン中に2敗を喫して批判の矢面に立たされることもあったベックですが、268ヤードを投げて勝利に貢献。彼のベテランとしての冷静さが光った試合でした。

そして期待されていたルーキーWRトニーもそれに応える形で5回のキャッチで81ヤードを記録。そして第4Qには36ヤードのスクリーンパスTDを成功させました。彼のオープンフィールドでのスピードは、膠着した展開を打破する大きな武器となりましたし、彼の存在があった影響でディフェンス陣は彼により一層の注意を払わずを得なくなり、それが他のレシーバー達をオープンにするという副産物も生まれていました。彼のような試合の流れを変えてくれる選手がいたことは大きかったです。

さらに前評判の高かったマイアミの守備陣ですが、ハイパワーオフェンスを誇るミシシッピ大を全般的に抑え込むことに成功。特にレッドゾーンでのディフェンスが際立ち、ミシシッピ大をゴール前で食い止め、TDではなくFGに強いる場面が何度もありました。この「Bend-but-don’t-break(曲がっても折れない=攻め込まれても最後まで崩れない)」守備が、最終的な4点差の勝利を支えたのです。

ミシシッピ大

逆にミシシッピ大の最大の敗因は、前半からマイアミ大に試合のペースを完全に支配されてしまったことです。

前述の通り、マイアミのポゼッション時間が41分22秒に達したのに対し、ミシシッピ大はわずか18分38秒でした。特に第1Qにはたったの2分しかボールに触らせてもらえず、マイアミ大の術中にハマってしまいました。

そしてそのことで試合を通じてフィールドに立ち続けざるを得なかったディフェンス陣は、第4Qにオフェンスが逆転してくれたものの、彼らは目に見えて疲弊していました。その結果、試合終盤のマイアミ大による約3分をかけて15プレー・75ヤードを進撃した執念のドライブを止める体力が残っておらず、残り18秒で逆転TDを許す結果となりました。

また試合序盤のスコアリングを支えたエースRBレイシーが、第2Q冒頭に73ヤードのTDランを決めた際に負ったハムストリングの怪我の影響で、その後の出場が大きく制限されました。その結果、オフェンスのバランスが崩れてしまったのも痛手でした。

レイシーというランアタックの柱を失ったミシシッピ大の地上攻撃は、合計で約120ヤードと平均を下回る数字に終始。これにより、QBチャンブリスがパス攻撃を一人で背負わなければならない状況に追い込まれました。チャンブリスは孤軍奮闘していましたが、レシーバー陣のパスドロップも複数見られ、ミシシッピ大の自慢のオフェンスはそのポテンシャルを完全披露することなく幕を閉じることになってしまいました。

さらに、レッドゾーンまで進みながらTDを取り切れなかったことも痛かった。特に、第4Qにマイアミ大の反則にも助けられて敵陣5ヤードまで攻め込みましたが、ここまで辿り着きながらエンドゾーンが遠く、結局TDを奪えず21ヤードのFGを強いられました。おまけに3rdダウンコンバージョンの成功率がたったの2割(10回中2回成功)とドライブを思い通りに継続できなかったのも響きました。

このプレーオフから監督として指揮をとっているのがディフェンシブコーディネーターのピート・ゴールディング(Pete Golding)新監督ですが、彼のバックボーンでもあるディフェンス陣が大事な場面でカベレージを見誤ったり、多くのタックルミスをする場面が目立ち、逆にそこから相手に得点を許すという流れになってしまったのも痛恨の極みです。

今後の展望

この勝利で第10シードという最後のアットラージ枠から這い上がったマイアミ大が、ついに全米の頂点に王手をかけました。最後に全米制覇を果たしたのが2001年度であり、最後に全米王座決定戦に出場したのが2002年度だったことを考えると、23年ぶりにこの大舞台へ戻ってきたことになります。

そしてなんといっても今回の全米王座決定戦は、マイアミ大の本拠地でもあるハードロックスタジアムで開催されます。ここまで合計5試合連続アウェーでの歴戦だった彼らですが、これで地元ファンの前で2001年以来の王座獲得に挑むことができます。何物にも変え難い後方支援となるはずです。

ミシシッピ大は敗れはしたものの、NCAA2部のフェリス州立大出身のQBチャンブリスは強力なマイアミ大ディフェンスに対し277ヤードを投げ、彼らを土俵際まで追い詰める見事なパフォーマンスを見せました。

また、プレーオフ前にレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督がルイジアナ州立大へ電撃移籍してしまうといういざこざに巻き込まれましたが、ゴールディング監督のもとで団結し、ここまで来れたことは来年度以降の自信につながるはず。オフェンスコーチが皆キフィン監督がいるルイジアナ州立大へ行ってしまいますし、チャンブリスが来年度も戻って来れるかどうか不透明ではありますが、今後も目が離せないチームであることに変わりはありません。

ハイライト動画

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