最近NCAAは高校生リクルートたちが通常の「ナショナルサイニングデー」よりも早い段階で進学先チームにサインしても良いと言うルールを新たに加えましたが、カンザス州立大のビル・シュナイダー(Bill Snyder)はこの決定に反対の意をを示しています。その理由が私が見落としていたものであったのでここで紹介しておきたいと思います。
「あのようなルール改正をする前にもう少し熟慮して欲しかったです。最近NCAAがやる事はその多くが不完全のまま世に出てしまう事が多い気がします。そしてそのままルールが改定される。そしてそのルールは機能しないから、またそのルールを変更しなければならなくなるのです。」
シュナイダー監督はこの「早期サイニングデー」のタイミングがどうも気に食わないようです。今年からこの新ルールは施行される予定ですが、通常の2月初旬の「ナショナルサイニングデー」に先駆けて行われるこの「早期サイニングデー」は今年は12月20日から12月22日に行われる予定です。この時期はお分かりかと思いますがポストシーズンのボウルゲームシーズンのまっただ中。そんな忙しい時期にコーチ達は「早期サイニングデー」の為に貴重な時間を奪われてしまうとシュナイダー監督は指摘しています。
「このルールのせいで我々コーチ陣はシーズン中にさらにリクルーティングへの時間を奪われることになります。それは在校生である選手達にフェアでは有りません。私は常々フットボール部は在校生が全てであると信じてきました。そして我々コーチ達は彼らに対し誠心誠意接していかなければならない。しかしこの早期サイニングデーの新ルールはその機会を我々から奪うものなのです。」とはシュナイダー監督。
「早期サイニングデー」の主旨は高校生リクルート達の中ですでに進学先が確実に決まっていて心変わりすることはほぼ無いという選手達の為に、早々に書類にサインをしてしまって2月までの「カオス」を味合わなくても済むようにするというものでした。しかし、シュナイダー監督の言う通り、これは大学チームをある意味無視したルール変更とも言えます。そしてコーチ陣に更なるしわ寄せが出来るだけでなく、シーズン終了直後にコーチ陣を解雇したチームが有るとすれば、ひょっとしたらこの「早期サイニングデー」の時点で新コーチ陣が決まっていないチームが表れるというシナリオもありえます。
このルール変更はシュナイダー監督の言う通りNCAAの勇み足だったのでしょうか?