決戦!【第14週目レビュー】

決戦!【第14週目レビュー】

Big Tenカンファレンス優勝決定戦

オハイオ州立大 27、ウィスコンシン大 21

全米4位のウィスコンシン大と8位のオハイオ州立大の間で争われたBig Tenタイトル。この試合は、すでにプレーオフに用意された4つの椅子のうち3つがすでにほぼ決定となっていたため、(オクラホマ大ジョージア大クレムソン大)、4つ目の椅子をかけても重要な試合となりました。

ゲームはBig Tenらしいディフェンシブバトルでロースコアとなりましたが、非常に強固なウィスコンシン大ディフェンスに対しオハイオ州立大QB J.T.バレット(J.T. Barrett)が素晴らしいリーダーシップをみせ、パスでもランでも身を呈してオフェンスをリード。しかも彼は6日前に半月板の手術をしたばかりという完全な体調ではなかったのにも関わらずです。

なかなか調子の出ないウィスコンシン大でしたが後半に入りQBアレックス・ホーニブルック(Alex Hornibrook)とカンファレンスナンバーワンTEトロイ・フマガリ(Troy Fumagalli)のホットラインがじわじわと効き始め、それを起点にオハイオ州立大陣内にプレッシャーをかけ続けます。そして第3Q終盤にバレットのパスをインターセプトし攻撃権を奪い返したウィスコンシン大が72ヤードを11プレーかけて突進し最後はクリス・ジェームス(Chris James)、そしてホーニブルックからフマガリへの2ポイントコンバージョンパスが決まり24対21と点差をいよいよFG分にまで縮めてきました。

追加点が欲しかったオハイオ州立大はバレットが4thダウンコンバージョンを決死のランで獲得してドライブを繋げましたが、結局TDは奪えず試合残り時間5分20秒というところでFGを決めて6点差の27対21とします。TDさえ奪えば逆転勝ちが可能だったウィスコンシン大はその返しの攻撃ではパントを余儀なくされますが、3つ残していたタイムアウトを上手く使い、またディフェンス陣が踏ん張って残り時間3分を切ったところで最後のチャンスを手にします。

自陣29ヤードから最後の望みをつなぎオハイオ州立大陣内へ突き進んだウィスコンシン大。一時は敵陣内に侵入もしましたがホールディングの手痛い反則を取られこのせいで残り1分というところで4th&20ヤードという厳しい状況に追い込まれます。そしてホーニブルックのフマガリへのパスは彼の頭上を越えて無情にもオハイオ州立大DBデーモン・ウェブ(Damon Webb)の腕の中に吸い込まれていき万事休す。ここまで無敗街道を突き進んであと少しでカンファレンスタイトル及びプレーオフ進出権を獲得できたウィスコンシン大でしたがあと一歩及びませんでした。

これでオハイオ州立大が3年ぶりにカンファレンスタイトルを獲得したことになりますが、問題は4位のウィスコンシン大が敗れたことによって空いた最後のプレーオフの席に誰が座るのか・・・ということです。明日発表されるファイナルCFPランキングの順位に大きな注目が集まります。


ACC優勝決定戦

クレムソン大 38、マイアミ大 3

ACCタイトルゲームは昨年のディフェンディングナショナルチャンプのクレムソン大と今季破竹の10連勝を含む10勝1敗で古豪復活の狼煙を上げてきたマイアミ大の対決となりました。が、スコアを見ていただければ分かるようにクレムソン大が圧勝。今週行われた「パワー5」カンファレンスのタイトルゲームの中でも最も拍子抜けしてしまったゲームとなってしまいました。

クレムソン大は試合開始後の自身のドライブで3連続TDを奪う速攻をかけ、序盤からペースを掴みマイアミ大に付け入る隙を与えませんでした。QBケリー・ブライアント(Kelly Bryant)はキックオフ後から15回連続パスを成功させるほど絶好調。終わってみればマイアミ大のアグレッシブなディフェンス相手に29回中23回のパスを成功させ2TDを含む252パスヤードを記録。あまりにも点差が離れすぎたため、第4Qにダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督は彼をベンチに引っ込めるほどでした。

またクレムソン大はマイアミ大のオフェンスを完全シャットアウト。相手に許したファーストダウンはたったの10個で奪われたヤードも214ヤードほどでした。

これでクレムソン大は3年連続プレーオフ進出を手中に収めました。アラバマ大の栄華ばかりが取り上げられますが、スウィニー監督率いるクレムソン大もいよいよその域に達してきたと言えそうです。

SEC優勝決定戦

ジョージア大 28、アーバン大 7

レギュラーシーズン11週目と同じ顔合わせとなったSECタイトルゲーム。前回はアーバン大が40対17と当時1位だったジョージア大を寄せ付けずにショッキングな勝利を奪いましたが、今回はその二の舞を演じることなくジョージア大がリベンジを達成。28対7でライバルでもあるアーバン大を倒して2005年度以来となるSECの頂点に立つことになりました。

試合序盤はアーバン大の早いテンポにジョージア大がなんとか追いつこうという展開でQBジャレット・スティッドハム(Jarrett Stidham)とRBケリオン・ジョンソン(Kerryon Johnson)の二枚岩で速攻をかけて彼らが先制します。この出だしを見れば誰しもが再びアーバン大がジョージア大を退けるものだと思ったことでしょう。

しかしディフェンスの鬼でもあるカービー・スマート(Kirby Smart)監督が黙っているはずはなく、アーバン大のノーハドルオフェンスに対抗すべくプレー毎にディフェンス陣も選手を入れ替えてアーバン大の攻撃の速度を落とします。これはディフェンスが11人揃うまではオフェンスはスナップをしてはいけないというルールを逆手に取った作戦だったようです。

これが功を奏しアーバン大は試合開始最初のドライブでの得点以降なかなかジョージア大のレッドゾーンに足を踏み入れることができませんでした。一方前回の対戦で完全にランゲームを阻止されたジョージア大はこの日ニック・チャブ(Nick Chubb)とソニー・ミシェル(Sony Michele)のツートップRBがアーバン大フロントセブンに襲い掛かり前回の雪辱を果たせとばかりにヤードを足で稼いでいきます。また1年生QBジェイク・フローム(Jake Fromm)もミスのないプレーで攻撃陣を援護。さらにミシェルが怪我で戦線を離脱すると1年生RBデアンドレ・スウィフト(D’Andre Swift)が見事に代役を果たしこの日駄目押しとなる3つ目のTDである、64ヤードのロングTDランを決めて第4Q早々に試合を決定づけました。

実際試合は第3Q終了時に13対7とジョージア大が僅差のリードを守っていたこともあり、アーバン大にも勝機はあったと思いますが、第3Qの中盤にジョージア大がアーバン大のFGをブロックしたあたりから徐々に流れはジョージア大に流れていたのも確かです。正確なパスが売りのスティッドハムも第4Qいよいよ追いつかなければあとがないという切羽詰まった状況に陥ると、ジョージア大守備陣のプレッシャーのせいもあってそのパスの精度が落ち、結局試合開始直後のドライブで奪ったTD以外点を取ることはできませんでした。

過去4週間のうちに3度も全米トップ10チーム(しかもそのうち2度はどちらも当時全米1位チーム)と対戦したアーバン大。前回のジョージア大と先週のアラバマ大戦は勝ち逃げすることができましたが3度目の正直とはならず。またジョンソンが肩の怪我で100%ではなかったことも響き、残念ながら夢のプレーオフはお預けとなってしまいました。

個人的にはよく知っている選手がジョージア大でプレーしているので彼らが勝ててよかったと思います。プレーオフ的にはこの結果で現在蚊帳の外から様子を伺っている5位のアラバマ大の立場が微妙になってきました。というのも「ジョージア大に負けたアーバン大に負けてしまった」という事実がCFP選考委員会の目にどう映るかわからないからです。

いずれにせよ今季ジョージア大がここまで躍進するとは誰も想像していなかったことですから、レギュラーシーズン中にアーバン大に屈辱の黒星を味合わされてもそれを乗り越えて再びトップ4に戻ってくる(と予想される)ジョージア大は大いにこの勝利の美酒を味わってほしいものです。

Big 12カンファレンス優勝決定戦

オクラホマ大 41、テキサスクリスチャン大 17

Big 12カンファレンス優勝決定戦は全米3位のオクラホマ大が12位のテキサスクリスチャン大相手に41対17と予想通り大量得点を奪って快勝。これにより彼らのプレーオフ進出はほぼ確実なものとなりました。

オクラホマ大のスターQBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)は4TDを含む243パスヤードに加え65ランヤードも記録してどうやらハイズマントロフィーをほぼ手中に収めた感じ。しかしこの日は後半にギアを上げたオクラホマ大のディフェンスが光りました。24対17でオクラホマ大がリードを奪いながらテキサスクリスチャン大にもまだチャンスが十分ある状況で前半を折り返したところ、そのオクラホマ大ディフェンスがハーフタイム明けで逆転に向けて意気込むテキサスクリスチャン大オフェンスを完全攻略。6度あったドライブにてパントが4回、パスINTが1回、そして相手の4thダウンコンバージョンを阻止すること1回とまったく相手に仕事をさせませんでした。

あとはオクラホマ大がどのシードに落ち着くかです。この試合だけ見れば彼らが1位にランクされてもおかしくはないです。ここら辺は最終的にどの4チームが選ばれてから考慮されるのかもしれませんが。

Pac-12カンファレンス優勝決定戦

サザンカリフォルニア大 31、スタンフォード大 28

多くのカンファレンス優勝決定戦に先駆けて金曜日に行われたPac-12カンファレンス優勝決定戦では、サザンカリフォルニア大のQBサム・ダーノルド(Sam Darnold)が2TDを含む325ヤードのパスを投げ北地区代表のスタンフォード大を今季2度目となる対戦でも再び退けてカンファレンスタイトルを獲得しました。

今季NFL級QBと言われながらINTパスを重ねてその評価を幾分落としたダーノルドでしたがこの日は彼の本領を発揮。ほぼミスなしでチームに2008年ぶりのPac-12タイトル獲得に貢献。またRBロナルド・ジョーンズ(Ronald Jones II)もスタンフォード大ディフェンスから足で140ヤードに2TDを奪う活躍。さらにWRマイケル・ピットマン(Michael Pittman)も7度のキャッチで146ヤードを献上し彼らのダイナミックなオフェンスがこの大一番で披露されたのでした。

スタンフォード大はスターRBブライス・ラブ(Bryce Love)が125ヤードを記録するなど満身創痍の体を押してサザンカリフォルニア大ディフェンスに立ち向かっていきましたが、第3Qまでパスゲームが機能せず、第4Q後半に追う立場なってからようやくQB C.J.コステロ(C.J. Costello)がパスを立て続けに決めて残り2分で31対28と3点差まで点差を詰めることに成功。

オンサイドキックはサザンカリフォルニア大に奪われますが、ディフェンスが踏ん張りスタンフォード大が相手を4thダウンに追い詰めます。しかしここでクレイ・ヘルトン(Clay Helton)監督は4thダウンコンバージョンに打って出ます。そしてダーノルドからWRジョシュ・ファロ(Josh Falo)への15ヤードパスが決まって1stダウンを奪いこの激戦に幕を閉じました。

サザンカリフォルニア大にとってカンファレンスタイトル獲得は2008年以来。この時は当時栄華を誇っていたピート・キャロル(Pete Carroll、現NFLシアトルシーホークス監督)監督時代のこと。彼が去って以来チームが全米の表舞台から去っていましたが、これでようやく強豪復活と声を上げることができそうです。

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