ボウルゲームプレビュー:ミッドメジャーボウル編【その四】

ボウルゲームプレビュー:ミッドメジャーボウル編【その四】

12月30日

タックスレイヤーボウル

ルイビル大 vs ミシシッピ州立大

今年のタックスレイヤーボウルの見どころはルイビル大QBで昨年のハイズマントロフィー受賞者であるラマー・ジャクソン(Lamar Jackson)です。今年はトロフィーをオクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)に譲りましたが、それでも最終候補に選ばれ投票で3位につけました。おそらくジャクソンは4年生シーズンを待たずにNFL入りを果たすことでしょうから、この試合が大学選手として彼を拝める最後のチャンスになるでしょう。今季はチームが8勝4敗と全米の表舞台に出てこなかったこともあり、メディアの露出は昨年と比べると減りましたが、それでも3489パスヤード(25TD、6INT)に1443ランヤード(17TD)とトロフィー受賞時に負けじと劣らないパフォーマンスを見せてくれました。

ミシシッピ州立大は現在23位にランクされており、4敗したうちの3試合はジョージア大(現在3位)、アーバン大(現在7位)、アラバマ大(現在4位)と強豪校ばかり。アラバマ大戦ではあと少しで大金星を奪うところまでに迫りました。そんなミシシッピ州立大ですが、ご存知の通りHCのダン・マレン(Dan Mullen)監督はフロリダ大のHC就任のためにチームを去ってしまいました。新監督にはペンシルバニア州立大のオフェンシブコーディネーターを務めていたジョー・モアヘッド(Joe Morehead)監督を起用することになりましたが、このタックスレイヤーボウルはおそらく残されたコーチ陣で乗り切ることになるでしょう。また投げて走れるQBニック・フィッツジェラルド(Nick Fitzgerald)は最終戦のミシシッピ大戦にて足首を脱臼する重傷を負い戦線離脱。マレン監督が去り、新コーチ体制が待っている状況でスターティングQBも怪我で欠場となれば選手たちがどれだけのモチベーションを持ってこの試合に臨めるかが一番の焦点になるでしょう。

リバティーボウル

アイオワ州立大 vs メンフィス大

今季2シーズン目となるマット・キャンベル(Matt Campbell)監督率いるアイオワ州立大は5戦目にオクラホマ大から大金星を奪うとその3週間後には当時4位だったテキサスクリスチャン大からも勝利を奪って一気にスターダムにのし上がりました。ただその後は4試合中3試合を落とし結果的には7勝5敗としましたが、常にBig 12カンファレンスでも下位を行ったり来たりしてきたアイオワ州立大にとっては今シーズンは大成功だったと言えるでしょう。アイオワ州立大のシンデレラストーリーを自ら体現したのはQBカイル・ケンプ(Kyle Kempt)。開幕時は第3のQBでしたが彼の前をゆくQBたちが次々と怪我を負って彼に出番が回ってくるとそのチャンスを生かし6勝3敗という素晴らしい記録を残しました。

メンフィス大は「グループオブ5カンファレンス」の一員として今年セントラルフロリダ大と肩を並べてランキングに名を連ねてきました。アメリカンアスレティックカンファレンス(ACC)のタイトルゲームではそのセントラルフロリダ大と熾烈な点取り合戦を演じ、惜しくもオーバータイムで競り負けましたが、10勝2敗と素晴らしいシーズンを送ることができました。メンフィス大の特徴はその爆発力の高いオフェンス。QBライリー・ファーガソン(Riley Ferguson、3971パスヤード、36TD)、RBダレル・ヘンダーソン(Darrell Henderson、1154ヤード、9TD)、WRアンソニー・ミラー(Anthony Miller、1407ヤード、17TD)と駒は揃っています。「パワー5カンファレンス」の一員であるアイオワ州立大にひと泡吹かせる可能性は十分ありそうです。

1月1日

アウトバックボウル

ミシガン大 vs サウスカロライナ大

ミシガン大は今季トップ10から発進したチームでしたが、全米トップレベルのディフェンスを持ちながら、オフェンスが全く機能せずペンシルバニア州立大ミシガン州立大オハイオ州立大といったBig Ten東地区に所属するライバルたちにことごとく苦虫を噛まされました。オフェンスの鬼才とも言われるジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督が率いるチームとしてなぜここまでオフェンスがザルとなってしまったのか思わず首を捻りたくなります。それはハーボー監督のオフェンスを実際に体現してくれるQBがミシガン大にはいないからに他ありません。ただディフェンスは先にも述べたように全米トップレベルですからオフェンス陣がミスをしなければサウスカロライナ大相手に問題は内容に思えます。

しかしだからと言ってサウスカロライナ大を侮ることはできません。今季サウスカロライナ大で2シーズン目を送ったウィル・ムスチャンプ(Will Muschamp)監督は発展途上であるSEC東地区においてこのチャンスを逃さずテネシー大フロリダ大を撃破。この地区はジョージア大の圧倒的強さが目立ちましたが、そんな中でも地区2位を確保しました。ディフェンスをモットーとするムスチャンプ監督率いるチームはこれで2年連続ボウルゲーム出場を決め、ミシガン大を倒して9勝目獲得を狙います。

シトラスボウル

ノートルダム大 vs ルイジアナ州立大

昨年3勝8敗と散々な結果に終わり、ブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督のクビも危ういと言われましたが、今年は打って変わって快進撃を果たしたノートルダム大(14位)。第2戦目のジョージア大戦では1点差で敗れましたが、そこから8連勝を飾り全米3位に躍り出ます。残念ながらマイアミ大との決戦で41対8と完敗して念願のCFP進出を逃しますが、昨年の戦績を考えると9勝3敗という数字は想像をはるかに超える数字です。注目は機動力抜群のQBブランドン・ウィンブッシュ(Brandon Wimbush)と一時はハイズマントロフィー候補とも言われたRBジョシュ・アダムス(Josh Adams)の二人。彼らがハマればどの相手からも多くのTDを奪えることは間違いありません。

一方のルイジアナ州立大は今季初の手綱とりとなるエド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督のデビューシーズンとなりました。5試合目に超格下トロイ大にホームでのナイトゲームで敗れるとオルジェロン監督の指揮能力を疑問視する声が早くも上がりましたが、それ以降は立ち直ってアラバマ大に喫した黒星以外は6勝を挙げ、終わってみれば9勝3敗と上出来のシーズンとなりました。昨年の先発QBでもあったダニー・エトリング(Danny Etling)は今シーズン大幅に成長して14TDに2INTという高いパスエフィシエンシーを確保。また去年までRBとして君臨したレナード・フォーネット(Leonard Fournette)の後継者となったダリウス・ガイス(Derrius Guice)は怪我に悩まされながらも見事に1153ヤードを足で稼ぎました。

シトラスボウルはニューイヤーズ6ボウルの一つではありませんが、おそらくそれ以外のボウルゲームの中で最も注目されるマッチアップとなるでしょう。

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