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マイアミ大vsテキサスA&M大レビュー【2025年度CFPファーストラウンド】

マイアミ大vsテキサスA&M大レビュー【2025年度CFPファーストラウンド】

#10 マイアミ大 10、#7 テキサスA&M大 3

カレッジフットボールプレーオフ(CFP)のファーストラウンド第2戦目はテキサス州カレッジステーションのカイルフィールドで行われましたが、この試合はある意味歴史に刻まれるような壮絶な守備戦となり、結果的に第10シードのマイアミ大が第7シードのテキサスA&M大を10対3で破るという劇的なアップセットで幕を閉じました。両チームの強力なディフェンスが真っ向からぶつかり合う、まさに「我慢比べ」の展開となったこの激戦を振り返ります。

試合経過

テキサスA&M大のホームゲームとして行われたこの試合には10万人を超える観客が詰めかけmさいたが、試合開始から両チームの強力なディフェンスと、時速30マイル(約48km)に達する強風がオフェンスを苦しめました。

第1Q開始早々、テキサスA&M大は12プレーを費やす長いドライブを見せましたが自ら犯した反則もありパントに終わります。マイアミ大の守備陣も鋭く、 CBケイオンテ・スコット(Keionte Scott)がテキサスA&M大のQBマルセル・リード(Marcel Reed)からサックを奪ってファンブルを誘発し、マイアミ大がボールを奪い取る場面もありました。

しかし第2Qに入るとテキサスA&M大に最大のチャンスが訪れます。リードからマリオ・クレイバー(Mario Craver)への59ヤードのロングパスが通り、一気にマイアミ大レッドゾーンへ強襲。絶好のスコアリングチャンスを手にしますが、マイアミ大のスターDLルーベン・ベイン・Jr(Rueben Bain Jr)が22ヤードのFGをブロックし、テキサスA&M大は得点の好機を逸してしまいます。

対するマイアミ大も1年生WRマラカイ・トニー(Malachi Toney)が55ヤードのパントリターンを見せて敵陣深くへ攻め込みますが、Kカーター・デービス(Carter Davis)が強風のせいもあったのか47ヤードと40ヤードのFGを立て続けに外し、前半を0対0のスコアレスで折り返しました。これはCFP史上初の出来事です。

しかし、後半開始直後マイアミがようやくリズムを掴みます。

第3Q開始直後、マイアミ大は9プレーで72ヤードのドライブを展開し、最後はすでに2本のFGを外していたKデービスが21ヤードのFGを成功させて3対0と先制し均衡が破れます。

その直後のテキサスA&M大の攻撃で、マイアミ大のブライス・フィッツジェラルド(Bryce Fitgerald)がリードのパスをインターセプト。追加点の絶好の機会を手に入れますが、マイアミ大は相手レッドゾーンから1度もファーストダウンを奪えずにFGを選択。このFGをデービスが外し(この日3つ目)せっかくのチャンスを不意にしてしまいます。

そして迎えた最終Q、試合は一気に動き出します。

3点を追うテキサスA&M大は、16プレーで67ヤードを7分半かけた執念のドライブでマイアミ大臣内へ攻め込み、TDには至らなかったもののK、ランディ・ボンド(Randy Bond)が35ヤードのFGを決め、試合残り時間残り約8分で遂に3対3の同点に追いつきます。

さらに直後のマイアミ大の攻撃で、WRトニーがパスを受けた直後にボールをファンブルし、テキサスA&M大にボールを奪われるという、モメンタムを変えるようなビッグプレーが飛び出しました。しかし、マイアミ大のディフェンス陣が再び立ちはだかり、ベイン・JrのサックなどでテキサスA&M大をパントに追い込むことに成功し事なきを得ます。

そして迎えた試合時間残り約4分、自陣14ヤードから始まったマイアミ大の攻撃で、RBのマーク・フレッチャー・Jr(Mark Fletcher Jr)が、起死回生となるキャリア最長となる56ヤードの爆走を見せ、一気に敵陣へ侵入します。

さらに立て続けにフレッチャー・JrのランでテキサスA&M大レッドゾーンへ侵入すると、残り1分44秒という場面でQBカーソン・ベック(Carson Beck)がスウィープしてきたトニーにボールをトス。そしてそのままトニーがエンドゾーンまで激走し、遂にマイアミ大が土壇場で10対3と勝ち越します。

後のないテキサスA&M大は最後の反撃で敵陣ゴールライン前5ヤードまで迫りましたが、リードがエンドゾーンへ放ったパスをフィッツジェラルドがこの日2度目のピック。これで見事マイアミ大が逃げ切り、10万人の大観衆が集まったアウェーという厳しい状況でマイアミ大が歴史的な勝利を収めたのでした。

勝敗の要因

プレーオフ史上稀に見るロースコアとなったこの試合で目立ったのは、マイアミ大守備陣の圧倒的なプレッシャーでした。この日彼らはシーズン平均36.3得点を誇るテキサスA&M大の攻撃をわずか3点に抑え込みました。なんといっても特筆すべきはQBリードに7つのサックをお見舞いしただけでなく、3つのターンオーバーをも引き出し、リードに常に圧をかけ続け追い込んだことが大きな勝因だったといえます。。

また、スタジアムに吹き荒れた強風のせいで空中戦が機能しないばかりか、FGも3つ外しまくった中、RBフレッチャー・Jrは17回のキャリーで自己最多の172ランヤード(平均10.1ヤード)を稼ぎ出し、TDは奪えなかったもののオフェンスを牽引。特にラストドライブでの彼のランがなければトニーの決勝TDは生まれなかった事でしょう。

そしてなんといっても期待の1年生たちの勝負強さ。 WRトニーは決勝TDの直前のドライブで痛恨のファンブルを犯していましたが、それにもめげずに立ち直り、見事にTDを奪って汚名を返上しました。また、1年生DBフィッツジェラルドも2つのインターセプトを記録するなど、若手選手たちが大舞台で真価を発揮できたのは素晴らしかったです。

    一方、テキサスA&M大は既述の通りシーズン平均36.3得点を記録するオフェンスを擁していましたが、この試合ではわずか3点に抑え込まれ、今季初めてTDを奪えずに終わるなど大舞台で力を発揮することができませんでした。

    試合後、マイク・エルコ(Mike Elko)監督が「ラインの攻防で負けた」と認めた通り、攻守両面でマイアミ大のフィジカルに圧倒されました。マイアミ大のディフェンス陣に合計7つのサックを許してしまったこと、ランで89ヤード(1キャリー平均2.5ヤード)に抑えられてしまったことからもそれは明らかでした。


    この勝利はマイアミ大学にとってCFP史上初の勝利であり、また2004年以来となる全米トップ10チームからアウェーでの勝利となり、名門ながら燻ってきた彼らがマリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督の指揮下でとうとう殻を破ったという新たな歴史の幕開けとなりそうです。

    この瞬間を間近で見たいと、マイアミ大の多くのOBが試合会場に駆けつけていましたが、最も目立っていたのがマイケル・アーヴィン(Michael Irvin)氏。サイドラインで喜びを爆発させたり、試合後には選手と共にフィールド上で喜びを爆発させたり、しまいにはインタビューされていたクリストバル監督にキスしたり笑

    これでマイアミ大は12月31日に行われる準々決勝戦のコットンボウルで第2シードのオハイオ州立大と対戦します。全米屈指の守備力を誇るオハイオ州立大に対し、今回のようなディフェンス主体の戦い方がどこまで通用するかが注目されます。

    一方のテキサスA&M大は、今季11連勝でスタートする輝かしいスタートを切りましたが、最終戦でライバル・テキサス大に負け、そしてマイアミ大とのファーストラウンド不完全燃焼のまま11勝2敗で幕を閉じました。しかしながら、ポテンシャルを持ちながら長らく全米の表舞台に立てて来れなかった彼らがエルコ監督指揮下2年目でプレーオフまでたどり着いたことは大いに評価されるべきアチーブメントです。来期以降のテキサスA&M大も楽しみなチームとなりそうです。

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