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【第13週目レビュー】ミシガン大42、オハイオ州立大27

【第13週目レビュー】ミシガン大42、オハイオ州立大27

全米2位のオハイオ州立大と同5位のミシガン大のライバリーゲーム。その規模の大きさから「The Game」という愛称まで付いているこのマッチアップは全米トップ5チーム同士の戦い、Big Tenカンファレンス東地区優勝レース、さらにはカレッジフットボールプレーオフ(CFP)の行方を占う上で非常に重要な試合となり、筆者もいつになくキックオフ前から興奮しまくっていました。

観戦しながらツイートしていたのでそれをもとに試合を振り返ります。

試合会場となったミシガン大キャンパスのあるアナーバーはあいにくの雪模様。しかしこのタフなシチュエーションこそBig Tenフットボールの醍醐味であり、またこのカードにおいてここまで8連敗を喫しているミシガン大としてはライバルの鼻をあかすにはまたとない環境だという雰囲気も漂っていました。

ミシガン大の先攻で始まった最初のドライブでは、ランアタックが得意な彼らはRBハッサン・ハスキンズ(Hassan Haskins)の足をもとに敵陣内に侵入。そして最後はWR A.J.ヘニング(A.J. Henning)のリバースプレーでTDを奪いミシガン大が先制。

10プレーという重厚なドライブでの先制点にホームは歓喜に包まれます。

オハイオ州立大はハイズマントロフィー候補最右翼とされるQB C.J.ストラウド(C.J. Stroud)に彼のターゲットとなるWRクリス・オラヴェ(Chris Olave)、ギャレット・ウィルソン(Garrett Wilson)、ジャクソン・スミス・エンジグバ(Jaxon Smith-Njigba)の三羽烏、ルーキRBトレヴィヨン・ヘンダーソン(TreVeyon Henderson)と全米随一のスキルポジションを擁するハイパワーオフェンスが持ち味。その彼らの最初ドライブでは1stダウンを奪えずに攻撃権をミシガン大に譲渡し試合序盤からモメンタムがミシガン大に早くも流れ込んだかに見えました。

そんな折にこのプレー。

ただオハイオ州立大はミシガン大のディフェンスに阻まれFGを余儀なくされます。この日大活躍したミシガン大DLエイダン・ハッチンソン(Aidan Hutchinson)がストラウドにQBサック!

この後しばらく膠着状態が続きますが、第2Q中盤に攻め込むオハイオ州立大はストラウドからウィルソンへのパスTDが決まってこの日初のリードを奪います。

しかしミシガン大もすぐさま反撃。QBケイド・マクナマラ(Cade McNamara)からWRコーネリアス・ジョンソン(Cornelius Johnson)への37ヤードが決まって敵陣2ヤードまで進撃。そのチャンスを逃すこと無くハッサンがTDランを決めて再びリードを奪います。

オハイオ州立大は前半終了間際にFGを決めて点差を1点に縮めてハーフタイムに突入。前半終了時のスタッツをみると数字的にはかなり拮抗していますが、ランが得意なミシガン大らしく20回のキャリーに106ヤード(1キャリー平均5.3ヤード)とうまくポゼッションゲームに持ち込めている感じ。

またハーフタイム時、ロッカールームに向かう両チームがトンネル内で小競り合い。全米を代表するライバル同士ならではの風景です。

後半はオハイオ州立大の攻撃から始まりますが、一度もファーストダウンを奪えずにミシガン大に攻撃権が移ります。そのドライブでは2プレー目でRBブレイク・カーラム(Blake Corum)の55ヤードのロングランで一気に敵陣13ヤードに急襲するとすぐさまハスキンズがこの日2つ目となるTDランを決めてたったの3プレーでミシガン大が追加点を奪います。

返しのオハイオ州立大の攻撃ではミシガン大のハッチンソンがこの日2つ目となるQBサックをストラウドにお見舞い。

さらに攻撃の手を緩めないミシガン大は再びオハイオ州立大エンドゾーンに肉薄。1ヤードに迫ったミシガン大でしたが、エンドゾーンでのこのプレーから両者入り混じる乱闘寸前の騒ぎに。これぞライバリーの火花の散らし合いです。

そしてこの一悶着の直後にハスキンズがこの日3つ目のTDをゲット。スコアが28対13といよいよミシガン大有利な雰囲気になっていきます。

何としてもTDを奪って点差を縮めたいオハイオ州立大ですが、その最中にまたもハッチンソンがストラウドをサック!これでこの日3つ目のQBサックとなりましたが、オハイオ州立大のOLはミシガン大のフロントセブンの猛攻を何度も許すという脆さを露呈した試合でもありました。

しかし全米最高峰のオフェンスを擁するオハイオ州立大も怯みません。降り続いていた雪が一旦やんだ中、ストラウドからスミス・エンジグバへのこのミラクルパスを起点にドライブをつなぎます。

第4Qに突入しドライブを続けるオハイオ州立大は途中4thダウントライを成功させてなんとか首をつなぎます。

そして最後はヘンダーソンがTDランを決めて点差を1スコア差に縮めることに成功。試合の行方はまだまだわかない・・・と思わせました。しかし・・・。

ここからが今までとは違ったミシガン大。相手に追いつかれても試合の流れを決して渡さないという鬼気迫る攻撃を見せ、返しの攻撃では約5分かけた9プレーのドライブの後にこの日4つ目となるハスキンズのTDランでスコアを35対20に。

第4Q中盤で15点差が付き、いよいよアップセットが現実味を帯びてきたミシガンスタジアムのボルテージはマックスに。ただただでは転ばないオハイオ州立大はストラウドからオラヴェのこのプレーを見せてオハイオ州立大ファンの希望を繋ぎ止めます。

そして最後はヘンダーソンのTDでまたまた点差を8点差に。もうこの時点ですでにお腹いっぱいなのですが(笑)。

しかし残り時間は5分弱。ミシガン大は得意のランで時間を削りながら敵陣内を目指し、いよいよオハイオ州立大の反撃のチャンスが薄らいでいく中、残り3分を切ったところではスキンズがTD。この日5つ目となるこのTDランは時間を稼がれることを嫌ったオハイオ州立大がわざと献上したものでもありましたが、残された時間が時間だけに結果的にこのTDがトドメとなりました。

最終スコアは42対27。ミシガン大が見事に対オハイオ州立大戦連敗記録を8で止め、見事にカンファレンス東地区を制覇。2011年度から導入されたカンファレンス優勝決定戦に自身初出場を成し遂げました。

また就任時からそのカリスマ性でチームの顔となっていたジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督ですが、タイトルどころか地区優勝もままならずおまけにライバル・オハイオ州立大に5連敗としあとがありませんでしたが、ついにその呪縛から開放されることに。

ミシガン大の勝因はそのフィジカルさ。ラインプレーではオハイオ州立大を圧倒。また既にご紹介したように持ち味であるランアタックを十二分に発揮しこの日は合計297ヤードを脚で記録。またその影響でハイパワーオフェンスを擁するオハイオ州立大オフェンスをベンチに留めることに成功。自身もハスキンズの5つのTDに見られるように得点を重ね続けることが出来たことも大きかったですね。

相手が追いつこうとしても決してリードを奪わせないという強い信念がフィジカルフットボールとうまく融合してラインを押し込み、トレンチでの勝負で相手を凌駕。

また全米随一の火力を持つオハイオ州立大を抑え込んだディフェンス陣にも脱帽。相手のランアタックを64ヤードに止め事あるごとに長めのサードダウンに持ち込んだ守備陣。ハッチンソンが3つのサック、デヴィッド・オジャボ(David Ojabo)が1つという数字からも分かるようにオハイオ州立大OL陣はミシガン大のエッジラッシュに耐えきれなかったのも印象的。

またディフェンシブバックフィールドはストラウドに合計394ヤードを投げられはしましたが、DB陣は常にオラヴェ、ギャレット、スミス・エンジグバらに裏を取られない堅実な壁レージでヤードこそ稼がれても失点を防ぎました。この攻撃陣を27点に抑えたミシガン大ディフェンスはプレーオフチームとしての貫禄充分でした。

一方のオハイオ州立大はこの敗戦でカンファレンス戦連勝記録が29でストップ。現在指揮を執るライアン・デイ(Ryan Day)監督自身にとってもリーグ戦連勝記録は25でストップ。そしてこれで2敗目となったオハイオ州立大はトップ4から脱落するのは必死。カンファレンス優勝決定戦に進めない彼らのレギュラーシーズンはこれで終了となりプレーオフ進出の夢はほぼ消えたと見て間違いないでしょう。

兎にも角にも期待を裏切らないばかりか120%楽しませてくれたこのビッグゲーム。お昼から力を入れすぎて見すぎたために既に肩が凝ってしまいましたが(笑)、本当に秀逸なゲームでした。

(しかしこのあとに見た「アイロンボウル」では更に体力を消耗する観戦となったのですが・・・😅)

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