フットボールボウルサブディビジョン(FBS)はNCAA1部の中でも上位カンファレンス群の集まりとされていますが、FBSの中でもさらに「パワー5」カンファレンス群と「グループオブ5」カンファレンス群に区別されています。パワー5に属するのはアトランティックコーストカンファレンス(ACC)、Big 12カンファレンス、Big Tenカンファレンス、Pac-12カンファレンス、そしてサウスイースタンカンファレンス(SEC)の5つのカンファレンスを指します。この5つのカンファレンスには俗にいう強豪校や有名校がひしめいており、実質この5つのカンファレンス出身のチームからナショナルタイトルを獲得するチームが輩出されているのが現状です。
そして経済的にも潤っているのはこれらのパワー5に属するカンファレンスとされており、その額は日本のプロスポーツも顔負けのものです。その中でもSECならびにBig Tenは懐が温かいことで知られています。そんな中、ACCの2018年度の総収入額が大幅にアップしたことが米大手のUSAトゥデー誌の発表で明らかになりました。
ACCの2018年度の収入は2017年度より11%増しの4億1810万ドル(1ドル100円計算で約418億円)。そして所属する14校がそれぞれ2950万ドル(約30億円)を分配されたことになります。
この額はPac-12カンファレンスと肩を並べることになり、数字だけ見ればとんでもない額ですが、同じ年のBig Tenが760億ドル、SECが627億ドルであることを考えればまだまだ上には上がいるという恐ろしい構図になっています。
しかも各チームごとの取り分だけを見れば、Big Tenが54億ドル、SECが43億ドル、Big 12が34億ドルということでさらにACC並びにPac-12はパワー5カンファレンス群の中でも差をつけられているという状況にあります。最もBig 12カンファレンスは所属チームが10チームであり、必然的に各チームの取り分が多くなるという事実もあるのですが。
ACCは現在クレムソン大が大躍進中ですが、正直それ以外のチームが彼らに追随できていないというのが実際の所。フロリダ州立大、バージニア工科大、マイアミ大といったチームが台頭してくればこの総収入額もおそらく上がっていくことでしょうし、そうなればそれぞれのチームの取り分も上がるはずです。またACCは2019年度から独自のメディアネットワークであるACCネットワークをローンチさせる予定になっており、この経済的影響は向こう2年間は図りかねるとは言え、ACCの増収のポテンシャルは大いにありそうです。