12月28日
キャンピングワールドボウル
バージニア工科大 vs オクラホマ州立大
今ボウルシーズン初となるランキングチーム同士の戦い。
オクラホマ州立大(19位)といえば今シーズン平均約46得点を誇るハイパワーオフェンスを擁する超攻撃的チーム。一方のバージニア工科大(22位)は平均失点14点という強固なディフェンスを誇るチーム。お互いの長所同士がぶつかり合う興味深い争いになりそうです。
今季開幕後7勝1敗で全米11位まで上り詰めたオクラホマ州立大は大外からカンファレンスタイトル及びカレッジフットボールプレーオフ(CFP)狙いましたが、ライバル・オクラホマ大との点取り合戦に敗れると11試合目にはカンザス州立大にも土をつけられ結局9勝3敗と今年もファンの期待に応えることはできませんでした。
壮絶な戦いとなったオクラホマ大とのライバリーゲーム
にしても、9勝をあげて12年連続ボウルゲームに出場することになったことは評価に値します。彼らの爆発的なオフェンスの源は今シーズンでもトップレベルに数えられるQBメイソン・ルドルフ(Mason Rudolph)とシーズン最優秀WR賞であるブレントニコフ賞を受賞したWRジェームス・ワシントン(James Washington)のコンビネーションです。QBとWRというコンビで考えた時、今シーズンこの二人に勝るチームは他に見当たりません。
一方のバージニア工科大も今季5連勝と開幕ラッシュをかけ、大一番のクレムソン大戦に臨みましたが、敢え無く撃沈。さらにマイアミ大とジョージア工科大に2連敗しアトランティックコーストカンファレンス(ACC)タイトルレースから脱落してしまいましたが、ピッツバーグ大とバージニア大に2連勝して9勝3敗という成績を残しました。このキャンピングワールドボウルに出場を果たしたことでバージニア工科大は25年連続のボウルゲーム出場を達成。連続出場記録としては36年連続記録を更新中のフロリダ州立大に次ぎ二番目の記録となります。
バージニア工科大にとっての最重要課題は先にもあげたルドルフとワシントン(とその他の仲間たち)のパスアタックをどう防ぐか、であります。彼らのパスディフェンスは全米21位ということで上位にランクされ、対戦相手のパス成功率に至っては全米トップとなる46.9パーセントと素晴らしい数字を残していますが、一方で彼らはオクラホマ州立大のようなパスオフェンスを操るチームと対戦してきていません。唯一似かよっていたチームとしてクレムソン大が挙げられますが前述の通り彼らはクレムソン大に敗れています。
1年生QBジョシュ・ジャクソン(Josh Jackson)はルーキーとして予想以上の活躍をしてチームに貢献しましたが、攻守ともにオクラホマ州立大についていけるかは疑問です。しかもつい先日彼らのトップWRであるキャム・フィリップス(Cam Phillips)が股関節のヘルニアでこの試合に出場不能となり、これはバージニア工科大にとっては痛手であります。
アラモボウル
スタンフォード大 vs TCU
スタンフォード大(13位)にとっては初出場、テキサスクリスチャン大(TCU、15位)にとっては2度目の出場となるアラモボウル。TCUは2016年度に続き2年連続の招待となりましたが、昨年はオレゴン大相手に長いボウルゲームの歴史上でも稀に見る大逆転勝利を挙げました。今年のアラモボウルも出場両チームがランクされており、4年連続でランクチーム同士のマッチアップを実現させました。
TCUは今季開幕後7連勝を飾り全米4位にまで上り詰めましたが、アイオワ州立大にまさかの敗戦を喫しオクラホマ大にも敗れますが、なんとかカンファレンスタイトルゲームに進出を果たします。しかしそこでも再びオクラホマ大にやられてしまいリーグ制覇はなりませんでした。10勝を挙げたBig 12準優勝チームであるTCUは「ニューイヤーズ6ボウル」のいずれかに出場してもおかしくはないと思いますが、CFPランキングの関係で今年もアラモボウルに落ち着きました。
スタンフォード大は開幕後1勝2敗といきなり負け越し早々に全米ランキングから姿を消しましたが、そのあとは9試合中8試合で白星を挙げなんだかんだでPac-12カンファレンス北地区を制覇。タイトルゲームでは南地区代表のサザンカリフォルニア大と死闘を繰り広げましたが、31対28で惜しくも2年ぶりのタイトル奪取を逃しました。
TCUは平均失点数17.6点という優秀なディフェンスを保持するチーム。これは所属するBig 12カンファレンスで最小の数字となります。これに対峙するのはハイズマントロフィー最優秀候補者であり、全米の最優秀RB賞であるドーク・ウォーカー賞を獲得したスタンフォード大RBブライス・ラブ(Bryce Love)です。今季ラブは「パワー5カンファレンス」所属チーム内でトップとなる1973ラッシュヤードを記録し、12試合中11試合で100ヤード以上の走りを披露。しかも11月は足首の捻挫を患いながら痛みをこらえて出場し続けたのです。
12月初旬のハイズマントロフィー授賞式ではまだ足を引きずっていたラブ。彼の足首の容体がこの試合の結果を左右すると言ってもいいかもしれません。
ホリデーボウル
ワシントン州立大 vs ミシガン州立大
一昨年3勝8敗と目を覆いたくなるようなシーズンを送ったミシガン州立大は今季盛り返して9勝3敗とし、現在16位にランクされています。またワシントン州立大(18位)は前半戦で連勝を続け、一時は全米5位にまで駆け上がりましたが、カリフォルニア大に足元をすくわれるとアリゾナ大とワシントン大にも敗れカンファレンスタイトルゲーム出場をおしくも逃しました。
ワシントン州立大はマイク・リーチ(Mike Leach)監督お得意の超パスオフェンスが持ち味です。しかし、ワシントン州立大が今季好調を維持したのはいつものパスオフェンスだけでなくディフェンス陣が威力を発揮したからです。その証拠に彼らのディフェンスは許したヤード数(トータルと1試合平均)でそれぞれ全米15位と立派な数字を残しています。が、やはり何と言っても注目はQBルーク・フォルク(Luke Falk)のプレーです。今年4年生でこの試合がカレッジキャリア最後となる彼の高いパフォーマンスに期待したいです。
ミシガン州立大はマーク・ダントニオ(Mark Dantonio)監督のお家芸である地味ながらじわじわ効いてくるディフェンス力が持ち味です。フォルクにポケット内でいかに自由な時間を与えないかがキーになってくるでしょう。それにはミシガン州立大のフロントセブンのパスラッシュ、そしてLB陣のカベレージ能力に期待が集まります。オフェンスでは投力もあり機動力も魅力的なQBブライアン・レウワーキ(Brian Lewerke)が指揮をとりますが、彼らのオフェンスが光るのはやはりレウワーキと彼のWR陣とのパス攻撃が決まりだすケースです。ワシントン州立大のパス波状攻撃を完全に止めることはできないでしょうから、彼らにすがりつくのに足りるポイントを挙げられるかどうかがキーポイントとなるのではないでしょうか。