- 試合予定
- 2024年度戦績 (10-3)
- 最近10年間の戦績
- チーム情報
所在地
ミシシッピ州オックスフォード市
所属カンファレンス
SEC
ホームスタジアム
ヴァウト・ヘミングウェースタジアム
通算戦績
675勝547敗35分け
通算ボウルゲーム戦績
26勝15敗
ヘッドコーチ
レーン・キフィン
44勝18敗(6年目)
105勝52敗(生涯通算)
前回全米優勝年度
1960年度
前回SEC優勝年度
1963年度
前回ボウルゲーム出場年度
2024年度(ゲーターボウル)
2023年度にチーム史上最多勝利数となる11勝を稼ぎ出し、翌年となる2024年にも10勝3敗とし、1959年〜1960年度以来となる2年連続二桁勝利数を叩き出したミシシッピ大。コンスタントに勝ち越しシーズンを稼ぐだけでなく、二桁勝利というハードルも超えて見せてきているのも、今年6年目を迎えるレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督の手腕によるところが大きいです。
ただ今年は昨年のメンバーから14人もの先発選手がチームを去り、リビルドな年となることは明らか。それでもキフィン監督お得意のトランスファーポータル経由での補強も着実に進んでおり、新たなメンバーで迎える2025年度シーズンは期待と不安が入り混じるものとなりそうです。
オフェンス
ミシシッピ大のオフェンスは元々オフェンス畑を歩いてきたキフィン監督の頭脳と今年で4年目となるオフェンシブコーディネーターのチャーリー・ワイズ・Jr(Charlie Weis Jr)氏の繰り出す、非常にイノベーティブなオフェンス。
そのオフェンスを昨年までリーダーとして率いていたQBジャクソン・ダート(Jaxson Dart、現ニューヨークジャイアンツ)がついにチームを去り、その役目は新顔のオースティン・シモンズ(Austin Simmons)に託されます。キフィン監督に育てられたシモンズが満をじして登場となりますが、正直その才能は未知数。ただ気フィン監督及びワイズ・Jr氏のフィロソフィーは熟知していると思われ、それをフィールドで体現できるのかが見もの。
RB陣を率いるのはローガン・ディグス(Logan Diggs)。これまでノートルダム大、ルイジアナ州立大と渡り歩いたジャーニーマンですが、ACL(膝前十字靭帯)断裂から復帰という苦労人。元々パワーのあるRBでタックルを食らっても早々倒れない見ていて爽快なラッシャー。4年生のベテランとしてミシシッピ大のランアタックを引き受けます。
パスアタック好きなミシシッピ大オフェンスにとってレシーバー陣のデプスは最重要事項。昨年のスターWRトレ・ハリス(Tre Harris、現LAチャージャーズ)が抜けてしまいましたが、ここは特にトランスファー選手で補強しています。その中でも注目したいのは元ペンシルバニア州立大のハリソン・ワレス・III(Harrison Wallace III)、元オクラホマ州立大のデザウン・ストリブリング(De’Zhaun Stribling)、元ウエストバージニア大のトレイロン・レイ(Traylon Ray)、元ウェイクフォレスト大のドュース・アレキサンダー(Deuce Alexander)、そして元アラバマ大のケイレブ・オドム(Caleb Odom)らです。この「外人部隊」たちのケミストリーがうまく交われば、ミシシッピ大のパスオフェンスは変幻自在となるかも。
ミシシッピ大の今季のオフェンスの不安材料はOL陣。というのも昨年の先発メンバー5人中4人がチームを去ってしまったからです。唯一の残留選手であるディエゴ・パウンズ(Diego Pounds)と共にQBシモンズをガッチリと守る壁の構築が急務。そこで、ここでも活用するのが当然トランスファーポータルとなりますが、ポータル内で最も評価が高かった元アーカンソー大のパトリック・クータス(Patrick Kutas)を獲得できたのは朗報。他にも元シャーロットのPJ・ウィルキンズ(P.J. Wilkins)や元UABのデラノ・タウンゼン(Delano Townsend)といった補強も行なっており、ここに期待の新人デヴィン・ハーパー(Devin Harper)が食い込めるかが見もの。昨年はケガに泣いたOL陣、今年の目標はユニット内の連携を一刻も早く強めそして怪我を回避すること、といったところでしょうか。
ディフェンス
一方ディフェンスはディフェンシブコーディネーターのピート・ゴールディン(Pete Golding)氏によって指揮されるユニット。2024年度のディフェンスは非常にパワフルであのジョージア大との試合での鉄壁の守りにも見られる通りここ最近のミシシッピ大でも指折りの守備力を誇っていました。しかしここから数人のキープレーヤーが離脱したこともあり、ゴールディン氏にとってはチャレンジングなシーズンとなるかもしれません。
DL陣からは昨年の先発メンバー3人がチームを去り(ウォルター・ノーレン、JJ・ペギース、プリンスリー・ウマンミエレン)大幅なオーバーホールが必須。ここの補強は当然トランスファーポータル頼み。ルイジアナ州立大からダショーン・ウォマック(Da’Shawn Womak)とプリンスリーの弟である元ネブラスカ大のプリンスウィル・ウマンミエレン(Princewill Umanmielen)が即戦力として期待されています。昨年チームで許したランヤードは平均80ヤードと絶好調だったため、今年もこのプロダクションを維持したいところ。
LB陣には昨年の主力選手、サンタリン・パーキンズ(Suntarine Perkins)とTJ・ドッテリー(T.J. Dottery)が今年も健在。パーキンズは昨年のチーム内での最多タックル・フォー・ロス及びサック数を誇り、プレシーズンのオールアメリカンにも名を連ねるほどの高い評価をすでに受けている頼れる選手。さらにはここにもトランスファー選手が複数加入しており、経験値が高い選手が多く控えています。
そしてDB陣ですが、ここからはCBトレイ・エイモス(Trey Amos、現ワシントンコマンダーズ)らが抜けた穴を埋めるのが最重要課題。そしてやっぱりその手段として取られたのがトンランスファーポータル経由の補強方法。オフにチームに合流したのはサウスアラバマ大からリッキー・フレチャー(Ricky Fletcher)、ワシントン大からカピナ・ガシキン(Kapena Gushiken)、さらにはアーカンソー大からジェイレン・ブラックストン(Jaylen Braxton)。新顔揃いなためコンティニュイティーとか連携度合いが鍵となりそうです。
注目のマッチアップ
今年のミシシッピ大のスケジュールはカンファレンス戦がかなり手厳しいものに。しかもシーズンを追うごとに強豪校との試合が目白押しになっていきます。
9/27 vs ルイジアナ州立大
今季カンファレンス戦としてのメガマッチとしては第一弾となるのがこのLSU戦。まだ9月とはいえ、ミシシッピ大の現在位置を知る上での重要なマッチアップ。
10/18 @ ジョージア大
こちらはさらにアウェーとなる強豪チームとの対決。昨年はミシシッピ大が番狂せを起こしましたが、敵地での対戦ということで厳しい戦いにはなりそうです。
10/25 @ オクラホマ大
前週のジョージア大戦に続き2週連続となるアウェーゲーム。名門オクラホマ大のスタジアムの雰囲気に飲み込まれないかどうかも重要ですが、カンファレンス戦として是非とも白星を手に入れたいところ。
11/1 vs サウスカロライナ大
今季前評判の高いサウスカロライナ大との試合。もし彼らがその下馬評通りかそれ以上の戦績を残してれば、この試合も重要なカンファレンス戦に。
11/15 vs フロリダ大
同じく今季前評判の高いフロリダ大との対決。シーズンも終盤となったこの時期での対決。両チームともSECタイトルゲーム出場レースで争っていればメガマッチとなっている可能性も。
総評
直近2年間で二桁勝利数を挙げたミシシッピ大ではそのスタンダードのハードルが上がっており、当然狙うはカンファレンスタイトル、そしてその先に見えるCFP(カレッジフットボールプレーオフ)進出となります。
キフィン監督というキャラが非常に立っているHC、エキサイティングなオフェンスをしてミシシッピ大に集まるバズ度は増えていますが、一方で今季は数ポジションでリビルドが必要となっており、加えてスケジュールが厳しいということで、世間の予想は8勝ないし9勝がラインとして引かれています。
ただ、キフィン監督は相手が強ければ強いほど真価を発揮するトラックレコードもあり、見ているものをワクワクさせてくれるのは確か。トランスファーポータルをこれでもかと言うほど利用しまくって戦力を補強しており、独特の雰囲気を持っているチームでもあります。
新QBシモンズの出来、新たなパーソネルを抱えた中ディフェンスの指揮を取るDCゴールディング氏の手腕、そしてそれらを一つにまとめ上げるキフィン監督のリーダーシップが見もののシーズンとなりそうです。