Big 12カンファレンスは現在「パワー5」と呼ばれる上位カンファレンスの中で唯一カンファレンスタイトルゲームを行わない(行えない)のですが、それを変えるかどうかという議論が続いています。どうやら大筋でBig 12エクスパンション(拡張)は必須だという論調のようですが、その是非を早くとも今夏に問うことになりそうだ、とオクラホマ大学長が話しています。
「我々は現在事実関係の確認とデータの収集を行っているところです。そしてカンファレンスが(エクスパンションによって)どれだけの安定を得ることができるか、そして財政的にも意味があることなのかを探っているのです。」とはボーレン学長の言。
「我々(Big 12に所属する大学の学長たち)の中ではこの案件に関してどうするかを夏までに決めようと話しています。なぜならこの決断を永遠に長引かせることはできないからです。」
エクスパンションの最大の理由はカンファレンス所属チームを合計12チームにすることです。NCAAはカンファレンスタイトルゲームを行うには最低12チームがカンファレンスに所属していなければならないと定めています。現在同カンファレンスに所属するチームは10あります(ベイラー大、アイオワ州立大、カンザス大、カンザス州立大、オクラホマ大、オクラホマ州立大、テキサス大、テキサスクリスチャン大、テキサス工科大、ウエストバージニア大)。要するにエクスパンションを可能にするにはあと2チームを招聘しなければならないわけです。
2011年から2012年にかけて4つのチャーターチームが相次いで脱退したことが響いています(コロラド大、ミズーリ大、ネブラスカ大、テキサスA&M大)。
今の所AACのシンシナティ大が興味を示しているようです。また情報筋によればブリガムヤング大、コネティカット大、セントラルフロリダ大、ボイジー州立大もターゲットに挙げられているそうです。
Big 12は上記の通り4チームが抜けその後のパワーバランスが心配されましたが、ベイラー大の台頭、新加入のテキサスクリスチャン大の活躍、そしてオクラホマ大が昨シーズンプレーオフに進出するなど存在感をアピールしています。これがエクスパンションに大きな追い風となってくれるでしょう。
「我々が行動に移すには絶好のチャンスなのです。」とボーレン学長は続けます。「危機が訪れてから行動に移るのでは遅すぎるのです。そうすればさらにメンバーの脱退という痛い目にあうことでしょう。カンファレンスのパワーがある程度安定している今だからこそエクスパンションを図るのに適しているのです。現在我々のカンファレンスに所属する大学はみなBig 12を存続させたいと願っているのです。」
エクスパンションを成功させたいのには理由があります。それは12チームとなりカンファレンスタイトルゲームを開催できるようになればそれだけでまた収入が増えるということ。そしてカンファレンスタイトルゲームがあることによってプレーオフに進める確率が増えるのです。
どういうことかというと、シーズン終盤にはプレーオフ進出を争うチームは限られてきます。そうなると負けた時点でそのレースから脱落するということになりますが、勝ち続けることによって選考委員にアピールすることもできるとも言えます。現在のBig 12だとタイトルゲームが行えないわけで、そうなるとタイトルゲームを行える他の カンファレンスチームよりも1試合プレーできるゲームが少なくなるわけです。そうなると状況次第ではアピールする試合数が1試合少ないだけでプレーオフから漏れる可能性もあるわけです。
現に2014年はテキサスクリスチャン大が非常にいいポジションにつけていましたが、トップ4チームに食い込むことはできませんでした。幸運なことに昨年は他のトップチームが崩れたことでオクラホマ大がプレーオフに進出することができましたが。しかし今のままではテキサスクリスチャン大のようなケースがこれからも起きる可能性が高いのです。
Big 12カンファレンスの繁栄を願うのならば(レコード的にも財政的にも)、このエクスパンションは必須事項なわけです。