元アラバマ大のQBで2015年度のナショナルタイトル獲得に大いに貢献したジェイク・コーカー(Jake Coker)が選手生活にピリオドを打つことを決めました。
大学卒業後はドラフト外のフリーエージェント選手としてアリゾナカーディナルズと契約。しかしその夏にはチームに残れずこれまでフリーエージェントとして行き先を探していました。
「私はアリゾナにいた時に再度膝の手術を余儀なくされましたが、もうこれ以上手術はしたくなかった。だからフットボール選手としての生活に終止符を打とうと思ったのです。私はすでに今後の生活が楽しみでいます。」とラジオ局のインタビューで答えました。
アラバマ大では最後の年に前述のように先発QBの座を確保し、ナショナルタイトル獲りに向けてチームになくてはならない存在となっていました。実はコーカーはフロリダ州立大からの転校生。そこでは2013年度のナショナルタイトルも獲得しており(ジェーミス・ウィンストンのバックアップQBとして)、チャンピオンシップリングを2つ持っていることになります。
アリゾナではプレシーズンゲームにも出場するチャンスはありませんでしたが、そのことに関しては全く後悔していないようです。
「本当のところを言うと、私の長年の夢は『アラバマ大でプレーしナショナルタイトルを取ること』でした。だから、その夢を果すことが出来ただけで十分だったんです。今引退することに決めましたが、そのことには全く後悔の念はありません。フットボール選手としての時間を十二分に楽しみましたし、その結果には大変満足しているのですから。」とすでに心は晴れ晴れしているようでした。
アラバマ州モービル市生まれのコーカーはアラバマ大ファンとして育ちましたが、残念ながら高校卒業時にはアラバマ大からは声がかからず、フロリダ州立大へと進学。しかしフロリダ州立大では先発には恵まれず、キャリア合計で成功させたパスは36回中18回、トータル250ヤードに1INTとパッとしませんでした。
しかしアラバマ大に転校してきて2年目の2015年度シーズンに先発の座をついに掴みます。当初アラバマ大のQB陣はチームの唯一の弱点と言われていましたが、シーズンを追うごとにコーカーの指揮官としての安定感が増し、終わる頃にはチームメートから絶大なる信頼を勝ち取ることになったのです。
フロリダ州立大、そしてアラバマ大と言う強豪校を渡り歩き、それぞれでナショナルタイトルを獲得したコーカー。プロで活躍できるのは限られた選手のみだけであることを考えても、彼のフットボール人生は特別なものであったと言えそうです。少なくともアラバマ大ファンの間では今後も長いこと彼の名は語り継がれていくことでしょう。